第520話 クーリアの失踪・・・
―――――――――――――プライベートホーム
昆虫モブとの戦闘中でのアクシデントから戻ってきたムクロたちはすぐさまファムの凍結状態を解除し部屋に寝かせると、エリエントは事の張本人であるクーリアの耳を引っ張りながら話を聞いていた。
「で、どうしてフェムがいるのにあんなスペルを使ったのよ・・・
ダメージはなかったからよかったけれどクーリアはどう思ってるのかしら??」
「いや、その・・・悪いと思ってるよ。
ついカッとなっちゃってファムがいることを忘れて撃っちゃったんだ。
本当に悪いと思ってるよ!!だけど・・・ファムは許してくれるかな・・・」
「それは直接本人に謝って聞くしかないだろうな。
だが今は眠っている状態だからそっとしておくのがいいだろう。
中でユキシロとレイが見ているから気が付いたら連絡が来ると思うしそれまで待機だな。」
「大丈夫かな・・・ファム・・・凍結状態になって回復させても意識が戻らないなんて・・・・」
「きっとNPCには凍結状態に弱いタイプがいるんだろうな。
クーリアも自分の責任をコレ以上にないくらいに感じてるんだし・・・クーリアはファムの意識が戻り次第ちゃんと言う事を言うんだぞ?」
そう言ってムクロは台所へ向かいお茶を淹れて戻って来ると、ユリハ達に手渡しクーリアにも手渡すと・・・渡したと同時にクーリアは泣き出していた。
「うわぁぁん・・・どうしよう・・・ファムがこのまま眠ったままになっちゃったらどうしよう・・・・ムクロッちはどうにかできたりしないの??」
「クーリア・・・・ムクロは神様じゃないから何でもはできないんだ。
だからファムが意識を取り戻すまで私たちが諦めては駄目だ。
ほら、ムクロの淹れてくれたお茶でも飲んで一息入れよう。」
ミストたちの対応にクーリアは涙を拭いてからというもの・・・お茶を飲んでからは一言もしゃべらずに顔を隠す形で座っており。
お茶を飲み終わってから数十分後・・・・
「のじゃ!!!ファムが目覚めたのじゃ!!!」
「静かにしてください、ご主人様・・・ファムが意識を戻されたのでご報告いたします。
それとファムがクーリアとお話がしたいと・・・・」
「うん、わかってる・・・どんなことを言われても私は大丈夫。
だって私がファムをあんな目にさせちゃったんだから・・・・ちょっとガツンと言われてくるね。」
「あぁ、武運を祈る。」
「きっとクーリアの伝えたい気持ちをちゃんと話せばわかってくれると思うよ。」
「そうね・・・このままモヤモヤした空気は嫌だから。
―――――――――――早めに決着をつけてきなさい。
な、泣かされたら今日くらいは付きあってあげるわよ・・・・」
全員に見送られながらユキシロたちと交代したクーリアはファムの部屋に入り・・・それから数分が立ち――――――――
「ぬぅ・・・話にしてはちと長くないかのぉ??
盗み聞きをする気はないのじゃが・・・ちょこっと中を覗いてみた方がよいのではないか??
―――――――――何かしらの事件があったなら最悪なのじゃ・・・・」
「きっと大丈夫だよ。
長い話をするのは女性の特権だよ?だからきっと2人で積もりに積もった話をして分かり合っているんだと思う。
だからもう少しだけ待ってよ。
あ、そうだ!!ユキシロたちにパンケーキを作ってあげる約束だったね。
これから作ってきてあげるよ!!疲れた時には甘いものっていうから。」
「それじゃ私は武器の調整をしにガヘリスの店に顔を出してくるとしよう。
ファムに何か元気の出る土産も見たいしな。」
「それじゃ俺も・・・・・」
「ムクロはここにいた方がいいわ。
何かがあった場合に止められるのはムクロだと思うから。
それに・・・きっと次にファムが合いたいと願うのはムクロかもしれないじゃない?」
とエリエントが話していると、ファムの部屋からクーリアが戻って来ると次にムクロが呼ばれてると言われ。
ムクロはエリエントのどや顔を見てからクーリアとチェンジして部屋の中に入った。
「さっきは大変な目に合ったな。
全身が氷漬けになるなんて今まで生きてきて想像して無かったんじゃないか??」
「あはは、そうだね・・・うん、その通りかも。
でね・・・さっき気が付いてからクーリアとお話ししてクーリアの件で怒ってないって伝えたんだけどクーリアは泣きながら謝ってた・・・すごく辛く感じてるのはクーリアだから私よりもクーリアに優しくしてあげて。
私は美味しいものを食べたらすぐ元気になると思うから。
だから・・・早くクーリアの所に行ってあげて。」
「話してるところ悪いのだけれど、クーリアがホームを飛び出してどこかに行ったから探しに向かうのを手伝ってくれないかしら??
―――――――――――ファムはまだ完全じゃないと思うからここに残っていて構わないわ。」
エリエントの話によると、クーリアから話を聞いた時点で全てが解決したと思っていたがクーリアの罪の意識は想像よりも深くエリエントの質問を返すことなく外に出てくると言ってホームを飛び出して行ったと言う事から急遽クーリアの追跡が始まった。
「それじゃ私とユリハは街の方を探すからユキシロとムクロたちは街の外側のフィールドに出ていないか調べてみてくれるかしら?
何かあればチャットで連絡し合いましょ。」
「了解なのじゃ!!それじゃ主殿すぐに出発するのじゃ!!!」
「そうだな・・・ユリハ達も無理はせずに探してくれ。
こっちはこっちでクーリアの行きそうなフィールドを探してみる。」
「うん!!ムクロ君も頑張りすぎないでね。
―――――――――それじゃ・・・・また後で。」
ユリハとエリエントは街の中心部や情報交換の場に向かうと言って消え・・・ユキシロとムクロはフィールドに出る前に準備をしてから街のフィールド出入り口付近で一番近くの狩場をポイントを目印に移動を開始した。
「にしてもクーリアはどうしてホームを飛び出したのじゃ??
ファムに許してもらえたのならそれで終わりじゃないのかのぉ??」
「まぁそうだな・・・けどクーリアはそう言うところじゃ繊細なんだろうな。
友達思いだからな・・・だから余計に自分のしたことに罪悪感を感じて飛び出したんだと思う。
だから俺たちはどんなことがあってもクーリアを見つけて連れ戻さないとな。
ポイントに到着したものの・・・・辺りにはプレイヤーたちだけか。
それじゃ次のポイントを目指して移動開始だ。」
ムクロたちは狩場にいなかったとユリハ達にチャットを送ると、ユリハ達の方も今の所手掛かりは見つかっていないと返事が返って来ており。
次に情報交換の場へ行ってみるとユリハ達が語ると、ムクロはその情報交換をしているモノからクーリアの現在の居場所を調べられないかと聞いてみるようにだけ伝え・・・・ムクロたちも次の狩場へと移動を開始した―――――――――
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