第575話 上級層プレイヤー
――――――――――――――イベントフィールド:グランドコロシアム
ムクロたちは受け取ったアイテムを食べながらレイドボスであるヴェルヴァークグランドドラゴンの立ち回り方の話し合いをしており。
クエストを見つけてきたクーリアも実際に戦った事があるわけでもないために情報はあまり持っておらず。
そのドラゴンと類似する種と戦った事のあるムクロがメインで進めていた。
「まずこのドラゴンはちょくちょく言われてた通りでスペルも物理も通りにくいドラゴンだ。
だから基本的に真正面からの戦いは不利なんだが・・・とある部位を攻撃すればチャンスが出る半面で危険な状態にもなるんだが・・・他のプレイヤーの中にどれだけそのことを知っているかが問題なんだが・・・・ひとまず俺たちは他のプレイヤーの動きを観察しつつ行動しようと思っている。」
「ムクロッちにしては慎重だね。
って、ことはそれだけ動きがヤバイかマジでダメージが入らないって事だよね。
ん~ムクロッちの意見には従うからいいとしてさ?
その言ってた危険な状態ってどうやるのさ。」
「それは簡単よ。
ドラゴンの中で触れられると怒る鱗・・・逆鱗に攻撃を当てる。
そうすればムクロの言っていたように危険な状態にさせつつも防御力をダウンさせた状態で戦えるのだけれど怒った状態は予測不能な行動に出るかもしれないからオススメしないと言ったところね。」
「ふむふむ・・・ソロで以前に戦ったドラゴンでも同じような事があったな。
逆鱗に触れた途端に豹変し、手の出しようがないくらいに大暴れされたことがある。
あのような状態になると言うのなら私もちょっと賛同しがたいな。」
「ミストまでがそう言うって・・・・本当に危険って事ね。
だったらそんなことをしないでゆっくりちまちま部位を破壊して弱点攻撃するしかないって事かしら??」
「ヴァニスにしてはいい考えね。
そうね・・・他のプレイヤーがミスをして逆鱗に触れなければその通りでいいんじゃないかしら??
私も極力ハードな動きをせずに立ち回りたいわ。」
と、アヤカは銃弾をマガジンに込めながら語っているとプレイヤー達がざわめき始め・・・急に地響きが起こり天空から巨大なドラゴンが空から舞い降りて来ていた。
「来たか・・・レイドボス・・・ヴェルヴァークグランドドラゴンがやってきたぞぉぉぉ!!!!
お前ら盾をしっかりと構えて防御しろよ!!!!」
「お前らバフの準備だ!!!アイツは魔法も物理も得意だからな。
しっかりとバフをかけてMPの補充も忘れんじゃねぇぞ!!!」
「時間だな、ユリハ・・・それにみんなも準備はいいか??
これから始まるレイドボス戦は激しい戦いになるのは避けられない。
だから最後まで生き残ることを意識して立ち回ってくれ。
それじゃ遊撃しつつ部位破壊で行こう。」
「了解だよ!!!しっかりとみんなと協力して戦えるように頑張るよ!!!
クーリアたちの援護にも期待してるよ!!!」
「うぅッ・・・そんなに期待されても困っちゃうけど・・・・
ベストサポーターの枠もあるし頑張るしかないっか。
はぁ~自分で誘っただけあって止めるなんて言えないし・・・こうなったらガンガンやるっきゃない!!!
――――――――――バフが切れたら私のバフ範囲内まで来て!!!しっかりとバフを入れてやんよ!!!」
「バフ以外にも私たちは翼に背の届かない部位の攻撃もしないといけないからMPをしっかりと確認しておきなさいよ。
それとヴァニスは危険だと思ったらムクロなり仲間を見つけて共に行動しなさい。
それが生き残るための条件よ。」
「う、うん・・・わかったわ・・・1人でダメそうだと思ったらそうする。
だけどそれまでは私もムクロに言われた通り遊撃して戦うわ。
高貴な私の力をここにいる全員に見せないといけないから!!!」
「それじゃこれからの戦いに健闘を祈るぞ。
さぁ・・・・戦闘開始だ!!!」
ミストの掛け声にヴェルヴァークグランドドラゴンは地上に舞い降り大きな雄たけびを上げるとプレイヤー達は一斉に動き始め左右に分かれて行動を開始していた。
「うおぉぉぉお!!!!
俺たちは左から足と胴体に攻撃するぞ!!!
飛び道具で体によじ登れる奴は背を攻撃しろ!!!」
「了解!!!
この巨大ボスのためにクライムスキルを強化しておいたんだ。
一気に背に上って攻撃してやるぜ!!!!」
「左組は地上と背中への攻撃を開始したわ。
私たちのいる右側方面だけれど、どうでる??」
「俺たちは・・・逆鱗を叩くぞ。」
「・・・・・・・プラン通りだな。」
「ムクロ君、私の見間違いじゃなかったらあの3人組・・・右側から別の動きをしているようだけれど何をする気なのかな??」
「ユリハそれにみんな・・・・これからあの3人がすることは俺の言っていたように逆鱗を叩くつもりらしい。
だから遊撃しつつもドラゴンの動きに注意してくれ。」
ムクロはミストたちに分かれる前に語り3人の元へと向かっていき。
ユリハも同じようについて行ってしまい。
走り出したミストたちはそのまま右側のプレイヤー達のいる方面へと突撃していくのであった。
「よし・・・逆鱗はあれだな・・・ベイトリー攻撃を任せる。」
「任せておいて。
ん??誰かが近づいてくる・・・プレイヤーが2人・・・
ここに来るって言うことはあなたたち2人も逆鱗を狙ってると言うわけでもなさそうだけど・・・何か用かしら??」
「・・・・・・・・・・」
「用があるって言うわけでもないんだが。
このドラゴンについて色々と知っている節があったから近づいただけだ。
このドラゴンの逆鱗の位置を見抜いたと言う事は上級層クラスのプレイヤーだろうしどんな奴らなのか挨拶しないわけにも行けないだろ?」
「ムクロ君・・・はぁはぁ、やっと追いついたよ。
で・・・この人たちすごく強そうだけど何かあったの??」
ムクロの後にユリハがやって来ると銃を構えていた女プレイヤーは逆鱗を射貫く素振りを見せつつユリハに威嚇攻撃を行っていた。
「ごめんなさい、ちょっと手元が狂ってしまって。
ケガはないかしら???お嬢さん??」
「・・・・・だ、大丈夫です・・・お気になさらず。」
「おい、ベイトリー無駄な行為は止せ。
スロウズも武器を下ろせ・・・俺たちの目的はさっさとこのドラゴンを始末して素材を集めるだけだ。
他の下らない事に時間を潰す暇も余裕もない。」
「・・・・・・・わかった。」
「ユリハ大丈夫か??
それとお前達・・・もし次のどこかで出会う事があればその時はPVPを受けてくれると助かる。
今回はレイドボスを狩るための一時的な共闘でコレ以上は関わらないが・・・度が過ぎる行為は自分に返ってくるって言う事を忘れるなよ。」
ムクロはボソッとユリハの手を握って振り返ることなく立ち去ると。
ベイトリーは面白くないと表情に出しつつ逆鱗にスキルを撃ち込んでいた。
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