第680話 グロリアを通しての成長
―――――――――――――――キャンプ場
米が炊き終わると涼孤たちはコンロに並べてある網の熱さを確認してから肉を焼こうと説教をされている耀子やコトハを呼び出すと。
最後の夕食という事ですぐに全員が集まり・・・各自は肉を焼きだし。
耀子はその音と肉の焼ける匂いに顔がにやけだしていた。
「はぁ~~~このニオイ・・・超お腹がすく匂いだよね!!
悠一の分も焼いたげるから私の焼いたお肉を沢山食べていいよ!!
な~に遠慮することなんてないよ??だって私と悠一の中じゃん!!」
「あはは・・・みんながすごい顔で見てるし俺も自分でや・・・・」
「ううん!!私が耀子に変わって悠一君の分を焼いてあげるから待ってて!!!
もう・・・すぐに耀子は悠一君にちょっかいかけるんだから・・・」
「ほらほら悠一、お野菜が焼けたわよ。
肉もいいけれど野菜もしっかりと食べないといけないわよ。」
「悠一ってばモテモテじゃないの。
良かったわね、ンゴンゴンゴ・・・ふぅ~~私はノンアルとお肉という最強のコンビを楽しむからアイリスも悠一に何かしてあげたかったらしてあげると良いわよ。
今日の悠一は押せば傾くかもしれないわよ??」
「な、何を言っているの!?私はそんな事は微塵も・・・・別に考えていないから気にしないでいいわよ!!はッ!?」
「彩花さんの言葉でグロリアの口調が出てしまったな。
まぁ焼いてあげるのは構わないが悠一にも食べられる量というものがあるのだから無理な量を与えないように頼むぞ。」
涼孤の言葉に各自は返事を返しながら肉を焼き、悠一が食べられなさそうなこともあり1人1本だけ与えるというルールを決め。
それまでは耀子たちも自分で焼いて肉を自分で頬張って食べていた。
「ん~~すっごいウマイじゃん!!!このお米も悠一たちが炊いてくれたんだよね。
うんうん・・・すごく私好みの硬さで悠一はいい夫になるね~~」
「あはは・・・まだ俺たちは高校生でそんな遠い話をしなくてもだな・・・
今は今を楽しむので精いっぱいなんだしあまり遠くを見て今目の前の事がおろそかになるのもあれだろ??だから俺はぼちぼちとみんなと肉を食べて美味いって言っている方が好きだな。
あとは・・・グロリアで冒険かな。」
「もう、悠一君ってばすぐにグロリアの話をするんだから。
でも・・・これで二日もグロリアにログインしていないんだよね。
前までの私たちならすごくプレイしててほぼ毎日入ってたのに・・・・
だけどこうやって皆で外で協力して何かをするってグロリアの中のようで楽しかったよね。
悠一君が倒れちゃうハプニングもあったけれどそれはそれとして大切な一ページだね。」
「悠一と私とでするキャンプとは違って悠一がよく笑っているし倒れるまで遊んでいたとするのであればやはりこうしてみんなとキャンプに来て正解だったと言える。
みんな・・・良かったらまた私たちのキャンプに参加してくれないか??」
「えぇ、状況により次第だけれど私もこのキャンプは家族で行く物と比べてとても楽しく思うわ。
だからこちらから言わせてもらう言葉かしら。
次に機会があればまた私たちも参加させてもらうわ。」
「私もみんなの邪魔になったりしてなければ参加させてもらうけど・・・いいかな??」
「よしよし、アイリスは本当にリアルだとお人形さんみたいにかしこまっちゃうわね。
グロリアの勢いで行ってもいいのよ??まぁ・・・学校とか家柄での礼儀を重んじるとそうもいかないとは思うけれど。
たまには本当の自分の気持ちをさらけ出してもいいんじゃないかって事よ。
私があんまり言えた事じゃないけれど、我慢して楽しくないよりもそっちの方がいいでしょ?」
彩花はアイリスに我慢はよくないと言って頭から手を離し肉にかぶりつくと。
アイリスはできる限り頑張るといいつつ同じように肉を頬張り・・・悠一も同じようにして食べていると耀子は一番の焼き加減でできた串を持ってやって来ると悠一に手渡しすぐに食べてコメントが欲しそうな顔で待っており。
悠一は熱々の肉に対してがむしゃらに噛みついた。
「あつ、アツアツアツ・・・あぁこの焼き加減は中々のモノだな。
でもはしゃいでた割に耀子はあまり食べてないようにも見えるけど体調でも悪いのか??」
「え、ううん違うよ!?食べてるし!!ホラ!!ガツガツガツガツ・・・がはッ!!ゲホッゲホッ!!あへへ・・・すごい勢いで食べるもんじゃないね。
だけどさ・・・ちょっと前までは私と由里に悠一だけのメンバーだったのに気が付けばすごい人数になったよねぇ。
何て言うのかな??大家族って言うのかな??
ギルドメンバーじゃないけれどこうやって集まってるし・・・本当にすごいよねグロリアって。
色んな人とプレイして色んな事を経験してさ・・・自分もステータス外で強くなってるって思えるようになったのも・・・その・・・悠一のおかげなんだよ??」
耀子は不意に可愛く笑顔を見せたのだが、その先でコトハは耀子の焼いていた肉にちょっかいを出しており・・・笑顔も一瞬で崩壊しコトハの方へと駆け出しちょっかいをかけるなと咆えていた。
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