第641話 意志による固定

―――――――――――――――古代の遺跡後地:ボスフロア



 ユキシロとファムの身を削る攻撃に効果があり・・・ヘッジホッグの渾身の攻防スキルを力業で止めるとユリハ達に対し最後の攻撃を喰らわせるようにと口を開くとその一部始終を見ていたユリハ達は駆け出し押し込められているヘッジホッグに対し最後の追い込みと攻撃を叩き付けた。



「コレで最後よ!!!

2人が作ってくれたチャンスを無駄にしないためにもこれで決めるよ!!!」

「あぁもちろんだとも。

コレ以上戦ってはこちらがもたないしムクロたちもモヤモヤしているころだろうからな。」

「私も早く戻って服とか綺麗にしてシャワーを浴びたいわ。

だから出し惜しみをせずに叩き付けてやるんだから!!!

――――――――――スティールスラッシュ!!!!」

「ギギャ・・・・ギャギャ・・・・グ・・・・」

3人の攻撃により残った体力バーが消滅しヘッジホッグの体が消滅し始めるとユキシロとファムは互いに支え合いながら転がるようにしてやって来るとその様子を見たユリハ達は慌てて駆け寄り手当てをしようとした時・・・・



「ギ・・・ギギャギャギャ!!!!」

「このヘッジホッグはやられたというのにまだやろうというのか!?

クソ・・・私が防ぐ・・ぐあぁぁぁッ!!!」

「ミスト!!!ヴァニスはここで2人を守っていて!!!

最後の最後で往生際が悪いんだから!!!さぁ私が相手するよ!!!」

「ユリハなんか妙な感じがするから気を付けた方がいいわよ。

普通なら消えかかったモブは立ち上がらないはずなんだけどコイツはどこか変よ。」

「ご主人様、何やらユリハ達が倒したはずのヘッジホッグに異変が出たみたいです。

勝負が決したと思われたはずのヘッジホッグが体を光りに戻しながら再び立ち上がりユリハと戦おうとしておりますが・・・バグか何かでしょうか??」

「いや、コレは単なるモブに刻まれた最後の消える寸前まで最後のひとかけらになっても戦うと刻まれたモブの意志が現れているんだろうな。

以前にもこんな戦いを数回したことがある。

プレイヤーよ同じようにモブの中にもヤツがいてそのモブは体力が消え失せようと腕や足が消滅してようとお構いなしで体が完全消滅しきるまで攻撃をやめようとしないんだ。

つまりあの状況はある意味ユリハにとって本当の戦いになるだろうな。

体力を持たないヘッジホッグは軽い攻撃を受けたと同時に部位が砕け消滅するガラスのような体と言えば聞こえはいいがさぁどうなる事かだ。」

そう言ってムクロは未だに駆け付けようとせず見守る態勢でユリハ達の動きを観察しその隣で見るレイは負傷者の多い状況でどちらが狩られてもおかしくないと感じながらも命令にないまま勝手なことができる訳もなくただただムクロと同じようにジッとユリハ達を見つめていた。



「ユリハ攻撃が来るよ!!!棘の攻撃と同時に尾の薙ぎ払いよ!!!」

「うん!!!全部見えてる!!!

テイヤッ!!!てやぁぁあぁぁぁぁぁ!!!セイアッ!!!!

ミストが気を失っていて後ろにはユキシロたち負傷者がいる状況でどうしたら・・・・今こそ冷静に考えて・・・考えてやるべきことを実行するの・・・それが私の戦いよ。

――――――――ス~~~ハ~~~さぁ、今度はから行かせてもらうよ。」

「GIGI・・・・GYA・・・・・」

「ぬぐぅ・・・こんなボロボロになるとはのぉ・・・空からの攻撃で反動をモロに全身で受けてしまうとは想定外なのじゃ・・・・

ファムも鎧が棘で貫かれて追って瀕死じゃし・・・・ミストも意識が飛んでおる・・・このままではマズイのじゃ。

じゃからヴァニス・・・アタイたちの事は運に任せてユリハの援護をしてくるのじゃ。」

「ぐッ・・・うん・・・そうそう私たちならちょっとくらいならダメージ受けても大丈夫だから。

今なら2人で攻撃すれば何とかなるよ・・・・だからヴァニス私たちを見捨てるんじゃなくて助けると思ってユリハに手を貸してあげてくれないかな??」

「あぁもう!!!どうしようかって悩んでたけど2人がそんなこと言うんだったらはじめっからこうしとけばよかったわ!!!

私は自分の意志で行くのであって2人に言われたからじゃないんだからね!!!

だから2人もギリギリまで無事でいなさいよ!!!」

ヴァニスは2人を固めておくと武器を構えて飛び出しユリハの援護に向かい不意を突いた攻撃で尾を粉砕するとヘッジホッグもまだまだ元気といった風に背に残された棘で応戦しユリハを無視してヴァニスをズタズタにして吹き飛ばし以前のバーサク状態のヘッジホッグを上回るスペックの攻撃に吹き飛ばされたヴァニスは体力バーを見ながら苦笑いを浮かべていた。



「ハァハァ・・・へへ、なんだろ・・・こんなにズタズタにさてやボロボロなのにどうして笑ってるのかな私・・・痛くてもう戦いたくないとか微塵も感じない・・・それどころかまだやってやりたいって思うこの気持ちは何だろ・・・・悔しい??って言うのかしら??本当に・・・悔しいわ・・・ここまでこれたのに・・・」

「Gishaaaaaaaaaa!!!!!」

「ヴァニスちゃん!!!!!やめて!!!!

――――――――ッッ・・・・間に合って!!!いや間に合わせる!!!絶対に!!!間に合えぇぇえぇぇぇえぇぇ!!!!」

ユリハは息切れた体にムチを撃ち最後の一撃を刺されそうになっているヴァニスを助けるべく駆け出すがその一撃の間に出ることができずヘッジホッグの打撃が繰り出されていた。

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