第727話 異変質ボスエネミー:グザロノフシフター

―――――――――――――黒い塔内部:2層広間



 ファムの一撃に自身はここで終わったのかと感じたモブの中に何かが騒めいた。

その黒々とした何かは体中を侵食するように伸び燃える体を瞬時に冷却し変異させ完全に別の個体にへと変貌を遂げると周りにいたプレイヤーやユキシロたち3名も驚きを隠せず武器を握りしめるが一向に攻撃を仕掛けてくる気配を見せずただ互いににらみ合うかのようにしていると先に動き出したのはボスエネミーの方であった。



「ぐぎぎぎッが!?!???!?ぶはッ!!もんっっっのすごい早業なのじゃ!!

それにガードしてあれじゃろ?とんでもないぱわーあっぷしてるのじゃ・・・

何か特殊なアイテムでも扱ったようなそぶりは見えなかったのじゃが・・・」

「アイテムではなさそうだけれどきっとあのに生えてる触手のようなアレが原因じゃないかしら??

あんな気色悪い装飾さっきまでしてなかったし・・・異様に真ん中の目?みたいなのが私たちを見てるような気が・・・え!

―――――――――――――がはッ!!!」

「ヴァニスッ!!!!」

目がヴァニスを完全に捉え凶悪に強化された無慈悲な一撃がヴァニスに突き刺さるとその威力が凄まじかったのかヴァニスは支えることができず後方にへと吹き飛んでいた。



「ぬぐぐぐ・・・よくもヴァニスを・・・・許せないのじゃ!!

ダメもとで聞くのじゃがファムが飛んで探しに良くてはどうなのじゃ??」

「ううん・・・アレの速さに対抗できるのは多分私たちだけだと思う。

他のプレイヤーはさっきのヴァニスを見て恐怖を感じているのか怖がっちゃってるから私たちがここを離れたらそれこそ血祭になっちゃうよ。

だからココはヴァニスの生命力に賭けて私たちでアレを完全に倒すしかない!!

次はない、私も本気の本気でやってあげるわ!!!

天世界の住人にしてムクロの翼となる者・・・ファム!!さらに押して参る!!!!

―――――――――――――ファイヤーバースト!!!」

「giiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiigigi!!!!!」

ユキシロの提案を却下したファムはこの場に残されたプレイヤーを見捨てる事はできないと言いスキルを発動し異変質ボスエネミーグザロノフシフターへと突撃をかけるとボスエネミーは対応しようと動くもファムの速度の黒い体を抉りダメージを入れることに成功するとそのことに怒りを覚えたのかボスエネミーはバーサーク状態になり更なる攻撃本能を解放した姿になりファムにへと突撃した。



「さっきより早いッ!!!?だけど!!!私には炎と装甲があるのよ!!!

舞い上がれ!!炎の守り!!!からの・・・

―――――――――――ヴァーミリオンストライク!!!!」

「Gugigigigigigi!!!!!

―――――――――Gigagaaaaaaa!!!」

「おっとそうはさせないのじゃ!!!ぱーとつーーーなのじゃ!!!

――――――――――――牙狼穿撃:突貫爆砕脚!!!!」

ファムの放つスキルヴァーミリオンストライクの紅い一撃を両腕と強靭な装甲で受け止め返し手にかかろうとしたボスエネミーの背後に強烈なスピードを感じ振り返るとそこにはバフをかけたのかスピードや能力が向上したユキシロの姿がありくるくると回転しつつとっておきのスキル突貫爆砕脚を背後から捻じ込むとその威力と同時に前方で握りしめているヴァーミリオンストライクとの威力を完全に殺し切れずに双方のスキルを受け強大な爆発が起こると2人は後方へと離れこれにて勝負は決したかと思いきや息の上がり切った2人の背後に冷ややかな恐怖の気が立ち込め振り返るとそこには致命傷を受けつつも2人を道連れにしようと襲い掛かろうとしていたが・・・・



「よくもな私を妙なパンチでやってくれちゃったわね!!!

これでもくらってあの世へ行っちゃえバーカ!!!!

―――――――――――――チャージングヴァーティカルブレーーード!!

―――――――――ふぅ~~~決まったわね!!!」

2人を窮地から救ったのはヴァニスだった。

ダメージを受け気を失ってからも必死に2人を探し戻ってみればこの状況だとため息をこぼしヤレヤレと首を振ると疲れ切ったユキシロとファムの2人はヴァニスに乗っかりながらありがとうと言って笑っていた。

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