第725話 合流組と四方のボスとの戦闘

―――――――――――――黒い塔内部:2層広間


 各自プレイヤーがモブのいる四方に飛び出し交戦が始まると画面上にモブの残り残党数が表示され、どうやらその残数を討伐しなければ次のフロアへと踏み入れられない事を察するとムクロとユリハはアイコンタクトで互いに確認し巨大なボスエネミーへと向かい挟撃を叩き込んで見せるとそれに続いていたプレイヤー達は自分たちが倒せそうなモブを手当たり次第に攻撃し数を減らしていた―――――――



「おうらァッ!!!!グッ・・・倒しても倒しても数がへりゃしねぇ。」

「いくらサポートを受けて対応してると言ってもさすがに数はあっちが上だ・・・早いこと援軍が来てくれねぇとちょっと辛いぜ。」

「なに弱気になってんのよ!!サポートしてあげているのだから文句言わず前線脳筋部隊はガンガン攻撃してサポート側にモブが来ないように引き付けてよね!!

って、何体かこっちに来てるんですけどッ!?」

前衛のスキを突いて足の速いモブがサポーターの方面へと抜けていくと後を追う事も間に合わず被害が出るかと思われたが・・・



「ほらほら、そっちに行ったらだめでしょ。

まったく・・・前衛はしっかりとモブのヘイトを集めてもらわないとこっちもゆったりと腰を下ろして狙撃もできないじゃない。」

「あの銃声・・・まさかアヤカ!?

と、いうとみんながここに辿り着いたって事じゃん!!

わーいわーい!!コレで勝つるぞ!!みんなじゃんじゃんやっちゃえやっちゃえ!!」

騒いでいないでバフとデバフをかけつつスペルで1匹でも多くのモブを叩きなさい。

まったく・・・1人じゃなんにもできないのは相変わらずのようね。」

クーリアの背後で低いトーンで語るエリはため息をつきつつもサポートを始めその物言いにクーリアは先ほどまで死ぬほど苦労していた事を語るがこの塔に踏み入れた時点で何が起こっても自己責任だと言う言い返しに反論できず叫びたい気持ちを押さえサポートを始めるとさらに後方から何人かの人影が飛び出し前線の方へと消えていった。



「くっそ・・・このボスエネミー硬過ぎじゃねぇのか!?

この甲羅を引き剥がさねぇと攻撃が全く通じねぇとか冗談じゃないぜ」

「ではバトンタッチいたしましょう私の腕かそちらの装甲か勝負でございます。」

「マジかよあのメイドのアーム・・・俺たち数十人でも手を焼いてたエネミーの装甲を1人でバラしやがった・・・今はそんな事よりもメイドのネェちゃんが作った弱点に集中攻撃だ!!!」

また別の方角では・・・



「チッ・・・早い・・・このボスは見た目以上に速いし攻撃が鋭い・・・

こんなボスを相手にするのは俺たちには早かったか・・・クソ・・・ここまでか・・・」

「ふむふむ・・・なるほどなるほど。

ファム、この獣の相手はアタイがするのじゃ。」

「えぇ~私も戦いたいんだけどなぁ・・・黒いアバターのとか低級のザコばっかりでさっきも退屈だったのに~」

「なら2人で仲良く攻撃すればいいじゃない。

はぁ~どうして私この2人と一緒に来ちゃったんだろ・・・ミストやムクロたちを追いかける方が下手な戦闘をせずに済んだと思ってたけど・・・ミスチョイスだったわ。」

スピード型のボスを前にユキシロやファムにぶつぶつと語るヴァニス。

そのやる気満々なユキシロたちを瞬時に抜き去りヴァニスへと鋭い牙を剥いて攻撃を開始するもその攻撃がヴァニスに届く事はなくユキシロとファムによってボスは拘束されていた。


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