第504話 墓場ステージ:クリア
――――――――――――――――イベントフィールド:墓地ステージ
アルヤフムとの激戦は数名の負傷者を出したものの何とか全員の協力で倒し切ることに成功したのだが・・・・アルヤフムの体が崩壊していく中、ムクロたちは引き返して下りようと振り返ると登って来ていた結晶や足場が全て消え落ちており。
ムクロとユリハはどうするべきかと近くに寄り添いながら考えていた。
「ねぇ・・・ここまで来て倒したのはいいのだけれど・・・・コレからどうやって下りるの??」
「あはは・・・まさか先に足場が全部消えるとは思わなかった。
ん~この場合だと・・・よいしょっと。
ユリハ少しだけ我慢してくれよ。」
そう言ってムクロはユリハを抱き抱え、ひび割れて崩れ落ちていくアルヤフムの腕に飛び移り・・・さらに飛び移った反動で崩壊していく腕から飛び出し一気に地面へ叩きつけられるような形で地上へ戻って来ていた。
「いたたたた・・・ん・・・ムクロ君!?大丈夫!?ムクロ君!!
――――――――ねぇ大丈夫!?ムクロ君!!!」
「何とか大丈夫・・・・かな・・・・背中をうって痛いけどユリハが無事ならそれでよかった。」
「ちょっと主殿、いい雰囲気の所を悪いのじゃが強制的にアタイが運ばせてもらうのじゃ。」
「ユリハもすぐに移動した方がいい。
このアルヤフムがこっちに崩れ落ちて来ているんだ。
―――――――――さぁすぐに退避だ!!!」
「ふぅ・・・何とかアルヤフムを倒し切って何よりだね。
で、クーリアたちは大丈夫???」
「ファム??あ、うん・・・レイのバンテージぐるぐる巻きで何とか大丈夫っぽい。
いや、これじゃ私のキュートな耳とか尻尾とか見えないよね!?
感じ的にはミイラじゃん!!!」
「それだけギャーギャーと騒ぐ力があるのであれば治療の必要はなかったかもしれませんね。
ですが・・・あのアルヤフムを倒したのにもかかわらずクリア画面が出てこないとなると本命はまた別の相手という事になりそうでございますね。」
「そうね・・・・だけどまずはこのアルヤフムのレアモブを倒したことの喜びを味わっていいと思うわ。
何せ正真正銘のイレギュラー中のイレギュラーモブだったのだから。」
「だけど今回は遠距離にもかかわらずこうして攻撃されちゃったとなると少し考え物よね。
逃げ道がない場所で固定砲台になった私たちに非があるとしたとしても改善するところは多々ありっと・・・・でも本当にこの戦いは疲れたわ。
だから私も少しだけ休憩させてもらうわね。」
アヤカたちは崩れ落ちるアルヤフムを一目見てからごろんと転がって休憩に入り。
その間にミストやユキシロたちはクーリアたちのいる付近まで移動し・・・テントの張れそうな場所でテントを張り本格的な治療が始まった。
「ご主人様、動かないでください。
痛いのは分かりますがそう動かれては治療に時間がかかります。
ですから男ならばグッと我慢して私に全てをお任せください。」
「えっと・・・その・・・軟膏を塗ってくれるのは助かるんだが・・・・その手のワキワキは止めてくれないか??」
「イデデデデ!!!ユキシロ!!!包帯が締まってる締まってる!?
あうぅぅ~~~あたしの耳がギチギチだよぉ・・・・」
「私はみんなの為に料理でもつくろっかな!!!
ファムたちは肉のローストがいい??」
「うん!!!ユリハもとうとう私たちが何を食べたいのか理解してくれたようで私とユキシロはとても嬉しいよ。
あとは肉の種類!!!そう・・・・ムクロの愛したリザードマンのお肉なんてあれば最高だよ!!!」
「けが人の食べるものではないと思うのだが・・・・だが、こうして皆が無事で何よりだ。
私はそこまで力に慣れたかと言うと辛い所だがな。」
「そんな事ないわよ。
ミストがいなかったら今頃ファムとユキシロはあのアルヤフムの胃袋の中に綺麗に収まっちゃってるわよ。
それに・・・今回は誰かが負傷しないといけないケースだったと思うし・・・・
本当によくやったと思うわよ。」
アルヤフムの戦いが終わり、ムクロたちは傷の治療という名目で休憩の時間を過ごし。
ユリハの手料理で腹を満たして完全にコンディションを回復させるとこのイベントクエストの目標である真の主であるボスモブを探しに地下を抜けて移動を開始した。
「で、クーリア・・・ボスモブの居場所はどこか知っているの??
レアモブの位置は曖昧だったのにボスモブだけ位置がわかって・・・・信用できるのその情報??」
「まっかせといてよ!!!このマジカルプリティークーリアちゃんの情報網は相当なもんだと自負してるからねぇ!!!
あとはここをまっすぐ行った所に・・・・・あ、いたいたアレがボスモブだよ!!!」
「ん?アレは・・・・ゴーストナイトとゴーストブレイダーか??
さっきまで戦っていたアルヤフムと比べてこっちのボスモブはなんだかネタのようにしか感じ得ないが。
ボスはボスとして対処させてもらおう!!!
さぁ・・・・いざ尋常に勝負ッ!!!!」
「ボオオオォォオォォ&ゴロロロロオォォオ!!!!」
ボスモブはムクロたちを発見すると、武器を振りかざして攻撃を仕掛けて来ており。
いざ戦おうとしたところで、ユキシロとファムの一撃によって一瞬で倒されていた。
「あれ!?おかしいのじゃ。
ボスモブじゃったらもう少し歯ごたえがあると思っておったのじゃが・・・・えっと・・・その主殿たち悪いの・・・・」
「ご、ごめんなさい!!!手加減するつもりで攻撃したんだけどオーバーキルって奴??これってすごく弱いボスだったんだね・・・知らなかったよ・・・」
「このボスモブが倒れた時点でポータルが出て来たって言う事はどうやらボスモブで合っているらしいけどさ・・・ここのボスモブはこんなに弱いものなのか?」
「ん~噂ではそこまで弱体化してるとかレアモブを倒した後の話なんて聞いてないし・・・・これはこれで楽ができてありなんじゃない??
それにホラ!!!クリア報酬として目的だったレアモブの特殊報酬が出て来てるしさ!!!これがあるのならボスモブが弱くたっていいじゃん??ねぇ??」
「その報酬が目的だったのはクーリアだけだと思うけど・・・・
そうね、今回ばかりはさっきのアルヤフム戦で体力が消耗したから助かると言えば助かるのだけれど。
さっさと報酬を回収してホームに戻りましょ。
こんな暗いステージはさっさと退場しないと気分が悪くなるわ。」
エリエントの言葉からムクロたちも報酬を回収してポータル前に集まると、墓場ステージから始まりの都へ転移しプライベートホームへと戻って行った―――――
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