第574話 特別フィールドでのイザコザ
――――――――――――――イベントフィールド:グランドコロシアム
イベント用のフィールドにやって来たムクロたちが目にしたステージは・・・闘技場のように丸い戦闘空間でそこにはすでに参加者たちが何人もいてアイテムの販売を行っているプレイヤーまでがおり。
見方を変えればお祭りのようにも見えていた・・・・・
「何だか想像よりも楽しそうな雰囲気だね。
これだけワイワイしたイベントに最近参加できてなかったから少し新鮮だよね。」
「最近は俺たちだけで行動してたからな・・・
だからこのイベントを持ってきてくれたクーリアに感謝しないとな。」
「えへへ、いやぁ~そこまで言われると嬉しいなぁ~~うんうん。
それなら私にラストキル枠とか部位破壊等の報酬枠を譲ってくれてもいいんだよ??」
「コラ、調子に乗らないの。
それにそう言うのは他のプレイヤーがいない私たちだけの時に言いなさい。
あまり調子のいいことを言ってると他のプレイヤーに絡まれるわよ?」
「それもそうね。
面倒事もモメ事も時間の無駄だから私たちはひと気の少ない場所で待ってる方がよさそうね。」
「それじゃ人の少ないあの隅で武器と装備の最終確認をしてようか。
どうやら血の気の多いプレイヤーが多いみたいだからな。」
ミストは人ごみの中でケンカをしているのを見つけるとすぐに移動することを進めるが気が付けばユリハはそのケンカが起こっている方へ歩いており。
人ごみをかき分けてケンカのど真ん中に入っていた。
「お、女のプレイヤーがケンカの中に紛れ込んでるぞ!!!
おいそこの女プレイヤー!!!早くそこから出ろ!!!今そこで2人がケンカをしてんだ!!!巻き込まれちまうぞ!!!」
「オラッ!!!!くたばりやがれッ!!!!!!」
「お前こそその首を晒してやらぁぁあぁぁ!!!」
「2人とも静かにしなさいッ!!!!せっかくの協力イベントをケンカで台無しにしないでよ!!!
もし・・・この状況から理解できないのなら私は2人に罰を与えちゃうよ??あは!」
「ゆ、ユリハ!?ユリハってあんなキャラだったっけ!?
ムクロッちに怒る時はアレよりも怖いけどさ・・・他人の喧嘩にまで口は出さなかったはずなんだけど・・・・」
「ここはユリハに任せよう。
ユリハとは無関係のフリをして観察だ・・・・さぁお手並み拝見。」
「ムクロ・・・お前もユリハを何だと思っているんだ??
仮にもユリハはムクロの・・・・・・ん??」
ミストが何かを言おうとした瞬間、ケンカをしていたプレイヤーの1人がミストの背後を通過し・・・・その倒れたプレイヤーを見ると強力な打撃で失神させられており。
もう片方のプレイヤーはユリハを凄腕のプレイヤーだと感じたのか勝てないと悟ったのか土下座をしてその場を流しユリハが背後を見せた瞬間に襲い掛かったのだが・・・・・
「んなッ!?背後を確実に取ったハズ・・・・何でこの女はすでに俺の横にいるんだッ!?」
「もぅ・・・本当はこんな事したくないのだけれど私の言っていることが伝わってないのなら罰を与えないとね。
――――――――ほうらあのプレイヤーの所まで飛んでいっちゃえ!!!」
「あははは・・・ゆ、ユリハ・・・たくましすぎじゃない!?
私の想像をはるかに超えてるんだけど・・・・」
「きっとユリハは俺の知らないところで筋力系等のステータスを強化していたんだろうな。
そうでもないとあんな芸当はできないだろうしさ。
強くなったと言う事で引き上げだ。
―――――――――――おーいユリハ~~こっちで休憩にしよう。」
「ムクロの観察と言うのはこの事だったのか。
だがいくら何でもユリハに負担を与え過ぎではないか??」
「自分から火の中に飛び込んだのがユリハなのだから仕方ないじゃない。
それに・・・ユリハがあぁやってみんなの前で力を見せることによって力の格差を見せたと言うわけだからこれからの戦闘で大きな意味を持つと思うわよ。」
「そう言うものなの??私にはよくわからないけど・・・・
ただわかるのはユリハの筋力がすごかったと言う事と他のプレイヤーが私たちに注目しているって事じゃない??
でもまぁ・・・高貴な私からするともっと見てと言いたい気分なのだけれど!!!」
「それじゃ私たちの分まで見られておいて。
私たちはそこまで自分を見せびらかす趣味は持ってないから。」
アヤカはヴァニスにプレイヤー達の注目を浴びさせるとユリハたちと隅に移動しケガをしていないかとユリハに問うと・・・・
「え、あ・・・うん・・・大丈夫だよ全然平気。
ん~でも私・・・あそこまで派手にするつもりはなかったの。
ただ落ち着かせて仲直りさせられたらなって思って・・・だけど最後にはこうやって無理矢理なことになっちゃって笑えちゃうよね。」
「まぁ2人ともが頭に血が上ってたから今回の件は仕方ないかもしれないけどさ。
ユリハの言いたい事は俺たちは理解しているからそんな顔をしなくてもいいんじゃないか?
誰もユリハを責めたりするプレイヤーもいないしさ。」
「それは・・・どうだろ・・・見てよなんか仲間の連中か何かがこっちに近づいてくるよ・・・警戒しておく??」
「そうねここは警戒しておくことに越したことはないけれど。
今回はそう言う風な事にはお繋がらないわね。」
エリエントの言葉にクーリアは疑問の表情を浮かべつつプレイヤー達が何をしに来たのかを問うと。
先ほどのケンカを止めてくれた感謝の言葉を述べに来ており、ユリハと話をさせて欲しいと言う事であった。
「先程はどうもお見苦しい所をお見せして申し訳なかった。
俺たちはあのケンカをしていたリーダーたちのPTのもんでして・・・
俺たちの力じゃリーダーを止められないところわざわざ止めていただいたことにお礼を言いに来たんです。」
「そう言うわけでよかったらウチのPTが作ったもんなんですがよかったらそちらの方たちと一緒に食べてくれ。
それじゃ俺たちはリーダーの意識を戻しに向かいやすので・・・・レイド戦は共に頑張りやしょうぜ。」
「え、あ・・・・ハイ!!!
私の方こそ力づくにしちゃってごめんなさい。
コレ・・・美味しく頂かせてもらいます!!」
ユリハはアイテムを受け取ると同時に自分もやりすぎた事を謝罪し別れると。
その表情は先ほどよりも穏やかであり力が漲ったと言う表情をしていた。
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