第728話 再生と驚異的な外装を持つボスエネミー

―――――――――――――黒い塔内部:2層広間



 ボスエネミーとの苛烈な戦いを繰り広げたファム・ユキシロ・ヴァニスの3名は体力を回復させながらも辺りで戦うプレイヤー達を見て状況の分析を行いムクロたちの行方を捜しているとひと際大きな音を出し戦闘を繰り広げる場所を見つけ3名は回復が完了した所でその方面へと駆け出していくのであった。



その頃、外殻の厚いボスクラスエネミーと戦うレイ・・・状況はプレイヤーの数ではレイたちプレイヤーサイドの方が圧倒的な数で押すのかと思われていたがボスエネミーの硬さと攻撃の威力に数で圧倒したとしても苦しい状況であった。



「Gooooooooooooo・・・・」

「あの野郎・・・ネェさんが外殻を砕いたと思えばすぐに新しい外殻を作って逃げ込みやがるしダメージは入れられねぇしどうすりゃいいんだよ!?」

「スペルでデバフは入るけど硬さが尋常じゃないから私たちもお手上げだよ~

どこかにいいパワープレイヤーがいればいいのだけれど・・・」

「そこのプレイヤー方、お話をする余裕があるのであればひたすら攻撃と支援をお願い致します。

あの異常な硬さと装甲の再生力を併せ持つボスエネミーの外殻を私が打ち砕き固定しますのでそのスキを狙い仕留めるという事でお願いします。

でなければ我々は各自1名ずつあの外殻の餌食になるだけにございますので生き残りたくばご協力を。」

レイは自身の持つ剛腕装甲の調子を加味した上で自分自身だけではどうしても手数が足りない事を察し他のプレイヤーに協力をするよう告げると即座に剛腕装甲を振りかざし先ほどとはまた違った形にへと進化を遂げた外殻を持つボスエネミーに突撃した。



「Gooooooooo・・・・Gogooooo!!!!!」

「はぁぁぁッ!!!!この程度のモノで私の剛腕装甲を止められるとお思いですか??

――――――――――砕き裂き崩壊しなさい。」

「おぉぉ!!またあのネェちゃん1人であの堅い外殻をバラしやがったぞ!!

ん??なんだあれ??いや、ありゃ・・・ネェさんやばいそこから逃げるんだ!!!

―――――――――奴はワザとメイドのネェさんに外殻を割らせたんだ!!!」

外殻が砕け落ちる直前に違和感があったプレイヤーが見たその光景はレイの剛腕装甲ではなく攻撃するべく狙いを付ける姿であり。

階層守護クラスのスキルによく似た光の砲撃はレイの体を貫くには十分な火力でありレイはその光に貫かれ吹き飛んでいた。


「Gegiiiiiiiiiiiiiiiiii・・・・gigigoooooooo!!!」

「野郎またあの堅い外殻を作ろうとしてやがる。

今のうちの攻撃を仕掛けねぇと行けねぇのに・・・あんなの見たら近づけねぇだろうがッ!!!!畜生がッ!!!」

「誰かがあの怪物に攻撃しなくちゃなら・・・私が攻撃を!!」

「いや全員でかかるぞ!!この戦いの中でアレを倒せねぇと先がないかもしれないんだ。

アレを倒すことができれば余裕ができるはず、それに今ここで言われた通り行動しなかったらあのメイドアバターに悪いしな!!!

俺は一人でも行くぞ!!!うおぉぉおぉおおおぉ!!!」

そのプレイヤーは他のプレイヤー達に聞こえるよう雄たけびを上げ突撃すると飛び出したプレイヤーが目標へ辿り着く前に援護組プレイヤーの攻撃が空から雨のように降り注ぎさらにはプレイヤーへと続く波のように他のプレイヤーが押し寄せ黒いアバターへと一斉に攻撃を開始するのであった。

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