第571話 夏のレイドボスクエスト

――――――――――――――商店街



 昨日の話をしながら商店街の中にあるファミレスに入り食事をしながらさらに如水さんからの話をするも、食事をするまでに語った内容以上に詳細が書かれていなかったことを語りつつも悠一は最後に書かれていたことを今いる由里達に語った。



「如水さんから最後にこう書いてあった。

せっかくの夏休みに学生を巻き込むわけにはいかないからある程度まではこちらで対処すると言う事だ。

あと・・・もしブラックアクアリーゼを所有する者や所在が明らかになった場合はすぐに自分に連絡をすることだとも書いてある。」

「つまり・・・見つけ次第ある程度まで付き合ってもらうから覚悟しろと言う事ね。

如水さんらしいと言えばらしいのだけれど・・・」

「見たのなら知らんぷりはできないと言う事だな、了解した。

だがその心配もそこまでだろう・・・何せ私たちの向かう場所はキャンプ場なのだからな!!!」

「うんうん!!!綺麗な川と自然に囲まれた野生を解放する聖なる地・・・・

あぁ・・・早くキャンプ場に行きたいねぇ~~グフフ。」

「耀子・・・笑い方が変だけど大丈夫??

でもみんなでキャンプはグロリアと違ってすごくワクワクするね!!

私も今からでも待ちきれないよ。」

食事をしながら如水さんの話からキャンプの話に切り替わり。

数日後のキャンプでのワクワクを語り昼食を終えると今日のグロリアはどうするかという話にすぐに切り替わるや耀子はフッフッフと笑いながらイベントクエストの情報を公表した。



「ん?今回のイベントクエストはどういうクエストなんだ??」

「ヌッフッフ・・・それはねぇ~~~じゃじゃ~~~ん!!!

夏の暑さにも負けないくらい熱いイベントレイドボスが来るんだよ!!!

今夜あたりに来ると思うからそれまでホームで待機して、アナウンスが入り次第突入してバトルって言う流れになると思うんだけどどうかにゃ??」

「久しぶりのレイドボスイベントだね。

時限クエストでもなくて夏限定のレイドボス・・・・コレはラストキルにダメージボーナスで何かあるかもしれない感じかな??」

「きっと耀子もそのボーナス狙いで潜ろうとしているのだと思うわ。

そう言う事だけはピカイチだから。

だけどイベントなら人も多いだろうからそれなりに動かないと大変よ。

あのライザー率いるギルドも数にモノを言わせれば意外と面倒な相手ではあるし。」

「そうだな、着々とメンバーの増員育成をしているからな。

私たちももっと連携と息を合わせた動きをするように心掛けないといけないな。」

イベントクエストの内容に目を通したと感じた耀子はさらに何か裏があるのかチッチッチと指を立てて悪い顔をし始め・・・このイベントクエストには連続討伐ミッションが発生する可能性があると語り悠一たちは連続して大型のモブと戦うのかと耀子に問いかけるが耀子はお楽しみと言って情報を語らず秘密にし。

昼食を済ませた時点でやる事が無くなった悠一たちは参加するイベントレイドボスに参加するために早く解散することとなり各自は家に戻って行った。



「それじゃまた後で悠ちゃん。」

「あぁ、姉さんが来るのを待ってるから早く来てくれよ。

今回のイベントレイドボスもきっと盛り上がるだろうしさ?」

悠一は帰ると涼孤と別れ部屋に消えるとさっそくグロリアにログインしホームへ向かうと・・・そこにはソファーでだらんと伸びているアヤカの姿があった。



「どうしたんだ??いつもと違って疲れてるように見えるが・・・・」

「あぁ・・・その声はムクロね。

丁度いい所に戻ってきたわ、ちょっと昨日から全然寝ていないのよ。

だから悪いけど私を支えてベッドまで運んでくれるかしら??」

ムクロが戻ってきたことに対してレイが出迎えにこないことに違和感を感じずにムクロはアヤカに肩を貸してベッドまで連れて行くとアヤカはムクロがいることを忘れているのか服をバラバラと脱ぎだし・・・



「えっと、俺は何も見ていないから・・・ごゆっくり寝てくれ。

――――――――――――そ、それじゃ・・・・」

「ご主人様、何をなされているのですか??

私が買いものに出かけている際にアヤカをハムハムしてしまったのでしょうか??

この事をユリハ達に喋られたくなければ全てを綺麗に洗いざらい話すことをお勧めいたします。」

「のじゃ???どうかしたのかの???

はは~~ん、もしや主殿・・・またのかのぉ??」

「やったって・・・ムクロが何をやったのかユキシロは知ってるの!?

この状況を見ただけで何がわかったの!?ねぇねぇ教えて!!」

後方にいたユキシロは買い物袋を床に置いて腕を組みだしレイたちの見つめる中、ファムに説明し始めた。



「うむ、ズバリ主殿はアヤカと一緒につまみ食いをしておったのじゃろ!!」

「え、えぇぇえぇぇ!?そうなの!?つまみぐい常習犯はユキシロだけだと思ってたけどムクロとアヤカがやっていた事ってつまみ食いだったんだ・・・・」

「違います、2人とも話がややこしくなるのでその買い物袋を置いてジャカルゥの散歩に出も行って消えてください。」

「ゴクリ・・・・えぇっと・・・つまみ食いはしてないんだが。

アヤカがすごい眠たいとかで運んでただけなんだ。

それにアヤカの服は自分で脱ぎ捨てて俺は一切関与していないんだ。」

ムクロはレイにありのまま起こったことを正直に話すと、レイはアヤカの部屋に入り服を調べ・・・他に何も変わった様子はないかとさらに調べ上げ・・・・・



「そうですねご主人様の言っていた通りアヤカを寝かしつけただけでした。

本当にご主人様は人が良すぎるのでこう言うことになるのですよ?

この場合ですと私たちを待つなどしていただければよかったのです。

それでは誤解も解けましたのでお茶にでも致しましょう。

本日はいい茶葉が手に入ったのでそちらの方をお入れいたします。」

「あはは・・・・誤解が解けて何よりだ・・・・」

ムクロは変な汗を拭きとりレイの淹れるお茶を待ちつつ武器の手入れを始めていた。

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