巴里のアメリカ人
巴里のアメリカ人(1952) 1
d.ヴィンセント・ミネリ
t.アラン・ジェイ・ラーナー
c.恋愛.夢追い
ジェリー(ジーン・ケリー)
リズ(レスリー・キャロン)
『雨に唄えば』と並んでミュージカル映画の傑作とされている作品。音楽の評価も非常に高い。
………画家でアメリカ人のジェリーは絵で生計を立てようとパリで生活している。同じアパートの住人でピアニストのアダムとは友人。アダムに人気歌手のアンリを紹介され、知り合いになる。
街路で絵を飾り売る日々を過ごしていたある日、ミロという富豪の女性に絵を気に入られ、ジェリーのスポンサーになると申し出られる。ミロはジェリーに惚れているが、ジェリーは酒場でリズという女性に一目惚れしてしまう。ジェリーの猛アプローチで恋仲になる二人だが、リズはアンリと恋人同士で……。
ジェリーがリズに一目惚れするより前にリズとアンリが恋人同士であることはアダムと観客に示されているので、リズがジェリーの手を取ったときはジェリーだけが何も知らない状態。とにかく切なく感じた。この時になんとなくリズが最終的にジェリーを選ぶような気がしたのだ。
そしてその全てを知ったとき、ジェリーはわりとあっさり引き下がる。人気歌手の彼と画家として駆け出したばかりの自分。夢を追っている自分にはお金が無い。彼にはある。夢で腹は膨らまない。彼の夢なら腹が膨らむ。
そもそも自分と付き合うよりもずっと前から恋人がいた、なんて随分ヘビーなパンチでしょう。想いを止められないことはあるけれど、ジェリーに感情移入して観てるのでその辺りはリズに裏切られたような心象になった。切ない。
劇中のダンスナンバーについて。
比較的余裕がある(シーンに相応しい生活感を保ったレベルの熱量で魅せる、という意。『雨に唄えば』とは少し性質が異なるように感じた)が、物語のラスト18分のダンスシーンは圧巻! レスリー・キャロンのバレエがとにかく巧い! とっても素敵だった。ここまで極めて初めて武器になるなあとしみじみ思った。
パドドゥ(バレエで男女二人が一対になって踊ること)も最高。歌と踊りを極めた役者は最強だ………。
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