第530話 2人対2頭
―――――――――――――――――熱帯雨林フィールド
ムクロたちがエリエントの転移スペルによって移動した場所からクーリアのいる場所へ集合すると。
クーリアは高笑いと共にブイサインをして喜びまだかまだかとドロップアイテムのカーソルを待ち遠しくしており。
サマーグリフォンの全身が完全に崩れ去ると同時にリザルト画面が現れ・・・ムクロたちも同じように確認することとなった――――――――
「よっしゃい!!!ラスキルの枠にイベント交換用のアイテムがゴロゴロだよ!!
ここからはラストキルは取り合いって言うことで・・・大丈夫だよ!!!
あぁ~~私のジャカルゥをどんな風に着飾ってあげよっかなぁ~~ムフフ・・・」
「何だかすごくうれしそうね。
まさかクーリアが石化のスペルを使えるとは思ってもみなかったわ。
だけど私の方にも交換用アイテムが来ているって言うことは特別ラストキルにこだわる必要はないと言う事が確定されたわね。」
「あはは・・・クーリアに悪いけど私も5個ドロップしたよ。」
「俺は部位破壊報酬とダメージボーナスで24個落ちてるな。」
「アタイも少ないがポロポロと出ておるのじゃ。」
「私も数個落ちてる!!あとサマーグリフォンの食材も落ちるんだ!!!
これは大量確保しておかないとだね!!!」
「ユキシロたち2人は交換用のアイテムよりも食材アイテムの確保に夢中になってるが・・・このイベントでは戦闘に参加したプレイヤー達には交換用素材が貢献した度合いによって比例するらしいからこれからの戦いもどんどん力を見せて素材の確保をしないとだな。」
「そ、そうね・・・・うわぁ・・・素材が1個しか落ちてないなんて言えない・・・・」
「ん?どうしたのヴァニス??顔色が悪いわよ??」
アヤカの声にビクッとしたのかヴァニスは慌ててアイテムストレージの画面を閉じてなんでもないと言ってムクロたちの方へ向かうと。
クーリアはラストキル枠の価値があまりないと言う事に腹を立てて数を狩る事を提案しサマーグリフォンを求めて先に進み始めていた――――――――
「んもう・・・ラストキル枠にアイテムの偏りがあるとか言ってたのは嘘だったの・・・今度あの掲示板と情報を扱ったアイツらに目にモノを見せて・・・・
ん?ヴァニス??どうしたのさ??ヴァニスも交換用の素材が欲しくて来たの??」
「え、あ・・・うん・・・ちょっとムクロたちと一緒だとあんまり目立たないと言うか戦えてないからクーリアと一緒だと前衛に出るチャンスがあるんじゃないかなって思って付いてきちゃったの。
――――――――――その~一緒に行ってもいいかしら??」
ヴァニスの話の内容に共感したのかクーリアはヴァニスの手を掴んで頷きながら納得し。
ムクロがいっつも目立って報酬を搔っ攫っていく等とブツブツ呟いて進んでいくと・・・・目の前にサマーグリフォンのツガイが現れ、クーリアはヴァニスにサマーグリフォンと戦うかどうかという話をし始め。
ヴァニスはここで逃げてムクロたちにカッコ悪い所は見せられないと覚悟を決めて戦おうと表明するとクーリアはグーサインを出して援護するから前衛は任せたと言うと。
ヴァニスは剣を強く握り込み・・・サマーグリフォンへと攻撃を開始した。
「私もみんなみたいに戦えるんだから!!!
こんなグリフォンくらい・・・やっつけてやる!!!
―――――――――――スティールスラッシュ!!!」
「いいよヴァニス!!!その調子で!!!
私はその横にいる・・・ん?あれ??どこ行った!?
うげッ・・・ヴァニス!!!上!!上にオスのサマーグリフォンが飛んでったから気を付けて!!!何かスキルを使って来るかもだから!!!」
「グギエェエェェエエェェ!!!!!!」
オスのサマーグリフォンが鳴き声を発した次の瞬間・・・・空から無数の隕石のような物体が降り注ぎ始め。
クーリアはシールドを貼って防御していたが・・・無防備だったヴァニスはその攻撃の回避が間に合わず、攻撃に呑まれていた。
「ぐッ・・・・・いたた・・・・くッ・・・こんなところで・・・・またこんなところで私は・・・・」
「ギギャァアァアァァアァァアァァ!!!!!」
「トドメはまだ待ってもらえるか??ゼアァアアァァッ!!!!
ヴァニス・・・それにクーリア・・・無事か??」
「む、ムクロッちィ!!!本当にナイスタイミングだよ!!!
このオスのサマーグリフォンが急に消えたと思ったらいきなりスキルでメテオ的なものを降らしてくるんだもん・・・」
「はぁはぁ・・・えぇ!?なにこれ・・・この穴はどうなってるの!?」
「きっとあの空を飛んでるサマーグリフォンのスキルか何かね。
ヴァニスは負傷している様だけどムクロがカバーしたおかげで命拾いしたみたい。」
「それは良かった。
それじゃここは私たちも前に出て共に・・・・・・」
「ちょっと待って。
こんなことを急に語ると変かもしれないけど。
ここはヴァニス達にやらせてあげてくれないかしら?
きっと・・・ヴァニスも私たちの手を借りずに戦いたいと思ってるはずよ。」
アヤカの言葉にムクロはヴァニスに直接訪ねると、ヴァニスはコクリと頷き・・・
ムクロは負傷したヴァニスに即時回復ポーションを与えてからユリハ達の方へ歩いて戻ると。
ヴァニスの体力が半分程度まで回復した状態で立ち上がりムクロたちにこれからの戦いはクーリアと2人でやると断言し。
ムクロたちは離れた場所から2人の戦いを観察することにした。
「あうぅぅぅ・・・・ヴァニスってこんな熱血系だっけ??
私の知ってるヴァニスはもっとか弱い様に思っていたんだけど・・・・」
「だからよ!!!だから私はそんな自分を捨てたいからここで生まれ変わりたいの!!!
できるだけ自分の手で勝利を掴みたいの!!だから私たちが戦いだしたことにムクロたちを撒き込めないでしょ。
だから・・・この戦いは私たちで勝利を掴むわよ!!!」
「ヴァニスってあんな顔ができたのね。
いつもは人の目を気にして意見を合わせて言いなりになってたのに。
これもムクロの影響かしら??」
「いや、今回の件だとアヤカが言ってた言葉がトリガーじゃないか?
最近ヴァニスは俺よりもアヤカと一緒にいる事が多いしさ。
時々一緒にクエストに行ってたりするだろ?だからじゃないか。」
ムクロたちが語る中、弱さを捨てやる気になったヴァニスに自分も負けていられないとクーリアも杖を強く握りしめ自慢のウサミミを手入れして気合を入れ。
2人と2頭のサマーグリフォンとの激しい戦いが始まった―――――――――
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