第679話 時間と腹との戦い
―――――――――――――――キャンプ場
服を着替えた頃には時刻がいい具合に過ぎており、そろそろ作業に取り掛からなくては夕食に間に合わないと涼孤はBBQの準備をしようと語ると。
悠一たちは何をすればいいのかと問うようにして集まり、涼孤は調理になれた由里やコトハを下ごしらえに使うと言って悠一たちは飯盒と火の番を任させ指示通りに動くのであった。
「それじゃ行動を開始しよう。
私たちは水洗い場でBBQの下ごしらえをしてくるから飯盒と火を任せる。」
「わかった、俺たちにできる事なんてそのくらいだし任せておいてくれ。」
「ぶ~ぶ~私だってBBQの下ごしらえくらいできるのに・・・このあからさまな戦力外通告は地味に傷つくんだけど・・・・でも悠一と一緒だし文句は言わないでおいた方がいいか・・・にゅふふ。」
「耀子、そう言う独り言は口に出さないで脳内で処理してくれるかると助かるわ。
それに涼孤さんたちに任されたのだからしっかりとやるべきことはやるわよ。
と言うわけで耀子とアイリスちゃんはここで火の番をお願い。
私と悠一は飯盒用の米を洗って来るから少しだけ待ってて。」
「う、うん・・・耀子が危ないことをしないように見ていればいいんだよね。
何だかこの状況からして何かをやらかしそうで怖いけどそう言った事をしそうになったら止めたらいいんだよね?」
アイリスの問いに彩花はコクリと頷いて返すと悠一を連れて米を洗いに涼孤たちのいる洗い場へと向かうと由里達はせっせと肉を串に刺していた。
「サッサッサッと・・・何とかテンポよく刺せてるけど涼孤さんもコトハも手際がいいよね。
私なんてまだまだもたついてて足手まといだったかな??」
「そんな事はないわ、ここに耀子やアイリスがいた方が時間もかかるだろうしトラブルも起きかねないわ。
それにここにいないとこうして運命的なめぐり逢いもなかったかもしれないわよ??ねぇ?悠一??」
「ん?何の話をしていたんだ??
話の内容が全く分からなかったけど・・・由里の隣が空いてたら使ってもいいか??米を洗いに来たんだ。」
「へぇ~今日のBBQは最後の夕食だけ合ってすごく豪勢ね。
コレはいい夕食になりそうじゃない。
となるとご飯は本当にしっかりと作らないといけないわね。」
「あぁ、2人とも飯盒は任せたからしっかりと美味しいお米を炊くように。」
涼孤たちにそう言われると悠一と彩花は白米をこれでもかと綺麗に洗いあげて飯盒に入れて火にかけると言って戻ろうとした時、由里は悠一を引き留め・・・・
「その悠一君、飯盒頑張ってね。
私も悠一君たちの為に頑張って串に刺すから!!その・・・つまり楽しみにしてて!!」
「あぁ由里達の刺してる肉を楽しみにしてる。
それじゃ俺たちは飯盒を仕掛けてくるから、姉さんたちも頑張ってくれ。」
「言われなくとも頑張るとも。
コトハも由里もこのままどんどん肉を刺していくぞ!!」
「そうね、耀子もアイリスもたくさん食べるでしょうし大目に刺しておいて損はなさそうね。
悠一も彩花さんも耀子とアイリスが何か妙な事をしないかしっかりと見てて上げて。
こういう時に何かやらかすのが耀子だから。」
コトハの言葉に悠一と彩花は苦笑いを浮かべて2人の元へと戻ると。
火の番に飽きてしまったのか耀子とアイリスは空を眺めて悠一たちがいつ戻って来るのかとポケっとした顔で呟いていると。
彩花は悠一にコソコソと何かを伝え・・・悠一はその指示通りに耀子の背後にそっと回り込み少しだけ大きな声を聴かせると・・・・
「んぎゃ!?びっくりしたぁ・・・・もう!!心臓止まっちゃったらどうすんのさ!!!もし止まったら心臓マッサージから人工呼吸まで一式やってもらうかんね!!!」
「いや、悪い悪い・・・彩花にやれって言われてさ・・・
アイリスも驚かせて悪かったな。
ほら米を洗ってきたから火にかけてご飯を炊こうぜ。」
「私は悠一の声よりも耀子の声にびっくりして心臓がきゅってなっちゃったよ。
あと、今まで待っていた間に耀子は何も特別悪い事はしていないから安心して。」
「そう、それなら良かった。
2人を残してきた手前なにかあったらと思ってすぐに戻ってきたのよ。
だけどこの調子だと問題なく米も炊けそうで順調に進みそうね。」
悠一が謝る背後から彩花が現れると飯盒を火にかけて炊きあがりを待っていると肉を刺したクシが沢山詰まれたトレーを由里達が持ってくると。
耀子たちはその肉の多さに目をキラキラさせてよだれの音を聞かせ。
コトハは冷静に生で食べられないし米がまだという事から勝手に焼くことを禁ずると耀子は早く米が炊けないかとそわそわし始めていた。
「ねぇ~悠一ぃ~米はまだ??まだ炊けない感じ??
もうすぐそこには旨そうな肉があるって言うのに食べられないこの感じはすごく辛いよ。」
「そう言われてもまだできてないから仕方ないだろ。
それに急かしても米は美味しくないしじっくり待つしかないさ。」
悠一の言葉にさらに耀子はやきもきし始め飯盒を見ながら行ったり来たりしているとついにコトハに邪魔がられ連行され。
それと同時に飯盒の米が出来上がりみせ涼孤たちは肉を焼く準備に入り出した。
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