第512話 ユリハ達からの逃走・・・
―――――――――――――――始まりの都:ポータル前
スイカを食べ終えてイベントを無事にクリアしたムクロたちは普段の服に着替えて都のポータル前に戻ると、そこでちょうどユリハ達の影を見つけ。
ムクロはレイ達に動かないよう手を握って動きを止めると・・・・ムクロの目の先にいるユリハ達に合わせて状況の把握をし、ムクロの指示を仰いだ。
「ご主人様、出ていかれなくていいので??
このままコソコソと隠れている方が見つかった時に怒られる度合いが増すと予想されますが。」
「うむ、アタイもコソコソと隠れているよりもユリハ達と合流したらいいと思うのじゃ。
どうして主殿はユリハ達を避けるのじゃ??」
「いや、避けてると言うか・・・・もしもこの状況が知られたらまた同じクエストに行く羽目になったりとか問題が起こりそうでさ・・・・あはは。
それに・・・こうやってユリハ達と連絡をせずにログインをしていること時点でクーリアやエリに何て言われるか・・・・」
「あぁ~~それは・・・うん・・・すっごく聞かれそうだね。
あの2人ならそうだけど・・・アヤカたちなら聞き分けがよさそうだけど??
ユリハやミストだとちょっとだけ怒るかもしれないけど聞いてくれるんじゃない??」
ファムの言葉に同意したかったムクロであったが目の前でキョロキョロと誰かを探す仕草をしているユリハ達の事から紛れもなく自分たちを探していると感じ取ったムクロはこのまま出て行けば間違いなくその場でお怒りを受けてしまうだろうとレイ達に頼みごとをコソコソと伝えた。
「ふむふむ・・・ではご主人様は最後の方にお戻りください。
私たちが同時に戻ると怪しまれると言うのでしたらご協力いたしますが。
相手はユリハ達と強敵揃いと言う事をお忘れなく。
出は私は始めに戻らせていただきます。」
「あぁ・・・頼む。
ユキシロたちはレイの帰った後に連絡を受け次第戻ってくれたらいい。
俺はその最後に戻るから。」
「わかったのじゃ!!!アタイたちはレイレイの次に戻ればよいのじゃな。
じゃったらファム!!!近くにある立ち食い店で腹ごしらえするのじゃ!!!」
「あぁッ!?ちょっと!!!目立つ行動はしちゃだめだって言われたよね!?
ん~~もう・・・ユキシロが誰かと出会わないか心配だから後を追いかけるけど心配しないで!!ちょっと待ってよぉ~~~ユキシロぉ~~~」
そう言ってこの場にいたモノ達はムクロから離れており・・・・残ったムクロはこのままここにいてもしょうがないと通いなれたマスターのいる喫茶店で時間を潰すことにし立ち寄った。
「よぉ、今日はまた誰もいないのか?」
「いや、目の前にとびっきりの《《カモ))が大金しょってきたから問題なしだ。
で・・・今日はあのエリエントは一緒じゃないのか??
お前のベストパートナーだったろ?」
マスターは何も注文をしていないムクロの前に言われるであろうカフェオレを作っておきながら問うと。
ムクロはそれを飲む前にため息をこぼし・・・カフェオレに口を付けた後に事情を説明した。
「と、いう事でココに逃げて来たってわけだ。
だがそれももうすぐで終わりだ・・・・ユキシロたちはそろそろ戻った頃かな。」
「ムクロはソロの時からここに来てるが・・・・だいぶ変わったよな。
ソロでの活動を止めて仲間たちとの和気あいあいってか。
時間が流れるとこうも変わるもんかねぇ。」
マスターのぼやいた内容にムクロは今までここに来ていた頃の事を思い出しながらカフェオレを飲んでいると。
後方から《《とある))声が聞こえてきた。
「フフ、あらあら・・・・どうしてこんなところにいるのかしら??
―――――――――――ムクロ・・・・・」
「あはは・・・・・よぉ・・・エリ・・・・どうしたんだ??ここのコーヒーでも飲みに来たのか??」
「こりゃ・・・ひと嵐が来そうだな・・・・
エリエントはかなりご立腹のように思えるが・・・本当にムクロはエリエントに何をしたんだ??」
ムクロはマスターとコソコソとエリエントについて話していると、エリエントはムクロの隣の席に座り・・・「いつもの」という注文をマスターに入れて仕事に向かわせ。
先ほどまでマスターと話していた空気が嘘のように無言の無の空間が広がっており・・・・ムクロが口を開く前にエリエントが先に口を開いて問いかけた。
「ねぇ・・・ムクロは本当はここに何しに来たの??
ハッキリとウソ偽りなく正直に正々堂々と話してくれると私は手を出さずに済みそうなのだけれど・・・・どうかしら??それとも私の問いに答えられない重要で深刻な内容なのかしら??ホラ・・・・目を見て答えてよ。」
「あはは・・・・えっと・・・ま、マスターお会計・・・・」
ムクロはその場から逃げようとテーブルに手を突くと、エリエントはその手を上から自身の手を叩きつけて逃がさないようにしており。
ムクロは会計を取り下げて椅子に再び腰かけて座ると・・・・覚悟を決めてエリエントに真実を話した。
「へぇ・・・そんなイベントフィールドがあったと言う事を秘密にしてレイ達とだけでキャッキャウフフと楽しんでいたわけね。
本当にそれだけなのかしら??それ以外の出来事は何も起こってないのかしら??」
「それは・・・まぁ・・・うん、起こってない・・・」
「はいよお待ちどう・・・・いつものだ。
エリエントもあんまりムクロを虐めてやんなよ?
こう見えてムクロは結構繊細な男なんだ・・・それに男って言うのはいくつか秘密があった方が魅力的だろ??」
マスターはムクロに助け舟と思って言い放つが・・・レイの冷めた眼差しと口調に入って来るなと言うワードに即時ライフがゼロとなっており。
エリエントはコーヒーに口を付けて一口飲み呟いた。
「もしもその話が嘘だったのなら・・・本当に私はムクロにスペルでフレンドリーファイアになろうとも攻撃するから覚悟しておくことね。
さぁ・・・今回の支払いはこれで足りるかしら??ねぇマスター??」
「あぁ・・・・どうも。
おいムクロ・・・・俺に感謝の気持ちがあんのならヨォ・・・少しはチップくらい弾んでけよ。」
「そうだな、今回はある程度助かった・・・
――――――――これで許してくれ、それじゃご馳走さん。」
マスターにチップの飲み食いの料金を支払うと、エリエントはムクロを監視しつつプライベートホームへ向かっていくのであった―――――――
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