第577話 部位破壊と脱出方法

――――――――――――――イベントフィールド:グランドコロシアム



 戦闘を行っている場へ戻ると男はヴァニスに礼を言いつつも先ほどの連中に関わらない方がいいとだけ言って消え。

ヴァニスは話を聞く前からその連中と関わりたくないと願っていたが・・・先ほどの男にした行為を考えるとさらに出会いたくない意識が高まり辺りを十分に警戒しつつ行動を開始していた。



「下の方で助けに出たヴァニスちゃんが無事にプレイヤーを救助して戻ってきたみたいだよ!!!くッ・・・・こっちは随時ピンポイントでスペル攻撃が厄介だけどまだこのまま背中で攻撃続行かな??」

「あぁクーリアたちが翼を破壊するまではこっちに注意をできるだけ惹かせつつしておきたい。

ミストにユリハは適度に回復を挟んで体力には気をつかうといいぜ。

こういった戦いは慣れてるからな。

――――――――――ブレイブダンス!!!!」

「いつ見てもいい動きだな!!!

はぁッ!!!スペルの火炎弾も武器で弾き返せるから私はまだ大丈夫だ。

ユリハが回復した後でも休ませてもらおう。

それよりも下で動く奇妙な3人組が気になるんだ。

ヴァニスの手当てしたプレイヤーの一件は他のプレイヤーに不安を与える要因だろうし注意をしてやりたいが・・・む??ムクロ?どうしたんだ??」

ミストはムクロたちが出会った態度といい行動の読めない連中の話をすると。

戦っているムクロの表情が少し曇り・・・ユリハもその顔を見るや辛そうな顔をして下を見るとユリハの方に火炎弾が飛んできていた。



「ユリハッ!!!!ゼリャァアアアァァァアアァァッ!!!!」

「きゃああぁぁぁ!!」

「2人とも大丈夫か!!!

くッ・・・ヤツめ動きを止めている者には遠慮というものはないと言う事か。

だとすれば私も手を抜く必要はないと言う事だな!!!

もっと派手に攻撃してやろう!!!!

――――――――――――激しく煌めけ!!!アークブレイクⅡ!!!!!」

ミストは2人に近づくことはせずにドラゴンの鱗にスキルを叩き込むと。

ムクロたちの攻撃が蓄積されていただけ脆くなっておりミストの一撃によって鱗の一部が砕け散りドラゴンに先ほどよりも多くのダメージが入っていた。



「ん・・・む、ムクロ君!?大丈夫!?あの火炎弾でそんな腕に・・・・」

「こんなのポーションでいつでも回復できるから気にしなくていい。

で、ユリハはすぐに行動できるか??ミストとすぐに合流してクーリアたちに部位破壊のポイントを知らせて叩いてもらいたいんだが・・・・

―――――――――えっと・・・ユリハ???」

ユリハはダメージの入った腕を無頓着に語るムクロに対し逆切れをし・・・ムクロの腕に傷薬とバンテージですぐに治療し始め。

こうなったユリハにモノを言うのはちゃんとした理由がなければ噛み返されると知っているムクロはスペルによる火炎弾が来ないかだけを注意して見ているうちにユリハは手早く治療を済ませていた。



「はい、コレで後は時間がくれば完治するから。

あとね?ムクロ君が気にしなくても私はムクロ君のケガを気にしちゃうの・・・・

だから小さな怪我でも私たちを庇って受けたモノならちゃんと言ってね。

私たちの付けちゃった傷は私たちがちゃんと治すから。」

「ユリハ・・・あぁ、ありがとう。」

「2人とも!!!いつまで手を握り合っていい雰囲気に浸っているつもりなんだ。

ここの鱗は無事に破壊できたのだから移動なりしないといけないだろ??

だから次の指示を待っているのだがな??」

ミストは2人の邪魔をしてはいけないと空気を読んで火炎弾を避けていたのだが一向に動こうとしない2人を無理にでも動かそうと強引に問うと。

ムクロとユリハは顔を見つめ合わせて笑いながらミストと合流しこれから部位破壊でめくれ上がった部位にマーカー反応を見せる設置アイテムを置きムクロはミストとユリハの手を掴み尾が地面をついているチャンスを見逃さず尾の上を突っ走って行った。



「2人とも手を離すんじゃないぞ!!!!あと少しでだ。」

「きゃあぁあぁぁぁぁぁ!!!!こんな下り方をするなんて聞いてなかったよ!!!」

「私も聞いてはいなかったがドラゴンに階段があるとも聞かされていなかったがまさかこんな荒業をするとはな!!!

いやだがしかし・・・・これも長いプレイ期間があっての事だとすればやはりムクロは想像を超える動きをするな。」

2人の手を掴んだムクロは強く強く握り・・・足が地上へつくまで走るスピードも緩めず。

あと少しで地上へ足を付ける瞬間、ドラゴンの尾は大きくしなり。

ムクロたちはその尾に吹き飛ばされ宙に舞い地面に強打する前にユリハとミストの腕を引き寄せ自分をクッション代わりにし地面に激突した。



「2人とも・・・いつつ・・・大丈夫か??」

「あぁ・・・私たちはムクロがクッションになってくれたおかげで無傷だ。

だがな?コレはコレとして置いておきたいのだがどうしてムクロは私たちのお尻を掴んでいる??」

「ひぃあ!?うぐぅ・・・ムクロ君のバカ!!!」

無事に着しダメージを回避したムクロであったがミストと違って恥ずかしさが爆発したユリハはムクロの頬を殴り飛ばしており・・・着地ダメージに続いてユリハによる打撃のダメージも入り1名だけが体力バーが黄色を差し掛かっていた。



「で、これからクーリアたちにチャットで連絡をするのか??」

「あぁマーカーを狙ってクーリアたちに最大のスペルを叩き込んでもらうつもりだ。

背中の鱗だからそう簡単には他のプレイヤーが横取りできる部位でもないしクーリアたちにダメージを入れてもらって追われるのならそれもいいだろ。」

「うん・・・あと、強く殴りすぎちゃってごめんね。

でも元はと言えばムクロ君が悪いんだからね・・・・

私とミストのお尻を・・・その・・・触ったりしたんだから・・・・ね?」

ユリハはまだおしりを触ったことにモヤモヤしているのかムクロに強く注意するとともに回復アイテムを使って治癒させ。

その合間にムクロはチャットでクーリアたちにスペルで背中にあるマーカーに攻撃を仕掛けるように指示をするとクーリアは絵文字付きで返事をし。

ムクロたちは回復が済み次第攻撃に出ると言ってミストとユリハにも準備をするようにと伝えた。

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