第529話 配慮した攻撃方法

―――――――――――――――――熱帯雨林フィールド



 サマーグリフォンの討伐を目的にやって来たサマーイバンとの特別フィールドは高い木々があちらこちらに生えているジャングルフィールドで。

見えない彼方からは猛獣のような雄たけびが聞こえており・・・これからどのルートでサマーグリフォンを狙うのかと言う話し合いとなった。



「このマップからすると移動エリアは限定されてるみたいだしぐるっと回ってみたらいいんじゃないかな?

情報の限りだと色んな所でサマーグリフォンを見かけたとか戦ったって言うのも聞いてるし。」

「それなら特別急がなくても大丈夫だな。

それじゃ適度にモブを求めて移動でもするか・・・他に面白そうなモブがいるかもしれないしな。」

「うむ!!!アタイは美味い肉のドロップするモブが来て欲しいのじゃ!!

ドラゴン種の肉も中々の美味でちょっと癖になりつつあるのじゃ。」

「うん、この前食べたあのドラゴン肉は美味しかったよね。

でも私は甘いものでもいいからまたハチミツ?みたいに甘いものがドロップしてくれると嬉しいかも。」

「2人はまた食べ物の話なのね。

もう少し緊張感と自分たちの装備をどうこうしたいとかないのかしら??

本当にこの先クリアを目指すにあたって不安しかないわね。」

「だが、コレくらい余裕があった方が私たちも緊張せずにやれていいんじゃないか?

やる時にはやる・・・それが私たちの持ち味でいい所だからな。」

「だけど逆に言えばそれが弱点でもあるから敵に狙われやすいのよね。

でもちょっとはスリルがあった方が楽しいし私は構わないわよ。

どんな状況でも楽しければね。」

「そうだね、それに話してる間に言ってたサマーグリフォンのようなモブがいるよ。

まだあっちは気づいていないみたいだけど・・・・アレがサマーグリフォン??」

ユリハたちは木々に隠れながらクーリアに問うと、即答でサマーグリフォンと答え。

クーリアは杖を取り出して戦うジェスチャーをすると。

先にユキシロとファムが飛び出し不意打ちからの先制攻撃を叩き込んだ。



「あ、ちょッ!?私がラストキルするんだから忘れないでよね!?

2人はモブが目の前に現れると見境が無くなるのってやっぱりムクロッちの教育が悪いんじゃない??」

「え、俺か?特にそう言った風には教えていないんだが・・・・

状況に合わせて臨機応変に攻撃っていつも言ってるんだがな。」

「状況に合わせて臨機応変に・・・ねぇ。

それはムクロが一番できていないように思えるのだけれど。

きっと2人はムクロのように戦えば臨機応変にしていると勘違いしているのかもしれないわね。

だから先に飛び出して攻撃を仕掛けたのかもしれないわ。」

「そんなこと言ってないで早く援護に向かわないと!!

何だかサマーグリフォンが赤くなってきてるよ!?」

「きっと体力が半分を切ったからスキルを使ったのだろうな。

真上の内容にも負けないくらいの赤さだな・・・・」

「ぬぐぅぅ・・・急に赤くなりおったのじゃ。

ファムよ主殿の言ってた臨機応変にを今こそ発動なのじゃ!!!」

「え!?今さっきまでは何だったの!?

けど・・・うん!!もっと臨機応変にしないと大変かもね!!!」

「うっわ・・・・最後尾からやっと到着したけどどうなってんの??

私、これからあんなのと戦うの??洞窟城に引篭もろうかしら・・・」

「ヴァニス遅かったわね。

現状を伝えるとファムとユキシロが先制攻撃を仕掛けて怒ったサマーグリフォンがスキルを使ってる状態よ・・・わかった?わかったのならムクロたちの方まで走って行きなさい。

――――――――――これも含めて全部が経験よ!!」

後方にいたアヤカのスタンバイする場所にやっとムクロたちに追いついたとヴァニスが現れると。

アヤカはオドオドとするヴァニスに活を入れて走らせて向かわせるとサマーグリフォンは地上にいたムクロたち目掛け体から火を上げながら突撃して攻撃を仕掛けていた。



「ユリハ、これからヤツに同時攻撃を仕掛けてサマーグリフォンを止める予定だが手を貸してくれないか??」

「ま、任せて!!ムクロ君の頼みは断らないのは知ってるでしょ?

それじゃ・・・・やっちゃおっか!!!」

「ちょっと!?2人もやる気になるのはいいけどさ?マジでラストキルを頂戴よ!!

そう言う契約だったでしょ!!!約束守れぇぇ~~~~~~」

「そんなに大きな声で怒鳴っているよりも行動してラストキルを自分から奪ってみたらどうなの??

それとも自分からじゃなんにもできない臆病者になったのかしら??」

「主殿の方にサマーグリフォンが行ってしまったのじゃ!!

早くアタイたちも追いかけるのじゃ!!!」

「そうだね!!!それにムクロたちがサマーグリフォンに向かってるってことは止める気だね!!私たちも後方から支援しよう!!!」

「それじゃヴァニスも走って来ている事だし私も前に出ないとだな!!」

「べ、別に戦いたくて来たわけじゃないわよ!?

私の事を気遣ったのかただ傍観したいだけなのかアヤカが戦って来いって言うから・・・・あぁもう!?どうなっても知らないからね!!!私こう見えて戦いは得意じゃないんだからねッ!!!」

ヴァニス達もムクロの後方から付いて向かい、エリエントに言われ頭にきたクーリアはファムの件で少し足がすくんだ様であったが・・・ファムのあの時交わした約束と自分自身を変えるべくしてクーリアは魔法をチャージし始め。

サマーグリフォンにスキができるまで機会を待つことにしていると、ムクロたちとサマーグリフォンが衝突していた――――――――――



「グギエェエェエェェェェェ!!!!!!」

「ユリハ!!!大丈夫か??ぐぅ・・・・そこそこにパワーの乗った衝突だったな・・・・」

「私の方は大丈夫だよ!!!ダメージも受けてないよ!!!」

「それだったら追撃は任せてくれ!!!

ヴァニス!!!ここでムクロやアヤカたちに良い所を見せないとだな!!!

――――――――――そらッ!!!アークブレイクツーッ!!!」

「新しいアークブレイクのスキル!?

いつの間にそんなスキルを開発したのよ!!!ミストの裏切り者ぉ!

私なんてまだまだセカンドスキルなんてできてないのにいい所全部ミストの独り占めじゃないの!!!

――――――――――だったら私がこのまま根こそぎ体力を奪って・・・・」

「そうはさせないんだなぁ!!!エリ!!!悪いけどみんなをちょいとだけ転移させてッ!!!からサ!!!」

「本当にクーリアは・・・私がいなかったらどうするつもりだったのかしら??

だけど・・・フフ、私をこき使うほどじゃないとこの先はやっていけないものね。

――――――――アレから少しだけ進歩かしら??」

エリエントはムクロたちを転移スペルで少し離れた場所に転移させると、次に見たムクロたちの目の前に広がっていた光景は・・・クーリアの魔法によってサマーグリフォンが完全に石化し体力バーを失わせている状態であった―――――――

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