第569話 雑貨アイテムショップ:ゴールドキャッツ

―――――――――――――――ガヘリスの工房



 銃の試運転が完了したアヤカは気分よくムクロとガヘリスの工房へ戻るとガヘリスはミストやクーリアたちの武器をあっちへこっちへ見て微調整しつつ研磨し。

数分後ミストたちの武器の調整も終わり・・・余りの忙しさで伸びてしまったガヘリスを休憩させるためにそっとしておきムクロたちはメインの回復アイテムや使用したアイテムの補充をするためにアイテムショップが並ぶ商店街へと足を運ぶと・・・・



「ようクーリア!!いいアイテムは言ってるが買っていかないか??

そこの兄さんもこんな装飾品とかどうだい??」

「クーリア、この前の情報に何か不備があったらしいが大丈夫だったか??

何でも氷塊ピラミッドが一時的な封鎖状態になっているとか・・・・」

「あぁ、うん大丈夫大丈夫だよ・・・あはは。

あぁ~~この喋りたい気持ちをどうすればいいのさ!?

ムクロッち、ちょこっとも話しちゃだめだと思う??」

「ダメだろうな・・・キャレットのあぁ言っていたんだ。

ここは本部に迷惑をかけないよう口外しない事を守った方がいい。

それに今はアイテムを仕入れたい・・・どこかいい店はないのか??」

ムクロはクーリアの気を紛らわすために品揃えの多い店がこの近くにないのかと問うと。

クーリアは自信満々に胸をどんと叩き付けて走り出し・・・ムクロたちはその後を追って商店街を進むとクーリアは立ち止まっており同じように足を止めてこの店がそうなのかと問うとクーリアはグーサインを出して店の中に入って行った。



「雑貨アイテムショップ・・・ゴールドキャッツ・・・

す、すごい金ぴかで高そうなお店だけど・・・大丈夫なのかな??」

「クーリアが自信満々に連れてきたところだからきっと顔馴染みの店なんだろうな。

クーリアは先に入ったようだし俺たちも追いかけるとするか。」

クーリアを追いかけるべく少し怪しい色合いと看板に戸惑いながらも進み。

奥にいる猫耳を生やしたアバターと話すクーリアの姿が見え・・・ムクロたちは並べられたアイテムに目を配ることなく進みアバターに声をかけた。



「ん?この可愛いがクーリアの言ってたムクロかニャ??

ふむふむ・・・ニャンニャン・・・クンクン・・・さわさわ・・・

ニャほう・・・ニャンといい男じゃないか。

私のデータ観測スキルをもってしても観測できないなんて本当にオモシロイ・・・・

コホン、申し遅れたニャ・・・ニャはこのゴールドキャッツのオーナーでありプレイヤーの金猫獅キンビョウシにゃ。

気軽にねこちゃんでもキンちゃんでも好きに呼んで。

で、ユーたちは何を求めてここに来たのかニャ??」

「えっと、回復アイテム全般と調合用アイテムを買いに来ました。

あ・・私はユリハです。

ムクロ君とクーリアの知り合いで・・・・」

「そんなにかしこまらくてもいいよ。

キンは誰にでもフレンドリーに接して欲しいキャラだからさ。

というわけでキン、アイテムの方はある??」

ユリハに続いてミストたちも自己紹介を済ませるとキンは了解と言ってレバーをガシャコンと下ろすと。

店の中で急に機械音が響き・・・店内の一部がガコンと回転してアイテムが切り替わりショーケースや棚には回復アイテムや調合用の素材までがずらりと並んでおりキンは好きなだけ見てくれと言ってフカフカのクッションに身をゆだねていた。



「こんなにたくさんのアイテムがあるんだね。

これとか一般のアイテムじゃないよね??

これも回復効果の高いポーションだし・・・・クーリアはいつキンちゃんと知り合ったの??」

「んえ??キンと知り合ったきっかけ??

そだねぇ・・・私がこの前ソロでレアアイテムの収拾に出かけてた時にモブに襲われてたキンを助けたのがきっかけかな??」

「へぇ~それでキンはクーリアからアイテムを取られたりしなかったかしら??

クーリアは見返りを求めちゃうタイプだから高価なものを取ってなかったら良いのだけれど。」

「うむ、それはあるかもしれないな。」

2人の言葉にクーリアは黙っておられず何も受け取ってもいなければ見返り欲しさに助けたわけじゃないと語り。

ムクロのように振舞いたかったと恥ずかしそうにつぶやき・・・一部始終を聞いていたキンは笑いを我慢できず吹き出し・・・・



「ニャハハハハ!!!そうそう・・・ニャはあの時、アイテムに目が暗みモブが近づいているの気が付かなくって・・・困っていたところをクーリアが助けに来てくれて・・・一緒にレアアイテムの探索をしたのニャ。」

「あぁ・・・通りでアイテムを受け取らなかったわけね。

アイテムリザルトを確実にするために協力したって事ね・・・そう考えると現実的に動くクーリアのやり方よね。」

「まさかクーリアがそこまで考えていたなんて・・・・

高貴な私でもそこまでの事はできないわよ。」

「それがクーリアだからな・・・サガというものだろう。

で、その後・・・初心者の集まるこの街で店を営んでいたと知って今に至ると言う事か。

何と言うのか・・・どういう縁で繋がるかわからないモノだな。

だがこうしてアイテムを見ているとどれも他では手に入らないモノが多いが仕入れるルートはどうなっているのだ??」

ミストの問いにキンはぴくぴくッと猫耳を動かし、中級層以上のプレイヤーから交換や売買をして受け取っていると語り。

そっとムクロに近づいたキンは耳元で何か良いアイテムを持っていないかと問うていた。



「ニャニャン♪ムクロはニャの観測に引っかからない程のステータスを持っていると言う事は上級層のプレイヤーで間違いはないと思うのだけれど。

何か交換できるアイテムとか持ってないかニャ???

武器防具の製作素材から回復アイテム系統まで何でもOKニャ!!!」

「ん~そうだなぁ・・・今の手持ちだと高級ポーション2本と瞬間MPリバースポーションが3本くらいしかないな。」

「んげぁッ!?それって上級層の素材で作れるポーションだよね!?

ゴクリ・・・ムクロッちぃ・・・そのアイテムゥ・・・私にくれない??」

「始まったなクーリアの悪い癖だ。

高価なアイテムを目に入れた途端に豹変するアレはどうにかならないのか??」

「どうにもならないわよ、あれは病気のようなモノだと思うから。」

「それより私たちは足りないアイテムを見ておきましょ。

あの中に巻き込まれると面倒よきっと。」

「アヤカさんの言ってることに賛成・・・・

私もあのケモノ耳グループにはちょっと入りたくないかな・・・

高貴な私としてはあれくらいのポーションはお金を出せば幾らでも買えるのだけれどね!!!」

「あはは・・・2人とも高級なアイテムには目がないんだね・・・」

キンとクーリアはムクロの高級ポーションをどんな手を使ってでも入手しようとしており・・・ミストたちは巻き込まれたくないと自分たちは自分たちの必要なアイテムを買おうと言ってバラバラになり。

ムクロは2人の板挟みにあい買い物ができない状態であった。

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