第570話 アヤカの爆買い
―――――――――――――――ゴールドキャッツ
クーリアとキンの板挟みから早く解放されたいと感じたムクロはキンに自分の求めるアイテムと交換はできないかと要求すると。
キンは目の色を変えてクーリアを押しのけて詳しく尋ね・・・ムクロは使用したアイテムと調合用の素材一式を伝えるとキンは数が数だけにどうしようかと迷いだし最終的に目の前のポーションと再び巡り合う可能性の低さに負けムクロとの交渉を飲むことになった。
「ぶーぶームクロッちってばズルいよ~~リムドじゃなくてレアアイテムで交換するなんてさ・・・・
キン、私もコレとコレが欲しいから売ってよ。
友達割引で安くして置いてねん!!」
「ニャ・・・クーリア・・・この前もそう言ってニャから高いアイテムをぶんどるような形で買っていったのは覚えているかニャ??
そもそもコレも数が数で割引されるとニャが辛いのニャ・・・・」
「何をしているの、会計をパパっと済ませてどいてくれないかしら?
友人と言うのなら割引ではなく定価で買ってあげなさいよ。
私たちと今までクエストに出ていたのだからそれなりに報酬金の配当が出ているはずよね??」
「それもレアアイテムの収拾に使っていなければの話だろうがな。
クーリアも今回は言っていた話のぶんどりした代金を少しでも返せるよう定価で買ってやるといいさ。」
「私もコレとコレを下さい。
ん?どうしたの??何かあったの??」
ユリハは何かがあったのかと聞き尋ねると、全てを話そうとした金の口をクーリアは塞ぎ・・・代金を支払うから早く合計を出すように急かしていた。
「ニャ・・・えっと・・・合計で23400リムドニャ。
他に買うものがあればまた持ってきてニャ。
ショーケースの物が欲しい場合もニャを呼んでニャ。」
「はいはい・・・あぅぅ・・・ユリハに真相を知られずに済んで良かったけれど値引きが無かったのは痛い・・・
回復アイテムと調合分を仕入れるだけでそこそこの金額になっちゃったし。
またクエストでリムド集めしないと・・・ハァ~~~」
「それくらいクーリアのレアアイテムを幾つか売却すれば話が早いじゃない。
どれか手放すつもりはないのかしら??」
「クーリアのあの部屋は自慢コレクションの塊だからな。
どれも手放す気はないモノばかりだろうし言うだけ無駄かもな。」
「あぁ・・・レイちゃんもあの部屋は無闇に掃除ができないって言ってたくらいだもんね・・・・」
「そんな事よりアイテムは買った??回復アイテムと調合素材に弾の調合素材まで沢山あって目移りしちゃったけれど私はコレらを全部いただくわ。」
と、アヤカはカゴに沢山詰んだアイテムをキンに見せると。
キンはここまでの量を一度に買うプレイヤーは見たことが無いと驚くほどで、ムクロたちはアヤカに何を買ったのかと問うと。
言った通りに回復系統が2割で他8割は弾薬や素材の部類が殆どで詳しく語られても理解できないパーツが多く・・・アヤカが説明している間に会計が済み・・・・
「合計で23万5674リムドニャ。」
「それじゃ、はいコレで丁度ね。
さぁ~帰ったら新しい弾の調合とかしなくちゃ!!!
というわけで私はこのままホームに戻るけどムクロたちは解散するのよね??」
「あぁ、そろそろ寝ないと明日がまずいからな。
アヤカもほどほどにして体を労わった方がいいと思うんだが・・・・」
「その言葉をそっくりそののままムクロ自身に返すわよ。
と、言っても眠たくなってきたのは確かね・・・それじゃ私もコレで失礼するわね。
キンと言ったかしら??この店は他の店よりも人が少なくて落ち着いた雰囲気があるからまた足を運ばせてもらうわ。
―――――――――それじゃおやすみ。」
そう言ってアヤカとエリエントは先に店から出て行き・・・ムクロたちも買うものを買ったからとキンに挨拶をしてから店を出てログアウトしそのまま眠りにつくのであった。
―――――――――――そして翌日、前期最後の学校を済ませた悠一たちはいつものようにして放課後に待ち合わせる約束をして集まり商店街の方へ歩いていきながら昨晩の氷塊ピラミッドの件に進展があったことを話した。
「昨日の氷塊ピラミッドをキャレットたちが探索したところ・・・かなりの数の実験体と廃棄されたNPCの残骸と変質したモブが発見されたって言ってた。
生き残ったNPCたちは無事に回復して命令と服従系統のプログラムは削除されて今では本来の意志で行動しているだってさ。」
「そう・・・他にもたくさんの犠牲者が・・・・
だけど私たちはやれるだけのことをやり切ったんだよね。
全部は救えなかったけれど救えた命もあってよかった・・・本当に・・・」
「そうだな、全てがブラックアクアリーゼに汚染されたカタチにならなくて良かった。
もしもそのような場合だったら全ては実験体かサンプル体か悲惨な運命が待ち受けていただろうしな。
他に何か情報は来ていないのか??」
「例えばあの・・・巨大複合体のサソリの事とか。
あれだけ大きな物体とアバターですら簡単に融合させるだけのブラックアクアリーゼなのだからわかる範囲だけでも教えてもらわないと今後取り返しのつかない事が起こりうるかもしれないわよね。」
「ん~~例えばどんなの???」
耀子は考え付かないと言った表情を浮かべてコトハに尋ねると、コトハはため息をこぼし・・・・表情を変えGMに使用されたら?ととんでもないことを口走っていた。
「あぁ・・・うん、それはさすがに・・・ブラックアクアリーゼがGMに使用されたとして効果があるのならかなりヤバイね・・・そう言うことね・・・なるほどなうほど・・・・うん、理解したよ。
でもさ?GMにブラックアクアリーゼを使うにしてもさ??どうやってそこまで行くかだよね?」
「基本的なコトだが手順を追ってルート進行でGMの元まで行くのが手順なんだが。
それすらも簡単に攻略してしまいそうなのが今回出てきたブラックアクアリーゼなんだ。
別にGMに使わなくても自身に使うだけで今まで戦ってきたヤツたちの強さから言って相当なバフ状態にあると言っていい。
だから自身にブラックアクアリーゼを使用しGMの元まで一瞬で行けるとしたらって事だな。」
さらに悠一の言葉に耀子は空いた口が塞がらなくなって驚くと・・・涼孤たちは苦笑いをし、悠一に如水さんから他の言伝はないかと問うていた。
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