第474話 次の攻略ステップへ

――――――――――――――兵器研究施設跡のクレーター


 ラストファントムが黒いパーツを引き抜いて後方へ移動すると同時に残り少なかった黒いモブの体力が消滅しており。

体を構成維持するための核である黒いパーツもなくなったことで体が溶けて消えて行っていた。



「くそッ・・・間に合わなかったか・・・・

ラストファントムとか言ったお前はそのパーツで何をしようとしている!!!

それにどうして俺たちをあの塔の頂上へ向かわせようとしたんだ!!」

「そうだな・・・こうして黒いパーツの回収に一役買ってくれたお前たちに褒美として教えてやる。

まずは塔へどうして向かわせようとしたのか・・・・

あそこは世界の終焉と再生を行う最後のカギだ。

それとお前たちの力があそこに眠る黒き邪龍に敵うかどうかも調べておきたかったというべきか・・・・すべてはその塔の頂上に詰まっている。

で、この黒いパーツだが・・・・世界の終焉と再生を行うシステムを起動させるためのパーツといった所・・・と言うのは真の意味ではない。

コレは塔を破壊するための崩壊キーなのだが・・・・すべて集められて塔を破壊されては困るモノ故に1つはオレが回収させてもらった。」

「そう言うことか・・・・とにもかくにもお前は私たちを塔に上らせて邪龍を倒させ、自分はその後世界を終焉に導き再戦するのが目的だというわけか。」

「そんな滅茶苦茶な・・・・自分たちの世界を自分の手で壊して作り直すって・・・・」

「でも、あのラストファントムはそれだけが狙いじゃないよ。

私にはわかる・・・この世界で同じ命を持ったカタチだからわかる。

あのラストファントムは世界を再生する気なんてない・・・・

この世界のだと思う。」

フィールの言葉を聞いたラストファントムは否定をすることなく顔に手を当てながら大きく高笑いを始め。

鋭い目つきをしてフィールを睨みつけていた。



「そうだとも・・・オレはこの世界を・・・血に染まった世界の一切合切を無に帰してやる!!!

俺を作った連中は言った、敵となるモノを全て排除しろと。

どんな手段を使おうとどんな人の理を外れたやり方をしてもと。

そして俺はまず・・・目の前にいた研究員共を消し去り。

研究所を爆破したんだ・・・・この世の浄化はあと少しで完了する。

あとはお前たちがあの塔の頂上にいる黒き邪龍を倒してくれさえすればいいだけだ。

・・・人間どもは最後の手段として塔に上るだろう・・・・

それも魔族との最終戦争をかけてな。

オレはその戦争か起り狂う時まで高みの見物をするとしよう・・・・」

「クッ・・・どうするムクロ!!

追いかけるか??それともこのまま攻撃して落とすか??」

「いや、空を飛んだ状態のヤツはきっとファム並みの機動力だろうからきっと俺たちの攻撃は届かないだろう。

それよりもラストファントムの野望が分かったんだ・・・・あの塔に他の人間たちが興味を示す前に魔族との戦いをどうにか締結させる必要があるな。

フィールは魔族と人間の仲をよくする方法とかわかるか??」

「ん~私も人間とも魔族とも違うから今の状況がそこまで明確にはわからないけど。

力を得られなかった人間がラストファントムのような制御できないモノを作ったのは事実だからきっと他にも何かしようとするかもしれない・・・・

だから人間たちに魔族と仲直りさせないとラストファントムの思うつぼだよ。」

フィールの言葉から魔族たちの住まう場所へ向かうのではなく、まずは人間たちの多く住まい人間たちをまとめて動かしている王の元へ向かい。

ラストファントムの行おうとしている内容を知らせた後に魔族との戦争を引き起こさないようにするため・・・すぐに王都グランデへと向かうのであった。




「それにしても・・・だんだんと話が大きくなってきちゃったけど。

私の知ってるFFの話とはずいぶんと違う話だよ。

アフターストーリーでもサイドでもなさそうだし・・・・

このイベントの先に待つ結果がどうなるのか私には全然わかんないけどフィールたちの住むこの世界は絶対に壊させない!!

たとえコレがゲームの世界だったとしても・・・・見て見ぬふりなんてできない!!!こんなこと言ったら私、変な子に思われちゃうかな??」

「ううん・・・私はすっごく嬉しいよ!!

クーリアさんが私たちの世界の事を真剣に考えてくれてることに対して私は本当に嬉しいよ!!!

だからクーリアさん・・・・それにムクロ君にユリハさん・・・それにみんな。

どうかこの世界を助ける手伝いをして欲しい!!!お願いします!!!」

「ハッハッハ・・・本当にクーリアが急に立ち止まって話し出したからレアアイテムでも見つけたのかと思っていたのだが。

私たちは当然最後まで。」

「それに・・・クーリア1人だと魔術師クラスの力がその程度だってバカにされそうだし。

私も魔術師クラスの端くれだもの力を貸すわ・・・それに乗っかった話は途中で降りないのが私たちの信条でもあるの。」

「うん!!!それにこっちにはすっごく強いムクロ君がいるから安心していいよ!!

私たちでも止められない時があるけど・・・ムクロ君にならできるこがあるはずだから・・・」

「いや、今回の規模だと俺1人だと攻略するには骨が折れる。

だから俺だけじゃない・・・・俺たち全員でこの世界を終焉から救おう!!」

「それじゃ私はいつものようにこの辺で世界を見て回ろうかしら。

今回のフィールドはグロリアと違う地形が多数あるから少しでもまともなマッピングと地形構造にアイテムの配置は知っておいた方がいいともうの。

それにモブの数も多かったり少なかったり不明点が多いのも気になるのが本命だから・・・・私はここで別行動をとるわ。

連絡は個人チャットでも何でもいいから連絡してちょうだい・・・・それじゃ。」

アヤカはここからは別行動をすると説明するだけしてムクロたちの意見を聞く前に隠密のスキルを使って消えると。

誰もアヤカの事に対して何も言わず・・・・先に見えてきた王都グランデへ歩みを進めるのであった――――――――――

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