第678話 幕引きは突然に

―――――――――――――――キャンプ場



 急な事から水の掛け合いは戦争となってしまい、水鉄砲が耀子から各自に支給され・・・水鉄砲から出る水にかかったらアウトという簡単なもので。

何方かのメンバーを全員倒した方の勝ちというルールに悠一は少し体力に自信がないと言うが。

涼孤や彩花は悠一を守っていくから心配しないようにと声をかけると試合が始まっていた。




「おっしゃ!!!由里も私たちのメンバーになったからには悠一だろうと誰であろうとバシャバシャと水をぶっかけて倒しちゃって!!!

私はこっちのルートから挟み撃ちをする形にするからアイリスは由里とそっちから行動をよろしく。」

「あわわわ・・・私もあんまりこういうゲームは得意じゃないのだけれど・・・

でも何でも逃げてちゃだめだよね。

うん、できるだけ自分にできる事をしてくる。」

「私は悠一君の仲間が良かったのだけれどコレもパワーバランスを考えた上だからと言うとなるとなんだか複雑だね。

コトハちゃんは耀子が突撃しないように見てて上げて。」

「もちろん最初からそのつもりよ。

何せ耀子の事だから挟み撃ちのタイミングが待てずに突撃するのが落ちだろうから任せて頂戴。

それじゃ耀子が呼んでいるから私たちは先に行くわね。」

そう言って耀子とコトハは別のルートで水鉄砲を構えて進みだし由里とアイリスは違う方のルートで進みだした所で足音が聞こえ、立ち止まって辺りの観察をしようと辺りを見ていると先の方から悠一が歩いてくる姿が見え。

ここに来たところを狙おうとしていたのだが・・・・




「ねぇ悠一の方からじゃなくて後ろの方からも足音が聞こえたような・・・きゃぁぁ!!」

「まさか、あの悠一君はデコイ!?

しまった・・・アイリスちゃんが・・・くッ!!さすがに2人は相手にできないかな。

でも最後の最後まで・・・・きゃぁ!!」

「よし、彩花さんの言った通りデコイ作戦は効果覿面だな。

アイリスに由里をこの段階で仕留められたのは大きい。

それと悠一にも信号を出しておかないとな。」

「2人とも大丈夫??なんだかすごくショックな顔をしているのだけれど・・・」

悠一が2人の元へ戻って来るとやられた由里とアイリスはどんよりとしており。

想像よりもあっけない最後に悔しさとかが拭いきれないのと耀子たちにどんな顔を見せればいいのかと悩ましげであった。




「2人に頑張るとか言っておいてこんなにも早くにやられちゃうなんて・・・割と細かく気を配っていたはずなんだけれどなぁ・・・・

でも悠一君たちのチームは3人バラバラじゃなくて固まって動いてるんだね。」

「私もそのことに驚いてるの。

悠一はグロリアの中だと割とソロで動いているイメージだったけれど・・・今回は彩花さんの作戦って言ってたけれどそれはどういう作戦なの??」

「ん?長期戦だったら悠一が大変じゃない??

だったら早めに固まって一点突破して勝負を決めようとしたのだけれど。

まさか耀子たちの作戦が挟み撃ちだったなんて・・・コレで少し時間がかかりそうね。

残りは2人と言っても厄介なのは状況分析に長けてるコトハだからここで動かないとどう出てくるか読めないわね。

涼孤さんに悠一はどういう風にしたらいいと思う??」

「俺は耀子たちが向かった方を後ろから追跡するような形で行動してから見つけ次第に攻撃がいいと思う。

きっとコトハ達は由里達が来るのを待っているんじゃないか??」

「それはそうだと言えるが私たちとこうして接触したと考えるとやはり動きを変えてきていることも考えられる。

だからさらにチームを分断し動きを変えてくると私は思うが・・・・

耀子の事だからコトハを困らせている可能性もあるから悠一の案も悪くはないな。」

涼孤は自分の意見は堅苦しくゲーム性に向いていないと言って悠一の案を優先することを望み、彩花も涼孤がそれでよければと悠一の言った通り向かった方へと追撃を開始することとなり。

由里達と別れ追撃に出るが耀子やコトハは見つからずどこに行ったのかとむしろ心配になり早めに見つけた方がいいという事で足を速めると・・・・




「あぁ~あ・・・由里もアイリスもどこにもいないしいつまで待てばいいと思う??

私そろそろ待つのに飽きて来たんだけどさ・・・・もういっそのこと突撃してやるかやられるかの駆け引きでいいんじゃない??」

「そうは言っても由里達がやられたと仮定するとしたら私たちがやらないと由里達の魂が休まらないでしょ。

だから勝つというのなら徹底的に悠一たちの裏をかくことが大切よ。」

「この声は2人の声だな。

それもあの岩陰から聞こえるという事は・・・このまま押し切ればいけるのではないか??」

「俺もそれがいいと思う。

由里たちも待っている事だし早急に終わらせて戻らないとそろそろ肌寒くなってきた。」

「そうね、だったら一気に行くわよ!!」

そう言って彩花の号令で突撃すると、突拍子もない突撃であったために耀子たちは驚き反撃をすることができずやられてしまい戦争は悠一のレジスタンスが勝利という事で幕引きが行われ。

風邪をひく前にとテントへ戻り服を着替えるのであった。

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