第573話 ヴェルヴァークグランドドラゴン
――――――――――――――――プライベートホーム
ムクロは逃げるようにして自室に戻りつつも装備の点検とアイテムの見直しから補充までを行っていると・・・クーリアも逃げるかのようにしてムクロの部屋にやって来ており。
ここで武器の調整だけをさせて欲しいと頭を下げながらもムクロのOKが出るのを待っていた。
「わかった・・・ここで武器の調整をしたらいいが。
問題をコレ以上起こしたくないからできるだけ静かにしてくれよ??」
「了解だよん!!やっぱり持つべきものはムクロッちだねぇ~~~えへへ。
それじゃさっそく杖とサブ武器で使う剣の調整でもしようかな!!!
でさ?剣の研磨ってこれでどれくらいやればいい感じなの??」
クーリアはぎこちない手つきで剣を研いでおり・・・ムクロはその1つ1つの行為に切れ味が上がるどころか下がるような気しかせず。
見本を見せるからと言って自分の愛刀を取り出し華麗に研いで見せたのだがクーリアの頭の上には?マークが浮かんでいた。
「えっとさ??私の研磨スキルは1なんだけどそんなのできるわけないじゃん???
だからもう少し初心者にでもできるようなコツを教えてくんないかな??」
「悪い悪い・・・そうだな、まずはこうやって剣を軽く持つだろ??
そこから剣の先端を目掛けてなぞる様に滑らせると青白く光るエフェクトが出るから・・・削りすぎて赤いエフェクトが出ないようにすれば大丈夫だ。
――――――――――見ておくからやってみたらいいさ。」
ムクロの視線を浴びながらクーリアはムクロが見せてくれた様に剣の先端をなぞる様に滑らせるが青いエフェクトではなく赤に近いエフェクトが出ており。
それを見逃さなかったムクロは咄嗟にクーリアの手を取って研磨を行い・・・数回に分けてレクチャーをするとクーリアの研磨が幾分か上達しており青いエフェクトが出ていた。
「よし、いいぞ・・・その調子だ。
クーリアはスペルをメインで使ってたからあまり馴染まないかもしれないが慣れると研磨も楽しいもんだぜ?」
「そう・・・・だね・・・ムクロッち・・・そろそろさ??離れてもいいんだよ??でもでもムクロッちがそこまで私とベタベタしたいって言うのならしてくれてもいいって言うかぁ!?」
クーリアの言葉からムクロはドアの方から誰も見ていないか確認してからそっと離れ。
その調子で研磨するように言ってムクロはムクロで研磨作業に入ろうかというところでリビングに目覚めたアヤカが来たのかユリハ達の声が聞こえ・・・ムクロたちは剣を収納しリビングに向かうと・・・・
「え?私がムクロに何かされたかって??
ぷふふ・・・あははは・・・それはないって知ってるでしょ??
まさか私とムクロがそんな仲になっていると思っていたなんて・・・大丈夫よ。
人のモノを横取りする趣味はあまり持ち合わせてないケド・・・まぁ場合に寄るのだけれど今回は違うから気にしなくていいわ。
だからホラ、怒られ損のムクロたちがやって来たわよ。」
「えっと・・・ムクロ君・・・ごめんなさい!!
私たちレイちゃんの言ってた話を聞き違えてたみたいで・・・・本当にごめん。」
「誤解が解けてよかった、で・・・アヤカは調子はバッチリって感じだがイベントレイドボスに挑むっていう話は聞いてるか??」
「その話はこれからするとして私も一応謝っておくわね。
このまま怒鳴っただけで謝れない女として見られたくもないからというのと。
間違ったことに謝れると言う事の証明として謝っておくわ。
――――――――――クーリアたちにも悪かったわね。」
「いえいえ、私の口から招いた出来事ですので誤解が解けて何よりでございます。
そう言うことであるのならここはお茶を淹れて落ち着きましょう。」
「アタイも手伝うのじゃ!!!
―――――――――お茶菓子のバームを切るのじゃ!!」
「あぁ!!それ私が切るよ!!!ユキシロがするといっつも自分だけ大きいヤツにするんだから。」
「えっと・・・2人は意外とタフだよね・・・うん。
だけどこうやってエリから謝られると何だかムズムズするね。」
「わ、私もその・・・つい頭に血が上っちゃったと言うか・・・
暴しちゃってごめんなさい。
だけどムクロはこういう事が多いのがそもそもいけないのよ??」
ヴァニスの言葉にエリエントやユリハは少し納得し・・・クーリアでさえも納得していたが、今回は自分たちの勘違い聞き違いによるものだったと素直に謝ると言ってユリハ達の謝罪を受け。
お茶とお茶菓子を運んできたレイ達とお茶をしながらこれから行われるイベントレイドボスの作戦会議が同時に始まった。
「イベントレイドボスですか・・・この類のイベントは私は参加できませんのでお留守番をしておきます。
ご主人様方のお話を楽しみに待っております。」
「よく見たらNPC等の参加に一定のアイテムの持ち込み禁止ってあるね。
これもキャレットが設定をしたのかな??ブラックアクアリーゼをレイドボス中に使われないようにするためにとか・・・かな??」
「あぁ、それは大いにあり得るな。
キャレットもこのグロリアを快適に動かす義務と言うのを感じている節があるからな。
だからイベント時には問題を出させないよう制限をかけているんだろうな。」
「だけどそのおかげで私たちはのびのびとイベントがプレイできるのなら感謝しないとだよね。
で、これからのイベントレイドボスに付いてちょこっと触れようと思うんだけど。
今回戦うレイドボスは特別戦闘フィールドで戦うヴェルヴァークグランドドラゴンって言われてるよ。」
「ヴェルヴァークドラゴン・・・中級層の一部地域にしかいない神聖なドラゴンの一種ね。
スペル攻撃に強く物理も同じように耐性のある面倒なドラゴンね。」
「それは厄介だな。
ユキシロにファムも参加できないとなると本当に手数が足りなくなってしまうし他のメンバーとの共同で戦うにしてもどれだけ連携できるかがカギという事だな。」
「そうね、ヘイトで誰かが集中させつつ横から攻撃を入れて弱点を露出させる作戦が有効的だけど誰が惹き付け役に適しているかよね。
そもそもその作戦は有効なのかどうかも怪しいのだけれど。」
クーリアの口に出したドラゴンの対策にムクロたちは再度アイテムや装備を見直し始め・・・リビングに戻るとすでに開始までわずかとなっておりこのまま作戦が決まらず動くことは危険だと知りつつもユリハ達の技量を再度確認するためとムクロは合えてうまく連携を取って戦う事を主にするとだけ語りそれを聞いてから不安を隠せないクーリアとヴァニスはフラフラとムクロたちの後を追いイベントフィールドへやって来ていた―――――――――――――
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