第596話 変異モブ:グロードバッシュ

――――――――――――――――海底神殿



 辺りが氷に包まれる中、ムクロは走るスピードを抑えモブとの戦闘を開始した頃に何かが近づいてきたと思えば・・・それは全員を氷の鎧で武装したクーリアの姿であり。

後方にいたモブ達を片付けてやって来たと胸を叩いて笑顔を見せていた。



「そんじゃ、私の新しい固有スキルの武装スキルで一気に終わらせちゃうからムクロッちはそこでゆっくりリザードマンの肉でも食べて見てていいよ!!」

「まさかスペルを自身の体に対して再変換するとは思わなかったぜ。」

ムクロは見ているといいと言われながらも再び武器を構えクーリアと共に氷漬けにあったモブに攻撃を仕掛けだし。

クーリアは氷を自由自在に武器へと変換させて自由な戦いを見せ・・・ムクロと共にモブを蹴散らした。



「ふぅ、装備状態にできる制限時間内に終わった終わったぁ~~

さぁ~てさて・・・アイテムちゃんはいいもの落ちてるかなぁ~ウッシッシ~」

「にしても想像以上に攻撃の種類もあって面白くまとめたな。

クーリアにしては接近戦を重視した装備だが・・・どうして魔法を乱打するような構成にしなかったんだ??」

「フフ、そんなのムクロと一緒に駆けまわるユリハやレイ達を見てたら誰もが思う事だと思うわよ?

遠距離からムクロたちを見ながら援護する立場からしかわからない視点かもしれないけれど前線で戦うムクロたちと共に助け合って戦えればと思う場面も多々あるのよ・・・だからそう言った事が要因ね。」

「ふむ、つまりは・・・私たちが上空にいるモブを撃ち落とすクーリアたちのようなマジシャン系統に憧れを持つと言ったところか。

そう言うことならわからなくもないが・・・前線で戦うにしても私たちもまだまだムクロの足元にも及んでいないから共に戦えているとは言えないかもしれないぞ??」

ミストの言葉にユキシロたちもうんうんと頷きながら合流しクーリアにしてやられたとユリハもやって来るとクーリアは金の硬貨が想定以上多く手に入ったことに喜び大声を出すとその場はシーンと静まり返っていた。



「あはは・・・えっと・・・なんか大切な話をしてた??

ごごめんにぃ・・・ついつい金貨が多く手に入ってたからテンションが上がりすぎちゃって・・・・エヘヘ。」

「それだけニヤけてるのも今のうちよ。

さっきのモブを倒したことによって妙な反応の根源がやって来るわよ・・・

通りで妙なわけね・・・久々のじゃないの。」

「こ、これって・・・・巨大なタコだよね??

でも何だか色が変じゃない??」

「あぁ・・・エリが言ってるのはカラーもそうだがこのモブは装備を持ってるのが普通で現状は手ぶらでいる事と元々はないはずの体にあるフジツボが変異していると言えるポイントだ。

だから何が起こるか想像できないし注意して行動してくれ・・・・」

ムクロたちが変異した部位を指摘すると巨大タコの変異種であるグロードバッシュは体の色を変えてフジツボを揺らし何かをし始めていた。



「グギョォォォォォオォオォオォ!!!!!」

「何だ??体中のフジツボを揺らし始めたが・・・ん?アレは・・・先ほどまでここにいたじゃないか??」

「そうですね・・・私たちが先ほどまで交戦していたモブがあれだけ大量に現れると言う事はこのタコがこの場に大量のモブを充満させプレイヤーが来るのを待ち構えていたと言う事でしょう。

そして倒し切ったプレイヤーの疲弊を狙いさらに物量で獲物を捕食すると言う流れでしょうが私たちを甘く見ていたようでございますね。」

「さっきはクーリアが大暴れして倒しちゃったから私たちは元気だしポイントもまだまだこれからって感じだね!!!」

「うむ!!あの数を見てアタイもやる気がわいてきたのじゃ!!!」

「げげッ!?あれだけ倒してポイント差をつけたのにまたあんだけ出されたらさすがにマズいじゃん!!!

もう!!また私のアレを見せないと駄目なの??って・・・クールタイムで武装できないじゃん!?あぁもうこうなったらヤケ撃ちじゃい!!!

――――――――――――ライトニングスプレッド!!!!」

クーリアは大量に現れるモブに対しスペルを放つと先ほどまで戦っていたモブとは違い魔法の攻撃を撃ち消す盾を持ったシーナイトが前を進んできており。

その盾でクーリアのスペルは簡単に打ち払われそれがきっかけとなりモブ達は一斉にムクロたちに突撃して来ていた。




「うわぁぁぁ!!!ごめんごめんごめん!!!!こうなるとは思ってなかったんだよぉ!!!!」

「いいから私たちはバフをかけつつ防衛に徹するわよ!!!

レイは私たちの防衛を任せてもいいかしら??」

「この状況ですと遠近のバランスから考えて私が2人を守るのが適していると思われますが最終判断のご主人様の意見次第にございます。」

「あぁ、俺もその対応でいいと思う・・・ゼアァァッ!!!

だがモブの数がそっちに向いた場合無理をしないで後方に避難して対応してくれて構わない。

状況に合わせて臨機応変にやろうぜ!!!」

「うん!!!ここは前衛と後衛のバランスが大切だね!!!」

「それに私とユキシロの絶好調遊撃部隊もいるから任せてよ!!!

んじゃユキシロ空を飛ぶように行くから手を離しちゃだめだよ??」

「うむ!!!一気にやって来るモブを返り討ちにするのじゃ!!!」

ファムとユキシロは上の方からやってきているモブの対応をするために移動し戦闘に入るとムクロたちもクーリアたちからバフを受けるとすぐに前方からやってきているモブとの戦闘となり激しい戦いが始まっていた。




「ゼリャァァァァッッ!!!!!

くッ・・・・やっぱりあのデカイモブを叩く必要がありそうだな・・・・

だがこの状況で前線を離れたらクーリアたちが的になるのも必須だ。

コレはどうすることが最善の手なんだろうな・・・ゼリャアッ!!!」

「ハァァァァァァァッ!!!テイヤァァッ!!!!

うん、だけど色々考えても仕方ないよ!!!少しでも多くモブを倒して前に進むしか方法がないよ!!」

「今はユリハの意見が状況的に正しいな。

一瞬で攻撃できる間合いに到達できるのであればいいのだがそんな便利なスペルやスキルがあるわけでもないからここは少しずつモブを減らして前進するしかあるまい。」

ミストたちはモブに囲まれつつも倒しながら少しずつ前へ前へと前進するがグロードバッシュはモブが一定量まで減ると再びフジツボをを揺らしモブを再出現させて援軍として送り込んでいた―――――――――

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