第587話 水族館での思い出・・・
―――――――――――――――水族館
タッチプールで海の生き物と触れ合い楽しんだ悠一たちは出口にある土産の売っているスペースにやってきており。
由里と涼孤は2人で楽しそうにお菓子や水族館限定と書かれた商品を見てはしゃいでいたがその片隅で悠一は2人に圧倒されてついて行くのが必死であった。
「わぁ!!涼孤さんこれ何てすごく可愛くないですか??」
「いいガラスのコップだな。
先ほど見たイルカのショーをモチーフにしたデザインされているのか。
こっちはガラスの箸置きか。」
「水族館って意外と色んな土産物を扱っているんだな。
こうやって見てるとグロリアにあるキンの雑貨店のような感じだよな。」
悠一はキョロキョロと辺りを見渡しながら他にもさまざまなものがあるなと口に出すと由里と涼孤に腕を掴まれ水族館のTシャツを見たりとグルグルとまわり・・・由里と涼孤はカゴに色々とお菓子からシャツまで幅広いジャンルのモノが入っており。
由里はコレ以上は持って帰られないからと惜しむように言って会計へ進んだ時、涼孤はコソコソと悠一に何かを呟くと自分も会計に進み・・・悠一は2人に何も言わず少しの間だけ消え・・・・
「ん~悠一君どこに行っちゃったんだろ??
涼孤さんはどこに行ったか知りませんか??」
「いや、私にもわからないな・・・だが悠一もそんなに私たちを困らせようとしているわけではないらしい。
ほら、あっちから悠一がこっちに向かって来ているぞ。」
何かをもって駆け出して戻ってくる悠一に由里はどこに行っていたのかと問うと。
悠一は持っていた袋の中から1つを由里に手渡した。
「コレを由里にバレないように買ってきていたんだ。
今日の・・・水族館に行った記念に。」
「え?これを私に??悠一君・・・ありがと。
―――――――あ、でも・・・涼孤さんには・・・・」
「いや、気にするな。
元々由里は悠一と2人っきりで行く予定なのだろうと思いつつ私がこうしてついてきてしまったようなものだからな。
本来なら2人っきりにしてやりたかったが夏の始まりから私も楽しみたいと遊び心が勝ってしまってな。
だから邪魔をした罪はこうでもないと拭えないだろう・・・ん?どうした??」
由里は悠一からプレゼントを受け取りながらも涼孤に悪いと気を使っていると悠一は涼孤にも何かを買ってきており涼孤に手渡していた。
「えっと・・・いつも世話になってる姉さんにちょっとはお返しができたらと思ってさ??
その・・・・いつもありがとう姉さん。」
「それはこちらこそだ・・・うん、うんうん有難く受け取らせてもらう。」
「涼孤さん良かったですね。
――――――――それじゃ一段落した事だし帰ろっか。」
涼孤は悠一からプレゼントを受け取ると由里と共に水族館を後にし・・・・悠一は由里を送り届けると言って涼孤と分かれ道で別れ2人は無言のまま歩いていた。
「ねぇ、悠一君・・・その・・・えっと・・・手を繋いでもいいかな??
あぁ!?えっとね・・・ダメだったら別にいいんだけど・・・」
「ダメじゃないけど・・・はいよ。
それにしても今日は本当に楽しかったな・・・水族館に行くことなんて滅多にないし由里に感謝しないとな。
それにさ・・・姉さんも喜んでたから姉さんの分も感謝だ。」
由里は差し出された悠一の手をそっと握り今日の事を振り返りながら歩いていると涼孤が言っていたように本当は悠一だけを誘うつもりだったとボソッと呟くと悠一は笑いで返し・・・・
「もう、そこは笑うところじゃないと思うよ?
で、どうして笑ったの??」
「あはは、どうしてか・・・・か。
そうだな・・・由里らしいって思ったからかな。
それに姉さんを最終的に誘ったのも由里らしくてさ・・・由里はやっぱり由里で俺にとって大切な由里は本当に信頼できるなって頭の中に出てきて笑っちまった。」
と、恥ずかしさのかけらも見せず由里に語る悠一の言葉を1つ1つ思い出すと由里の顔は夕暮れに染まり握る手も強くなっていた。
「もう・・・悠一君はよくそんなことを平然と言えるね。
私なら恥ずかしくて言えないよ・・・・」
「そうなのか??俺は由里の事を誰よりも信じて大切に慕っているから嘘偽りなく話しているだけなんだけどな・・・あはは。」
悠一の口から出る言葉でさらに赤くなる由里と歩いていくと由里の家が見え、玄関に到着すると由里は悠一に感謝の言葉を述べ・・・悠一に抱き着きそのままキスをすると由里は恥ずかしさが再びこみ上げくるりと顔を見せないようにして悠一に別れの挨拶をし・・・悠一も由里の顔を見ないように返事をして家に戻った。
「ただいま~~あぁ~今日は良く歩いた一日だった・・・・もうヘトヘトだ・・・」
「お帰り悠ちゃん。
ご飯の支度をしてるから先にお風呂に入ってて。
それと・・・プレゼントの風鈴ありがとね。」
涼孤の言葉に反応したかのように設置してあった風鈴もチリンチリンと綺麗な音色を響かせ悠一は笑顔を浮かべ、風呂に入り夕食ができるまでブロッサムに他のメールや通知が来ていないかと調べるも他に何かあったようなことはなくブロッサムを閉じようとした所・・・・
「ん?耀子からのメール?
今日の一番の被害者は何もできずにウダウダ言ってた耀子だろうしメールはきちんと読んで返事をしてやらないとな・・・・で、何々・・・」
悠一は耀子から送られてきたメールの内容を読むとそこには今日の夜にホームに集まれるものだけでいつものクエストに行こうと言う内容が書いてあり。
より細かい説明は後程と手抜きともいえる内容でもあったが悠一は文句を言わずに返事を送り台所で涼孤と食事を開始した。
「ふぅ~ご馳走様。
あ、そうそう今日耀子が夜からグロリアでクエストに行かないかって来れる人だけに召集をかけていたんだが姉さんはどうする??」
「もちろん参加するわ。
悠ちゃんだけだとまたトラブルが起きかねないしお姉ちゃんがいないとね。」
涼孤は胸をドンと叩いて参加を表明し皿洗いを始め悠一は先にログインして知らせておくと言って台所から自室に戻りそのままグロリアにへとログインした。
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