第597話 フジツボの破壊とタイミング

――――――――――――――――海底神殿



 さらに援軍が投下されるとすぐにモブ達はムクロたちと戦っている方へと向かい攻撃に出ていたがこのままグロードバッシュに攻撃を許してはいけないとクーリアにバフをかけ終えたらすぐにボスモブに対して威力の高いスペルを撃つよう連絡するとクーリアは杖をぎゅっと握りしめグーサインで返していた。



「へへ、ムクロッちにそこまで言われちゃこのマジカルクリアちゃん((ハイパー))は頑張っちゃうよ!!!

今の所MPがあまり残ってないからそこまで大きなスペルは撃てないかもだけど・・・・ひょわぁ!?何!?エリ??」

「そんな事だと思ってたわ。

さっきのアレでMPを使ったところでしょ??

だからさっさとそのMP回復ポーションを飲んで回復させなさい。

ムクロからの命令なんだからきっと何かをする気だろうしヘマはしないでよ。」

「お2人方、ペラペラと話している間にもモブが数体やってきているので気を付けてください。」

レイの攻撃をすり抜けたモブがエリエントたちに牙を剥くが、エリのMPはすでに満タンであり遅れは取らないとスペルで串刺しにして消滅させクーリアに回復を急がせ上空を舞う2人に視線を飛ばした。




「ぬへぇ~~ボスの頭上にやって来たのじゃがこのフジツボとかいうのは想像よりも硬そうなのじゃ。

ファムはこれからどうするのじゃ??」

「私もユキシロと一緒にフジツボを壊しながら戦うよ!!

それに私がいないといざっていう時に逃げられないでしょ??

だからこのフジツボをバラバラにしちゃお!!

んじゃ、いっくよぉ~~ブレイクランス!!!!」

「2人は何とかグロードバッシュの体に到着したようだな。

後はあのフジツボの数を2人が減らしつつモブをある程度のペースで倒せば最後の一撃としてクーリアのスペルを叩き込むと援軍が来ることはないだろう。

だからそれまではできるだけ致命傷を負ったモブを倒さずにダメージを与えることに専念してくれ!!!」

「うん!!!テヤァァッ!!!

このまま一気に倒したらまた援軍を呼ばれちゃうから私もその作戦でいいと思うよ!!!」

「ならばユキシロとファムたちにもしっかりと頑張ってもらわないとだな。

ヴァニスも無口で戦っているがダメージは大丈夫なのか??」

「えぇ、心配いらないわ。

私はコレでもみんなからある程度のスパルタ教育を受けている身よ??

今さらコレくらいの数が来ようと私はビビったりなんてしてあげないわよ。

むしろこの程度の強さで私たちを止められると思っているのなら勘違いもいい所だわ!!!

――――――――――私の相手はどこかしら!!!テイテイテイテイッ!!!!」

ヴァニスは複数のモブを同時にレイピアで刻んで見せるとミストたちも負けてられないと自慢のスキルで消滅させていく中、クーリアはスペルのチャージに入っておりその動きを悟ったのかファムはクーリアのスペルチャージを見るとユキシロに全力でフジツボの破壊を開始した。



「ふんぬッ!!!!ぬらぁぁぁぁ!!!!この!!!粉砕なのじゃッ!!!

これは意外にも意外なのじゃ・・・想像よりもこフジツボが柔らかく簡単に破壊できるのじゃ。

これじゃとアタイたちだけで粉砕できてしまうのではないかのぉ??」

「うん、だけどクーリアのあの光から見て一気に攻撃するパターンだと思うからある程度まで削ったら離脱しないとだよ。

そうじゃないとクーリアのスペルに巻き込まれちゃうからね。

でもそれまではこのペースをキープしつつフジツボをガンガン削り切っちゃお!!!」

「グゴルルルルルルル・・・・・・グブシャッ!!!!!」

グロードバッシュは2人がフジツボを壊し援軍の妨害をしていることにやっと気が付くとムクロたちの方にいたモブの半数ばかりを戻し迎撃に出し・・・・

ファムたちがグロードバッシュの不自然な鳴き声から何が起こっているのかと気が付いたころにはモブがファムたちを目掛けてすぐそこまで来ており。

ファムはユキシロの腕をすぐに掴み戦線離脱を開始した。



「間に合うかわからないけどフジツボはクーリアに任せて私たちはすぐに戻るよ!!!

後を追いかけてきているモブはユキシロに任せるね!!私は移動に集中しないとだから。」

「うむ任せるがいいのじゃッ!!!ヌラァァッ!!!!

へへん!!アタイの拳を受けてまともでいられるはずがないのじゃ!!!

さぁファムの高速移動に追いつき攻撃ができるものがいるのならじゃんじゃん仕掛けてくるがいいのじゃ!!!ぬッ!?ファム!!!旋回回避なのじゃ!!!」

ユキシロの急なワードにしっかりと反応を見せたファムは次の瞬間にすぐに回避行動に出ていて良かったと思うほどに凄まじい爆発が起こり。

その爆発はグロードバッシュのスペル攻撃であった。



「アイツは変異モブってことでスペルを使うのか・・・だから自分から近接戦を仕掛けないのが《《ソレ))ってわけか。

だったらこっちもクーリアのスペルでやり返すしかないな!!!

―――――――――スペルの準備はどうなってるんだ??」

「んあもう!?今話しかけないでよ!!私たちマジシャンは集中の度合いで威力が変わるんだから!!!ったく・・・私に任せると言いながらこんなにもプレッシャーがかかる事を押し付けちゃって・・・コレは今度いいことしてもらわないと不釣り合いだかんね!!!」

「そんな無駄口をたたくから集中力がかけるのよ。

もっともクーリアの頭の中じゃ集中なんて本当にできてるのかどうなのかも怪しいのだけれど・・・・見たところ調子はよさそうね。」

「ですが後にも先にもクーリアのスペルが完成しなければ作戦は水の泡ですのでしっかりとやるべきことはやってください。

ご主人様が私に命令をしていただければ体の事を気にせずフルで攻撃を致しますが・・・・また私はご主人様に大切にされてしまっているのですね。」

「いいじゃないのそれで!!!私たちなんて前衛でフルに戦っているんだし文句を言わないでよね!!

レイはレイにしかできない仕事をしているんだし私たちはそんなレイを咎める気も何にもないわよ。

むしろレイにそのポイントを任せてよかったって思ってるわ!!!

私たちじゃできない事をしてムクロに言われた事なら胸を張ってやった方が楽しいじゃない??」

ヴァニスは恥ずかしそうに語ると、ミストとユリハも笑い出し・・・レイ自身もヴァニスに励まされるとはとくすっと微笑み剛腕装甲を再び自分の元へと移動させ再度、心の底からこの場を守ると意気込み剛腕装甲を投げ飛ばしていた。

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