第7話 0と1の問答

もう随分と太陽に、日にあたることなく私は過ごしていただろう

なぜなら布団の感触のあるベッドでおそらく三日は横になっていたからである

こくいっこくと迫る選択の時に私は緊張と行き場のない心を抱いていた


ガタリと空いた扉の音、やっと来たのかそう思ったときだった

肩を抱かれてベットから起こされ、目に包帯のようなものをつけられた後

全く違う部屋に連れていかれるようだった

そして車いすに乗せられ、それほど時間もたたず別の部屋に連れていき

静寂と靴音さえ反響してくるような密室に私は閉じ込められた


「さて、君の答えは?」


「私は生きていきたい、弟は生きているそういう気がしてならないんです。

彼は頭が良かったしとても優しい子だったの、それに…」

私はありのまま思ったことを述べた


「それに?」


「弟は一度亡くなっているです。

五歳の時、ライオンに襲われて首をかまれたんです。

けれど数日後には脈も戻っていて、まるでそれから性格が変わってしまった。

彼は強運を持っているし、あの襲われた時も彼らは必要だ、と言っていたわ。」


男はなにか思い出したように語り出した

「こんな話を知っているか。

キリストという男は手と体を杭で打ち付けれられ無実の罪で十字架にかけられた。

死んだ三日後、復活を遂げたという話だ。

    ・・

私たちは彼らを主と呼んでいる、そういった類の人間はね」

男は淡々と語る


「君が生きていくにはまだ心の器が足りない。

我々と生きていくには訓練し精練しなければならない」

男は強めな口調で言った

まるでお互いの確認をするかのような言い方だった



「私は生きていける…?」


「約束はできないが、努力したまえ」





指をパチンと鳴らしたような音だった

男はだれか呼んだみたいだ

「後のことは彼女に任せた、これで失礼する

バーガンディ」


ふふっと笑い声の後に艶やかな声の女が喋りかけてきた

「あら?もういいのかしら?

ならあたしがいろいろ教えてあげるわ

あなたの心に巣くうもの見せてちょうだい?」


私の目の前に近づいてくるのがわかった

それは声が近くて何をされるのかわからなかった私の呼吸が漏れた

頬に手のようなものが触れた後、私の額が彼女の額と接触したのがわかった


だんだんと意識が薄くなって心は麻酔を打たれたように痺れて何も感じない

その額に私は頭を預けて、中身は違う場所へと連れていかれるようだった

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