第698話 台座での戦い:決着

――――――――――――――竜骨乱れる台座



 体力がじわじわと削れるハシャはシジマの武器を引き抜こうとせずにただその場に立ち止まり武器を構え近距離にいるシジマへ向けて大きくスイングをするとシジマはハシャの攻撃を喰らうわけにはいかないと言うように自身の突き立てていた武器との連結を断ち数歩後方へと逃げるとハシャに続けて傀儡を投げつけていた。




「ダメージが入ったその体でどこまでやれるかしらねぇケドよ。

こっちもやると決めてやってる以上は手を抜くつもりはねぇ!!!

だから覚悟して傀儡の餌食になりやがれ!!!!

―――――――――――いけッ!!傀儡ども!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「この程度の傷でワレが受け身になるとでも思っているのか?

いや、もはや長く語る事もあるまいな。

シジマという男の力もこの程度・・・ワレを楽しませるにはいささか力と知恵が足りぬという事であるだけのこと。

この場面場ではシジマの攻撃のようだが・・・ワレは一気に行かせてもらおう。

―――――――――――ゴーストジャンプ・・・・」

「ん??ハシャが消え・・・・いや、シジマの斜め上からステルス状態での一撃を叩き込もうとしているのか。

あんなスキのない移動スキルまで身に付けていたのか。

これも長くプレイヤーと戦ってきたことで得た行動パターンなのかもしれないな。

それにシジマはこの攻撃に気が付いていない様子だが・・・どうなるかだな。」

ハシャはシジマの死角からの攻撃を繰り出しており、あとわずか数センチで攻撃がヒットし多大なダメージが入るかと思われていた瞬間の事である。

シジマの背から何かが飛び出しハシャの攻撃がヒットする前にガードするかのようにしてハシャの剣に身を切らせるような形で飛び出していた。




「一体どこから現れるかと思って観察してみりゃ・・・とんだヤバイとこから来てやがったか。

だが俺のオートガードがそれを阻み致命傷は避けたという事でよぉ。

俺の攻撃をさせてもらってもいいよなぁ!!!!

―――――――――――吹き飛べ!!!」

「否、ワレはその動きをさらに超える!!!

――――――――――――次元移動テレポート!!

―――――キサマの犯した所業の数々をその身にしかと刻むがいい!!!

――――――――怨恨の一撃!!!」

ハシャはシジマの強烈な攻撃を更なるスキルで移動回避しつつ強烈な一撃を叩き込むとシジマのライフゲージは黄色を通り越し残り僅かなレッドラインにまで消し飛び斬られた傷口からはダメージエフェクトが止まることなく吹き出しシジマは痛みに苦しみながらも武器を構えハシャに突撃をするが・・・・




「もはやこの勝負、シジマの勝ちは無くなった。

その身傷でワレにまだ向かうか・・・いいだろう最後の最後まで撃ち合うとしようではないか。」

「ゼェゼェ・・・・ぐあぁ・・・クソ、どうしてだ・・・たかがNPCのアンデット型アバターにどうしてこんなに仕組みに仕組んで戦った俺がなぜ負けるんだよ・・・こんなところで・・・あの状況なら間違いなく俺1人が立っているはず・・・」

「だから負けたんだろうな。

その戦いの中でシジマ以外の見方もいなけりゃ一緒に勝利を喜ぶ奴も称え合える仲間も何もいないんじゃ目に見えてる。

そんな道具のような扱いをして掴む勝利に何の価値も意味もないだろ。」

ムクロはシジマの言葉に勝利を掴むにはどのようにすればよかったのかを呟きながら現れるとシジマの攻撃が止まり考えるかのようにして身を引き最後の一撃を叩き込むかのようにしてスキルを発動させるとハシャは再びシジマの背後から現れ・・・二度と立てないよう最大の力を叩き込み地に伏せた。

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