第585話 夏の始まりとともに・・・
―――――――――――――――水族館
由里たちと共にバスを使って水族館に到着すると、由里からチケットを手渡されそのまま受け取るのは気が引けたのか涼孤は金額を支払おうとしたのだが。
由里は母からのもらい物で気にしないでいいと言って涼孤に納得させると由里は悠一の手を引いて入場していった。
「本当にいいのか??俺たちじゃなくても耀子とかコトハ達でも良かったんじゃないか??」
「ううんそんなことないよ。
それにチケットの期限もすぐ近くだったし悠一君たちとならきっと楽しく水族館で楽しめると思ったから・・・・それとも悠一君は水族館は嫌いだったとか??」
「いいや、全然平気だとも。
悠一・・・こういう時は流れに身を任せるんだつべこべ言っていると由里の気分が損なわれてしまうだろ?
それに由里がせっかく私たちを招待してくれたんだ楽しまないと由里に申し訳ないとは思わないか?」
涼孤の一言に納得した悠一は由里の手を握り水族館の第1ブロックに移動した。
「うわぁ・・・すごいね。
こんなにキラキラした魚が世界には沢山いるんだね・・・」
「そうだな、まだ見た事もない魚がまだまだいそうだよな。
グロリアのレアモブみたいにさ?」
「悠一は水族館に来てもグロリアの話なのか??
だが・・・言いたいことは分からなくもない。
この世界にもまだまだそう言った解明されていない魚や他の動物も沢山いるだろうな。
あと・・・耀子がいたならもっとグロリアの話を混ぜて来そうである意味一緒じゃなくて良かったかもしれないな。」
耀子がいたとなるとグロリアの話で水族館どころではないと話が出ると。
由里はグロリアにはこういった魚のモブはいないのかと問いだし由里からの質問という事で悠一は少しだけ口に出した。
「そうだな、中級層のとある場所に行けば水の中を探索できる水路があるな。
そこだと魚のモブとか水龍に水に関連したモブが多くあらわれるから今度行ってみるか??」
「うん!!!楽しそう!!その時は涼孤さんも一緒にどうですか??」
「楽しそうだな、最近はドラゴンやアンデッド系を相手にしていたからたまにはそういうモブを相手にするのも悪くない。
あと、このパンフレットによるとこの先のフロアは全面がガラス張りのループになっているらしい。」
涼孤は現実の水族館の話に戻すと全面ガラス張りで作られた360度の水槽路をに向かうと由里は上から下までを泳ぐ魚を見て喜んでいたのだが・・・・
「うッ・・・由里・・・その・・・悪ぎはなかったんだが・・・えっと・・・ガラスに反射して由里のスカートの中が・・・」
「ひゃうッ!?もぅ・・・悠一君のえっち・・・・」
「本当に悠一はそう言うのは見えたとしても言わないのがエチケットだぞ?
さぁ他の人に見られない内に先の方へ行こうか。」
由里は水槽路を出るまでスカートに手を押さえつけており、やっと水槽路を抜けるとそこは暗い深海をテーマとした深海魚のコーナーであった。
「へぇ薄暗くて人の顔がギリギリ見えるかどうかの暗さだね。
あ、見て見てこの魚すごく大きいよ。」
「コレはチョウチンアンコウだな・・・コレくらいなら知識がある。
確か獲物をちょうちんの明かりでおびき寄せて近づいてきた魚を食べるんだったかな。」
「それにアンコウの身は美味で鍋の主役になるくらいだ。
この時期に聞くと熱く感じるが冬場には最高だろうな。
この先にも色々と深海魚が沢山いるな・・・」
涼孤は悠一たちよりも先に歩いて魚の説明をしつつ歩いていると由里が見えない足場につまづき倒れそうになった所、ギリギリで悠一が手を掴み倒れずに済み。
悠一は由里にもっとしっかりと手を掴んでいるようにと呟くと由里は嬉しく感じると共に恥ずかしさも感じ。
少しだけ力を込めて手を握ると悠一も由里の手を先ほどよりも強く握りしめ先にある幻想的なクリオネの水槽前で見ている涼孤を追いかけた。
「どうだ2人とも??こんなにも綺麗な光景はそうないと思うのだがどう思う??」
「確かに綺麗だな・・・海の天使って例えればいいんだろうけどなんか恥ずかしいな・・・あはは。」
「ううん、その例えで間違っていないと思うよ。
だって私も悠一君と同じようにそう思っちゃったから・・・えへへ。
本当に幻想的だよね・・・」
3人はしばらくの間をクリオネの水槽前で時間を使い次のフロアへと足を運ぶとそこには大きな骨で作られたシルエットがあり。
世界にいた最大級のサメと書かれており写真を取れるコーナーまであった。
「すっごく大きいね・・・でもグロリアで昨日戦ったレイドボスはもっと大きかったけれどリアルだとこのくらいがすごく大きく感じちゃうのも不思議だね。」
「言われてみればそうだな。
今まで戦ってきたモブの方がこのサメとかクジラよりも数倍も大きかったり強かっただろうな。
でも実際にこうやって現実で見るとやっぱりこのくらいでも大きく感じるし強さも感じるな。」
「また2人はそうやってグロリアの話なのか??
こういう時は少しくらいグロリアから離れてだな・・・・
そうだ、こういう時は記念の写真を取らねば!!さぁ由里と悠一はそのサメの口の中に入るといい。
私がきちんと2人を思い出を残してやろう。」
と、言いつつもシャッターを押した後で由里にシャッターを押させて自分もちゃっかりと悠一とツーショットで写真を撮り満足した所で3人は大きな骨と様々なシルエットが書かれた休憩所となる水族館カフェに立ち寄り休憩を取ることとなった。
「出た時間は予定くらいだったけど見て回っているうちに時間がお昼前で丁度良かったね。
悠一君は海の海鮮パスタにしたんだ・・・私は軽くサンドウィッチだけど・・・・」
「ん?どうしたんだ??もしかしてコレを一口欲しい・・・とか??
由里はリアルだと食いしん坊だったのを忘れていたよ・・・ほら。」
「ム、悠一・・・それは私に対する攻撃か??
由里にアーンをするのなら私にも同じようにしてもらわなければ少しモヤモヤしてしまうとは思わないか??」
涼孤も悠一にアーンをさせたあと食後は残ったフロアを遊びつくすだけとコーヒーを飲みながら由里と水族館のパンフレットを眺めていた。
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