第622話 不意の一撃と希望の一撃
―――――――――――――――古代の遺跡後地
激しい猛攻の末にグロウスウォームがのたうちまわる状態に間髪を入れずユリハ達は剥き出しとなった弱点を狙うべくして駆け出し。
ミストとヴァニスと連携し1撃2撃とスキルを叩き込むとグロウスウォームはユリハの攻撃を受ける訳にはいかないと悟ったのか最後の攻撃を受ける瞬間にカウンターとしてワキワキと動いていた細長い足でユリハを弾いていた。
「ギチチチチィィィィ!!!!」
「ユリハ!!!今は少しでも攻撃をするのが先決だ!!!
ヴァニスさらに私に続け!!!」
「わかってるわ!!ユリハがこのくらいじゃめげないって事も怒らせたら怖いって言うことも・・・・」
「ぬぐぅアタイたちのMPは完全になくなっておるがこの場合じゃとミストたちの援護に向かう方が賢明じゃな。
ファムはどうするのじゃ??」
「私はユリハを助けに行くよ。
モブの妨害もあるかもしれないから。」
ユリハの吹き飛ばされた付近のモブはファムの予想が的中したかのようにして集まり出しており。
短い期間であったが失神状態のユリハに止めを刺すには十分な数でファムは全速力で飛び助けに向かうと何とかモブが攻撃を仕掛ける前にスペルの炎で遠ざけることに成功しファムはユリハに気付け薬を飲ませた。
「ん・・・んん・・・いたた・・・ファム??あ、戦はどうなってるの!?」
「大丈夫だよ今はユリハの代わりをユキシロがしてるから。
でも問題なのが私たちを守っている炎の壁がそろそろ壊れそうなの。
ユリハを助けようと私もそこそこに無茶をしたから飛行ができなくなってるしで・・・だけどユリハが目覚めてくれてよかった。
ダメージもあまりなさそうだし周りのモブを叩いてから合流しよっか。」
ファムはユリハを立たせると炎の壁が徐々に消え失せモブの顔や体が見えてくるがその数は先ほどまで相手をしていたような数ではなく数多くのグループが混ざり合った大混合グループの量であった。
「ギシャシャシャシャ!!!!」
「ユリハ来るよ!!!気を付けて!!!」
「ファムも危なかったら私に言ってね!!
それに早くこの群れを突破して攻撃をした分とファムの分をお返ししないとね。
だから・・・少しだけ力をだしちゃおっかなぁ!!!
―――――――――――
ユリハは少しだけ力を出すといいつつもスキルを発動しかなりの数のモブを瞬時に消滅させて突き進み・・・ファムはその消滅したモブの道を辿って移動しそこから周辺のモブをランスで貫きつつスペルで燃やし消し飛ばして見せるとグロウスウォームはその2人の戦いを感じ取ったのかミストたちとの戦闘を放置し地面に潜り2人へと攻撃を仕掛けた。
「2人ともそっちにグロウスウォームが行ったぞ!!!!
体力がある程度消えかかってはいるが油断をするんじゃないぞ!!!」
「ぬぅ・・・このままじゃとユリハたちが危ないのじゃ。
アタイは一足先に援護に出るのじゃ。」
「それなら2人よりも3人でしょ。
私だってこの新しい武器をガンガン使いたいのだからそれくらい誘ってもいいのよ??高貴なこの私にね!!!あ、ちょっと2人とも待ってよ!?」
ヴァニスの長いトークにつき合っていられないと2人は先に飛び出し・・・肝心のユリハ達と言うとモブとの戦闘中にミストからの言葉を聞いてはいたがモブを相手にするのが限界とグロウスウォームが近づいてくるところまでは意識ができておらず砂の波が近づいてきた頃にやっとグロウスウォームが近くまで来ているという事を知りモブを盾にして体当たりを防いで見せた。
「ぐッ!!!!くぁあぁぁぁぁぁ・・・何とかモブで攻撃を防いだけどファムは大丈夫??」
「うん、何とか大丈夫だけど・・・少しダメージがあるかな・・・
それにミストたちがこっちに向かって来てるからもう少しだけ頑張らないと・・・・」
ファムはユリハよりもダメージを受けておりフラフラとした所をグロウスウォームが見逃さず尾でファムを掴みあげホールドダメージを入れ出していた。
「がふッ・・・・しまったな・・・こういう攻撃もしてくるんだったっけ・・・
だけど目標のユリハを守るは成功したから自分としては上々かな・・・・
でもやっぱり・・・みんなで一緒にボスを倒したかった・・・」
「ファムゥゥゥゥゥ!!!!!」
「ご主人様、どうぞ・・・・」
「ゼリャァァァアァァァァァッ!!!!!!!
―――――――――――助けに来た!!!ユリハ!!!」
ファムの体力が赤ゲージになり意識が飛ぶ瞬間・・・ユリハの叫び声がこだまする中をレイと共に現れたムクロはファムを縛り付けていた尾を引裂き解放すると。
ユリハは目の前にいるムクロが幻影ではないかと目をこすって見直すとその姿形は影ではなく本人だと感じ名前を呼んで再び叫んでいた。
「ムクロ君!!!ありがとうありがとう・・・・あと少しでファムが・・・私のせいでファムが・・・・・」
「もう大丈夫だ・・・レイにファムを頼んであるし後はこのデカイボスを倒して終わりにしよう。
――――――――――――――ユリハ、立てるか??」
「ではご主人様・・・私はファムを治療いたしますのでしばしこの場から離れます。」
レイはファムを剛腕装甲で守りながら消え・・・ムクロの言葉にユリハは目をこすって元の表情に戻して立ち上がり武器を構えグロウスウォームに最後の時だと呟いた。
「ギチチチチチィィィィィ!!!!!!」
「お前の攻撃は数回のフェイントと本命の数撃を避ければがら空きだ。
――――――――――今だユリハ!!!好きなだけスキルを叩き込むんだ!!!」
「はぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁッッッ!!!!
―――――――――――
ユリハのスキルが弱点を貫くとグロウスウォームの体力ゲージを消滅させ、ミストたちが合流する頃にはモブ達も逃げ帰っておりムクロは武器をしまいミストたちに「お疲れ」と言葉を投げていた。
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