バタフライ・エフェクト
バタフライエフェクト(2004) 1 R15+
d.エリック・ブレス /J・マッキー・グラバー
アシュトン・カッチャー(エヴァン)
エイリー・スマート(ケイリー)
c.SFスリラー
……幼少期から突発的に出来事の前後の記憶を失ってしまう癖のある少年・エヴァン。医師の勧めで日記をつけること数年、大学生になったエヴァンは欠落していた少年期の数々の過ちの記憶を少しずつ思い出す。
記憶の隙間を埋めるために幼馴染のケイリーの元を訪れるが、ケイリーが封印していた記憶、彼女の父親のある性癖を想起させてしまい、取り返しのつかない事態になる。
それを通してエヴァンは自分にタイムリープの能力があることに気づき、過去に戻って彼女を救おうとするが、過去の出来事をひとつ変える度に必ず誰かが不幸になる未来になってしまい、上手くいかない。それでも大切な人のために奮闘するエヴァンだが…………。
以下、若干のネタバレ有り。
最初の30分は何が何だかわからない。置いてけぼりにされる。しかしこの観客への説明が一切無い30分は大きな伏線になっている。それらが一気に回収されたときは頭をフル稼働させなければならず、爽快感が凄まじかった。
タイムリープする度に大量の鼻血が出るので、血が苦手な方は注意! どうして鼻血が出るのか、という説明は納得のいく面白いものだった。他にも暴力的だったり性的で不快になるようなえげつないシーンも多い。
上手くいかない未来の「上手くいかない」に至る理由が突飛なものもあるけれど、人生が自分の思い通りにはいかないことを誇張しているのかもしれない。
あと、セックスシーンがやたらと多い。ここは感じ方が大きく分かれるところだろうけれど、個人的には辟易した。過去を変えようと奮闘しているエヴァンの傍らでルームメイトがやりまくっていることが彼の絶望を色濃くさせるのでやたらと女優を脱がしている意味はあって、それなりに楽しく暮らす周囲の人々の姿は必死なエヴァンとは対照的で、それがあることで、そこが「納得いかない未来」であることの説得力が生まれている。
孤独な戦いから逃げ、諦めてルームメイトと同じようにすれば楽しく過ごせるんだろうけど、エヴァンはそれを選ばない。
実はシリーズもので3まであるらしい。ネットのレビューを覗くと、1は傑作。2は時間の無駄。3は良作。と書かれていて少し笑ってしまった。
2以降は核となるタイムリープの要素が最初から観客にバレているわけだから、期待を上回って裏切るのは難易度が非常に高いことだろうなと思う。なんにせよ、本当に時間の無駄なのかは観て確かめてみることにする。
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