第576話 ヴァニスの勇敢な行為
――――――――――――――イベントフィールド:グランドコロシアム
ユリハの手を握りミストたちの付近まで移動した途端、ドラゴンは急に咆えだしバーサク状態に変貌しており。
他のプレイヤーもその異常な変貌に驚きつつも攻撃が通りやすくなっていると自分たちの功績と勘違いしたのかそのまま突撃を行い始めていた。
「マズイな・・・他のプレイヤーは逆鱗でこうなったことを知らずのままだ。
このままいかせると間違いなくドラゴンの返り討ちにやられちまうが・・・・
勢いには勢いにって戦法でやってみるか。
ミストとユリハに提案だ・・・今からあのドラゴンの背で暴れようかと思っているんだが付いてくる気はあるか??」
「えぇ!?あの怒りだしたドラゴンの背に乗るの!?
でも・・・他のプレイヤーに一刻も早く知らせるにはそうするしかないよね・・・・
ん~~~危険だけど付き合うよ!!!このまま見殺しになんてできる訳がないよ!!」
「うむ、よく言った。
私ももちろん同行しよう・・・ただどうやってあのドラゴンの背に乗ると言うのだ??」
と、ムクロはミストたちにどうやって上るのかと問われ。
クーリアにチャットを入れるとすぐに返事が来るとムクロはユリハ達に合図を出して走る様に指示を出した。
「急に走れってどういう事??
このまま入って行くとドラゴンと正面衝突して戦闘は避けられないよ??」
「いや、ムクロはこれを指示したのだな!!
クーリアとエリの氷の足場だ!!!」
「スペルの維持時間があまりないから素早く登って移動するんだ。」
ムクロの言った通り足場は徐々に崩れ始めており、ムクロたちがドラゴンの背に到着した段階で氷の足場は綺麗に崩れ去りドラゴンは背に乗ったムクロたちを睨みつけつつスペルで攻撃を始めていた。
「どうやらムクロッちたちは無事に辿り着いたらしいけど・・・
あれって攻撃されてるよね??背中で爆発しちゃってるし・・・・」
「だけどこうでもしないと下にいるプレイヤーを見殺しにすると考えたからでしょ。
ムクロも本当にお節介焼きね。
私がどうこう言うことじゃないけれどムクロたちの方はムクロたちに任せて援護部隊の私たちはスペルを翼に集中するわよ。
――――――――――――ブリザードミサイル!!!!」
「あいも変わらずムクロたちに厳しいわね。
だけど・・・今回は数が数だから見捨てようにも見捨てられないって言ったところよね。
それじゃ・・・私も援護射撃をしようかしらね。
―――――――――――そこの鱗はいただくわよ。」
アヤカたち援護部隊側が動き出すと他のPTにいる援護攻撃を仕掛けるプレイヤーも同じように動き出しており。
スペルに銃弾と様々な攻撃が遠距離から飛んでくる際、ドラゴンは背にいたムクロたちから遠方のプレイヤーに対してスペル攻撃とブレスの攻撃を合間に挟んで飛ばし始めた。
「くッ・・・エリ達の援護攻撃は有難いが・・・威力の出る分ヘイトがあっちに集中するな。
その流れで下のプレイヤーにターゲットが移動しないと良いんだが・・・・」
「うん、でも今はみんなで手分けしてヘイトを立たせて立ち回らないとどこかが一方的にやられてゲームオーバーになちゃうよ!!!
――――――――――
「その通りだ!!!だから今度は私たちの方を集中させるためにガンガンと攻撃を叩き込んでやろう!!!
―――――――――――煌めけ!!!アークブレイクラッシュ!!!!!」
背中でムクロたちはスキルを駆使してダメージを入れつつクーリアたちのいる援護部隊からターゲットの移動をさせるべくひたすら攻撃を叩き込むとスキル攻撃に効果があったのかドラゴンの顔がムクロたちを再び睨みつけ攻撃を仕掛けようとしたのだが・・・・・
「私たち下にいるプレイヤーも忘れてもらったら困るわよ!!!
さぁ一気に爪も鱗もじゃんじゃん部位破壊しちゃうわよ!!!
この高貴な私に続きなさい!!!」
「なんだかよくわからねぇネェちゃんだがここは協力する方が点数が出そうだし協力してやっか!!!!」
「おらおらおら!!!こっちにも数がいるんだぜドラゴンさんよぉ!!!!」
「スキルをありったけブッコめ!!!
そうすりゃある程度の点数は稼げる!!!あとは部位の弱ってる方を・・・・あん??あの3人組どうしてあんなところで見てやがんだ??参加する気はねぇのか??」
ヴァニスとの共闘中にプレイヤーが目にした謎の3人組は攻撃の被害が出なさそうな所に立ち。
攻撃が届く物に対してだけ二名のプレイヤーが露払いをするかの如く攻撃を振り払い。
その絵は現状のボスとプレイヤーの乱れ戦うフィールドでは浮いており。
戦っているプレイヤーの数名がしっかりと前線で戦うようにと文句を言いに近寄るとプレイヤーは有無を言わず言い寄って来ていた男達2名を掴みあげ振り落ちて来ていたスペルと相殺させていた。
「お前達との協力??それはない・・・・お前たちはただの一定量以下まで体力を減らす道具に過ぎない。」
「本当に私たちを協力者だと本気で思っているのかしらね。
この銃でしっかりと世界の違いを見せた方がいいんじゃない??」
「そこまでする意味はない。
俺たちの行動で戦っているプレイヤーたちの指揮にも影響が出るからな。
みろ・・・さっきの行動で仲間だったやつらが群れてやってきている。
ここは一度消えるぞ・・・・」
そう言って男は他のプレイヤーに絡まれる前に身を隠密系統のスキルで消し去ると。
他のプレイヤーも消え・・・残っていたのはボロボロになっているプレイヤー達だけとなっていた。
「何アレ・・・あんなのがここに紛れ込んでいたなんて・・・・
だけどムクロならこういうはず・・・・どんなことがあっても手を緩めるなって。
そして傷ついたプレイヤーがいたら助けてやれってね!!!
仕方ないわね!!!私が手を貸してあげようじゃないの!!!
――――――――――ん?・・・・ふぇ??」
ヴァニスが戦闘している場を離れ傷ついたプレイヤーの救助に向かおうと飛び出した瞬間をドラゴンは狙っていたのかピンポイントでヴァニスだけを狙ってスペルを飛ばしており。
上空から降り注ぐ火炎弾をどうすることもできずに浴びるかと思われていたが・・・・
「ふぅ・・・何とか間に合ったわね。
射撃の制度が上がったって事かしら??
そうそう・・・誰が何をしたかまでわかっている様でよかったわ。」
「さっきの攻撃はアヤカの攻撃よね・・・今度あったらお礼と何かご馳走してあげないと!!!
よし・・・到着!!!大丈夫??ほらポーションを飲んで回復するのよ。」
攻撃が当たるかどうかとの所でアヤカの射撃に助けられたヴァニスは倒れていたプレイヤーの救助に入り。
ポーションを飲ませて回復させ、戦える状態になると男を連れてドラゴンと戦闘をしている場へ戻り再び戦闘を続行し始めるのであった。
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