第669話 キャンプ最後の昼食
―――――――――――――――キャンプ場
最後の坂滑りが何とか無事に終わると、時刻が昼の12時を過ぎており。
それを知った耀子たちはお腹に手を当てるとぐぅと小さく唸りを上げ・・・ニコニコと笑みを浮かべてからお腹が空いたと呟き。
悠一たちも体を使ったアスレチックをフルに遊んでいたためか同じようにお腹が減っていたため涼孤たちもそれに合わせて一度テントの方へ戻り昼食にすることとなった。
「お昼はな~にかなぁ~~っと、はい到着!!涼孤さんキャンプ最後のお昼は何を食べるの??すっごくお腹が空いてるから物量でもOKOKだよ??」
「食べる前にまずは水分補給よ。
悠一は汗がすごかったから塩飴を食べて塩分も補充しておきなさい。
各自ここに塩飴を置いておくから勝手に取って食べて。」
「汗はとんでもないほど出たな・・・グロリアじゃあんまりこういう事にはならないんだが。
やっぱりリアルの方はグロリアのようにはいかないって事だな。」
「そうね、だけどグロリアのスペックをリアルに持ち出せたら持ち出せたで悠一ならすごく無茶をしそうでまた誰かさんを困らせちゃうんじゃない??」
「わ、私はその・・・悠一君にいつも無茶や心配をかけるようなことはしないようには言ってるけど・・・悠一君はそれでも無茶なことも心配をかけることをするからちょっとだけ慣れちゃったよ。
でも・・・心配で心配でたまらないのは変わらないから無茶したらダメだからね??」
「由里さん・・・そうだよ、だから悠一は由里さんを心配させないようにしないとだね。
私はそんなに無茶をするようなことはないけれど・・・ほどほどにするのが大切だよね。」
「その通りだ、で・・・耀子の言った通りキャンプ最後の昼食はみんなで手分けしてオムライスを作ろうかと思うのだけれどどうだろう。」
涼孤はケチャップと卵を見せて皆に提案すると、キャンプ場ではあまりやらない調理にそそられたのか耀子はOKだと言って手を上げるとアイリスたちも手を上げて答えていく中・・・・
「ん?悠一??ッ悠一!!!大丈夫悠一??すごい汗じゃん・・・」
「ちょっとアスレチックの時から喉が渇いててさ・・・少し横になれば大丈夫だ。
だから少しだけテントで休んでてもいいか??」
「悠一君、私が肩を貸すから連れて行くよ。
アイリスちゃんはゴメンだけど水と塩飴を持ってきてくれないかな??」
「うん任せて。
私にできる事があるのなら何でも言って。」
「悠一の体調を管理できていなかった私の落ち度だな。
この責任は私が・・・・」
「そんなことないわ、涼孤さんもあの時はいなかったのだから仕方のない事。
私だって悠一がここまで体力を消耗していたなんて気付きもしなかったから倒れてしまう前にここで症状が出てくれてよかったと思うわ。
アスレチック場で倒れられたらそれこそ手の打ちようがなかったもの。」
「それじゃ私たちは悠一が元気になれるようにオムライスを作ってあげないといけないわね。」
悠一は由里の肩を頼りにアイリスを連れてテントへと消えていくとアイリスは水等を置いて涼孤の元へ戻り調理の手分けはどうするのかと問うた。
「それじゃ悠一の看病は由里に任せて私たちはオムライスの調理に入ろう。
耀子とアイリスはタマネギの皮を剥いて飯盒を仕掛ける係だ。
で、彩花さんと私は鶏肉を切る役と本命のフランパンでの調理の役だ。
―――――――――――あぁ・・・・悠一ぃ・・・・」
「OK、それじゃ私は飯盒を仕掛けよっかな。
あとさ??すんごい悠一と由里の状況が気になるのは私だけ??
何かアレがアレな事とかないのかな??覗かなくていい??」
「ホラホラ無駄口をたたかないで行った行った。
全く・・・悪いけれどコトハはあの2人の監視役についててもらってもいいかしら??
あの2人の内耀子がすごいソワソワしてるから危ないことをするかもしれないでしょ?だから・・・・」
「えぇわかっているわ。
こういう時のための私だもの耀子の扱いは任せておいて。
だから彩花さんはあそこでどんよりとしている涼孤さんをどうにかしてあげてもらっていいかしら??
あの状態になった涼孤さんはある意味危ないから気を付けて。」
「それじゃ玉ねぎの皮剥きと下ごしらえしてくるね。
涼孤さん・・・元気出してね・・・」
涼孤は各自に指令を出した後にへにゃりと座り込んでしまい、その状態の涼孤を立て直すようコトハは彩花に言うも自分には人を立ちなおさせるようなトーク力はないと言う前にコトハ達は消えてしまっており。
どうしたらいいものかと頭をかきながら彩花は涼孤の近くに立ち呟いた。
「さっきコトハが言ってたように涼孤さんの責任じゃないのだからいつもの涼孤さんに戻って悠一の為にすごく美味しいオムライスを作ることが今やるべき事じゃないのかしら??
私はあんまり人を立ち直らせるとかそう言った経験はないから下手かもしれないけれど・・・・悠一を大切に思っているのなら今やれるべきことをするべきなんじゃない??」
「・・・・・・・・・・・・・・
そうだな、そうだとも・・・・彩花さんの言う通りだ。
あぁそうだとも!!私は悠一の為に美味しいと言わせられるようなモノを作り名誉挽回しないとな!!」
彩花の言葉はしっかりと涼孤に届いておりやる気に満ちた表情で涼孤はフライパンを取りまだかまだかとそわそわして待機に入っていた。
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