第475話 王都への侵入作戦

―――――――――――――――王都グランデ:近辺


 ムクロたちは王都グランデ近くのセーブポイントに到着すると。

王都の中を移動し・・・王の元へと向かう者の選別を開始していた最中。

静かで移動に優れたものが選ばれるはずであったのだが・・・何故かクーリアは自分ならと自信満々に手を上げてエリエントたちのダメ出しを受けつつも行くと言って聞かず。

ムクロは頭を抱えながらクーリアにどうしてそこまでしてついてこようとするのか尋ねた。



「え、そりゃ・・・・このマジカルクーリアちゃんがいた方がトーク術もあるし?何気にこのモフモフな耳で悩殺できないNPCなんていないじゃん??

つまり私がいたら王も簡単に口を割ってくれるんじゃないかって思ったりもしてるんだけど・・・・ダメ???」

「そうね・・・NPCがクーリアを見た時点で獲物か何かと勘違いしてある意味釘付けよね。

食べられたくなかったらここで大人しくしているのが良いと思うのだけれど??」

「ん~これだけ大きな耳を生やした獲物だと・・・・王国の親衛隊たちが駆け出しt来ないか心配だよ。

何せ神獣を食べるとその神獣の力が身につくとか言う迷信を信じてるくらいだから・・・・本当に食べられかねないよ?

さっきの技巧街はあまりそう言った事はないけど・・・・王都は力に執着した街だから入るのなら気をつけないとね。」

「ん?待て・・・そう言う事なのならこれは使えるのではないか??」

「え?どういう事??」

ユリハの不思議そうな顔見てミストはニコッと笑顔を浮かべると。

クーリアを使った王の元へと戦闘を行わず平和的に侵入する方法を伝えると。

ムクロたちはミストの作戦に納得はしたのだが・・・・その一方クーリアはウサミミを抑えて聞こえないと拒否反応を見せていた。



「そんなの作戦じゃないじゃん!!!

私はムクロッちと楽しく街を見ながら・・・違うよ!!!これはその・・・街の視察だよ!?

別にユリハを置いて楽しもうなんて微塵も考えてないからね!!!

だけどミストの作戦は本当にあんまりだよ!!!私を王に差し出す神獣に見せかけて話を聞きだすとか無茶もいいとこだよ!!!」

「そんな事よりも実に興味のあるワードがちらほらしていたのは何かしら??

ほら見て見なさい・・・・口を滑らせたおかげでユリハのオーラがすごいことになっているわよ??」

「アハハ・・・クーリアは本当に・・・・クーリアがそんなことを考えてるのなら私も行きたいよ!!!」

「いや、しかし・・・作戦の内容からして人数は少ない事に越したことがないのだが・・・・わかった・・・全員で王都に入りクーリアを貢物にして王の元へと入るを考えてみるからもう少しだけムクロたちは休んで待っていてくれないか??」

「あぁ・・・その・・・なるべく穏便で被害の少なくなるような内容にしてくれ。

俺たちは別に戦いを仕掛けに行くわけじゃないからな。

それに・・・フィールに迷惑がかかるのは少し嫌だしさ。」

ムクロの言葉にフィールはそっとムクロの袖を握ると、あっちで休憩しようと連れられ・・・・ミストは1人で王都を見つめてどうするべきかと再び作戦内容を考え始めた。



「ムクロ君・・・変なことに巻き込んじゃってゴメンね。

私たちの世界とはムクロ君たちはのに・・・・」

「そんなことはない。

前にも言ったと思うけどフィールは俺たちの仲間でこういうのには慣れてるから心配しなくていい。

これでも俺たちはグロリアの世界じゃ割とゴタゴタをクリアしているんだぜ??」

「そうそう・・・ムクロッちってばどっからでも変な厄介事とか持ってきちゃうから毎回のように巻き込まれる私たちの身にもなって欲しいけど。

でもでも・・・今回はそうも言ってられないんだよ。

私たちはフィールの踏み込んじゃったからさ・・・こんなところでばいばいなんてできないし。

最後の最後までどうなるかわからないかもだけど・・・・頑張ろ!!」

「クーリアにしてはまずまずの励ましの言葉ね。

いつもなら適当なことを言って逃げようとするのに・・・・コレはどういう風の吹き回しなのかしらね。

それともただクリア報酬とかそう言うモノを狙っているのかしら??」

「あはは・・・・でもそう考えちゃうのはクーリアだから仕方ないとして。

私はクーリアの言いたいことは分かるよ。

私もフィールちゃんの事情を知ってこの世界の危機を知ったからには無視できない事だし・・・フィールちゃんの大切な世界をしっかりと守らないとね!!」

ムクロたちはフィールを励ますと、涙ながらにフィールは「ありがとう」と答え。

これから先の激しい戦いに覚悟をするとミストは作戦ができたとやって来た。



「最終的に1人で作戦を考えることになってしまったが・・・・

やはりどう考えてもクーリアを神獣役に仕立てて潜入する方法以外のいい案が出てこないのだが。

―――――――――クーリアはどうしてもダメか??」

「ううん・・・さっきの話し合いとフィールの言葉で覚悟は決まったよ。

わたし・・・その役でいいよ!!

きっとミストも必死に考えた作戦なんだし良い様に事が運ぶでしょ・・・・

まぁ私が危険になれば白馬に乗ったムクロッちが私を助けに来てくれるのを信じてるしさ?」

「え?俺が王子様??どう考えても俺はただの兵士かならずものって役回りだと思うんだが・・・・・」

「何だか少しだけクーリアがずるく思えちゃうのはなんでだろ・・・・

ん~~ちょっともやもやするけどコレはどういった作戦なの??」

ユリハの問いにミストは作戦の内容を変更点と踏まえて語り。

クーリアや他の者たちの質問に答えて語り尽くすとそのまま作戦を開始することになった。



「んん??なんだあの者たちは・・・・

おい、そこの者よ止まるがいい・・・・ここから先は王の城になる。

面会したくばそれなりの証か証明を・・・・ムム??それはもしや!?」

「あぁ・・・コレは俺が捕まえただ。

是非とも国王様のお口に入れていただきたく思って持ってまいりました。

それとこの者たちは料理には自信がある料理人なのでご安心を。

で、私たちめは入場してもよろしいですかな??」

ムクロは顔を隠したクーリアたちを連れて門番に語ると、すぐに門を開き。

そのまま城内へ潜入しムクロと付き添い役のフィールは王の元へと向かい。

ユリハ達は厨房へ回されていた―――――――

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