第626話 新ギミック:バースト

―――――――――――――――古代の遺跡後地



モブの群れを豪快に飛び越えて現れた中ボスモブのゴーレムライダーはランスを構えていたがモブと盛大に戦うユキシロに不意を撃つような攻撃をすることなく。

ただ真っすぐにただユキシロの豪快でキレのある攻撃の数々を見ているとユキシロはその中ボスモブが手を出さない事をいいことに囲んでいたモブを専念して叩きのめしていた。



「のじゃ!!!ぬふぅ・・・アタイが戦闘をしておっても見ておるだけとはのぉ。

舐められておるのかそれともただただ正々堂々とサシで戦いたいのか・・・どうなのかはわからぬが今はそのまま見ておるがいいのじゃ!!

この周りのモブを倒しアタイのフルパワーで相手をしてやるのじゃ!!」

「グギャギャギャギャ!!!!ギャエ・・・」

「ふぅ・・・なんだかすごい中ボスが現れたけど全然動かないじゃないもしかしてエラーとかバグ??でもそんな風には見えないしどうしたのかしらね。

私たちを狙ってるとか他の目的があったりするのかしら??」

「それは今の所何とも言えないがあの中ボスはここにきて戦ってきた中ボスとは違ってどこかのようなモノがある。

モブのようにプレイヤーを見ると攻撃をするのではなく自分の強さを証明するために戦うという風格というべきか。」

「だけどモブを下げるつもりはないみたいだからこのまま戦わなくちゃいけないのも事実だね。

すぐにユキシロに援護したいけどさっきよりも数が増え・・・違う・・・ユキシロの方にいるモブがこっちに流れて来てるよ!!」

ユリハの目に飛び込んできた光景はユキシロの拳が止まり、他のモブが全部ユリハ達の方へと移動する姿であり。

その指示を中ボスモブが行ったのは明々白々で・・・ゴーレムライダーはコレで戦えるといったかのようにユキシロの方へ歩み寄るとランスを構えいきなりオーラを纏いスキルの発動モーションを取っていた。



「ゴゴォォォォオォオ!!!!!」

「ぬぐぐ・・・のじゃいッ!!!この程度のスキルならばアタイのカウンタースキルで返せるのじゃ!!!さぁじゃんじゃん攻撃を仕掛けてくると良いのじゃ!!

アタイとサシでの戦いを望んだのはヌシの方じゃぞ??」

「す、すごい・・・あの巨体を投げ飛ばしたよ!?」

「うんユキシロは私とランスでのPVPで鍛錬をよくしてたから投げ返すのはすごく上手だよ。

だって私のスキルも不意を突かないと返されちゃうくらいカウンターに磨きがかかってるから。」

「それはいいのだが・・・こちらが相手にしなければならないモブの数が圧倒的だな。

この数を私たちでやり切れるのだろうか??

いや失言だったな・・・これもまた試練で鍛錬だ・・・ムクロの言っていた鍛錬は相手は強く大きく数がいればなおのことイイという言葉を思い出した。

だからこの機会は私たちにとっては好機だな。」

「今ここでこの数を相手にしていけば私たちの武器に足りないものと光る何かが

わかるってことね!!

だったら私もその言葉を信じてガンガンやってやるわ!!

この高貴なヴァニス様にかかればこの数なんて一瞬で消滅させてやるんだから!!」

ミストの語るムクロの鍛錬方法を耳にしたヴァニスはその気になってしまい武器をブンブンと振り回し1匹でも多くのモブと戦うためにさらにモブの多くひしめく方へと移動し自ら窮地に立たせて戦闘を開始すると。

ミストもヴァニスに負けてはいられないとヴァニスとは別の方へ移動し同じように数多くのモブを相手に孤軍奮闘し始めた。



「テイヤッ!!!ファムはどうする??私と一緒に戦う??それれとも2人のように別れて個人で鍛錬する??」

「ん~私はすこぶる快調と言えないからユリハが面倒じゃなければ一緒に戦わせてくれないかな??

本当は1人でやって戦いたいけどコレ以上私が面倒もかけられないし我慢できるところはしないとだよ・・・だから私はユリハと一緒に戦わせてくれないかな??」

ファムは完治したはずの傷をさすりながらユリハに伝えるとその言葉の裏に隠れた辛さがユリハに伝わりファムの言葉に無駄な言葉を添えることなく共に戦う事だけを伝え2人での共同戦線が始まる一方でユキシロとゴーレムライダーの戦いは激しさを増して互いに激しいラッシュの打ち合いとなっていた。



「中々のスピードのあるラッシュでございますね。

中ボスの扱うランスも中級層から上級層のランサーに引けを取らない扱いの上手さ。

コレはユキシロにとってもいい対戦相手ですねご主人様。」

「そうだな、だけどこのままいけば体力バーの差でダメージを受けつつ戦ってるユキシロに勝機は巡るのかどうなのかという具合だな。

ユキシロの体力は黄色バーに差し掛かりつつあるがボスの体力は弱点を突いて攻撃しない限りは微々たる量しか減らない・・・さぁユキシロはこの状況をどう打破するつもりだ??」

「ぬぐぅ・・・ぬらぁぁぁッ!!!のじゃいッのじゃッ!!!

ぐふッ・・・ぬへへ・・・このままラッシュ対決をしていたいところじゃがそろそろ決めないとアタイの体力バーが限界じゃの。

それじゃアタイ専用装備のバーストゲージを解放するかのぉ・・・・

――――――――バーストモードなのじゃ!!!

――――――――――――バーストモード:

「グゴゴゴオオォォオォ!!!!!!」

ユキシロの両腕に装着されたグローブに搭載された新たなるギミックであるバーストゲージを解放し・・・スキルとは別の装備自体に蓄積されたゲージの量に対し効果を発揮する能力を起動させユキシロのグローブは全身を包み新たなる姿へと昇華させていた。



「グゴゴォォォォ・・・・」

「ヌアッハッハッハ!!!!これがアタイとガヘリスで作り出したギミックのバーストモードなのじゃ!!!

って、布の面積が減ってないかのぉ??ちょっと不安じゃが時間も体力も残ってはおらぬのじゃし一気にトドメを刺せてもらうのじゃ!!!

――――――――バーストパーーーーンチなのじゃ!!!」

ユキシロの簡易的な命名で放つ一撃は名とは裏腹に凶悪的な一撃でゴーレムライダーのランスでのガードを粉砕し横転させるほどの威力に周りで戦っていたユリハ達はユキシロの変貌とその威力に驚きの声を漏らしていた。

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