第473話 ラストファントム再来・・・
――――――――――――――兵器研究施設跡のクレーター
攻撃を受けていた黒いモブがスキルを発動すると戦闘の激しさはさらに増していき、ムクロたちを見つけ次第に攻撃をするという奇妙の攻撃方法で動いて行き。
離れすぎたのが問題なのか近くにいるターゲットが後方支援をしていたアヤカたちに向くと。
黒いモブはアヤカたちの方へと駆け出していた――――――――
「チッ・・・・マズいわよ!!!
クーリアとエリは逃げて!!!あのモブは私を狙っているからギリギリまで惹き付けるわ!!!」
「そ、それじゃお言葉に甘えて・・・・げふッ!?
エリ!?何すんのさ!!!アヤカが逃げろって言ったから安全地帯に逃げようとしただけじゃん!!!」
「本当にわかってないわね・・・・こういう時なら私たちは誰もがアヤカと同じことを言うに決まっているじゃない。
それに・・・仲間を置いて逃げるのをしたから上がって来てるムクロたちに見せたいのかしら??」
「アヤカ!!!それに2人も早くそこから逃げろ!!!!
黒いモブに追いつけそうにないから逃げてくれ!!!!」
「どうして3人とも逃げないの!?
もしかして・・・・迎え撃つ気!?」
「そんなの無茶だよ!!!
あんな巨体を迎え撃つなんて・・・大丈夫なの??」
「フフ・・・きっと大丈夫だ。
よ~く3人の顔を見て見るんだ・・・・誰一人として・・・クーリアは少し不安な顔をしているがアヤカたちの目はやる気に満ち溢れている。
つまり・・・・あの状態ならきっと何とかなる。」
「だけど私たちが近づかないと永遠とあのモブは3人が倒れるまで追いかけるのでしょ??
だったら一秒でも早く追いつかないとね!!!
あぁ~~コレは絶対に高貴な私の役回りじゃないと思うのだけれど・・・・
これも仲間であり友であるみんなのため!!!高貴な私は戦いの中で煌めくのよ!!頑張れ・・・ワタシ!!!」
ヴァニスは自分で自分を鼓舞すると、ミストの後を追いかけるようにして付いて行くと。
その先で迎え撃つ準備をしているエリエントやクーリアちに対してアヤカは渋い顔をして見つめていた。
「どうしてこうなっちゃうかなぁ・・・・私は割と真剣に逃げるように言ったつもりだったのだけれど。」
「私は逃げる気だったよ!?でも逃げようとしたらエリがスペルで攻撃してくるしさ!!!
逃げれないじゃん!!!仲間を置いて何て逃げれないじゃん!?
こう言うしかないじゃん!!」
「そうね、逃げろ逃げろとは何度言われても聞く気になれないの。
私の場合だと無理矢理スペルを撃ってでも逃がすのだけれど・・・
今回の状況から考えると人数が多い方が成功する確率が高いと踏んだから残ってるのよ。
だからもし失敗したとしてもアヤカが責任を負う事はないわよ。
私たちはいつだってこうやって来たのだから・・・・
そんな事よりもあと数秒でヤツが来るわよ・・・クーリアもここまで来たのなら最後までやってカッコよく決めなさい!!!
――――――――グラビティウォール!!!!」
黒いモブがエリエントの予想していたポイントに入るとすぐに重力の負荷がかかる壁を作り出し・・・・その間にクーリアは全員にバフをかけ。
クーリアのバフがかけ終えるのを確認するとアヤカは黒いモブの足元に仕掛けられたありったけの爆雷に射撃を行った。
「コレで・・・・チェックよ!!!!
――――――――――――粉々に吹き飛びなさいッ!!!」
「ぐあぁぁ・・・・なんだ!?何が起こったんだ!?」
「コレは・・・爆発だと思うけど・・・スペル攻撃じゃなさそうだからアヤカの爆弾系の爆発かな?
―――――――もしかして自爆したんじゃないよね!?」
「すごい火薬の匂い・・・・黒い煙で全然前が見えないし・・・どうなったの??」
「ゲホッ・・・げほげほッ・・・・あぁぁ・・・・マジで死んじゃうかと思った・・・・あはは・・・ムクロッち・・・何とか私たちは無事だよ。
ちょいと爆発の余波に巻き込まれて多少のダメージはあるけどね。」
「いたたた・・・持ってた爆発物を全部仕掛けたのはまずかったかしら??
でもあれくらいしないとヤッコさんも倒れないわよね??」
「えぇ・・・全力で仕掛けるように言った私が言うのもあれだけど。
アヤカはムクロと同じくらい度が過ぎるわね。」
爆発のダメージを受けたクーリアたちはすぐにその場から離れ・・・自分たちの回復に入ると。
黒いモブ周辺の煙が徐々に薄れ・・・中では黒いモブがボロボロになって佇んでいた。
「体力が赤ゲージで残ってる・・・・あれだけの爆発を喰らってまだ立っていられるなんて・・・・」
「だがコレで終わりだ。
最後の攻撃に出るぞ・・・ミストにヴァニスも後れるんじゃないぞ!!」
「あぁ任せろ。
さぁヴァニス・・・最後の仕上げらしいから張り切って行こうか!!」
「行っとくけど私は毎回張り切りってがむしゃらに突っ走ってるかからこれ以上は本当に無理よ!?
って、ちょっと待って・・・・何か様子が変じゃない??」
「グゴォォォォ・・・・・」
黒いモブはムクロたちの方を向いていたが一向に攻撃を仕掛けてくる気配もなく。
ただこちらを向いて立っているだけかと思えたのだが。
次の瞬間にどうして攻撃を仕掛けてこなかったのか明らかとなった。
「グゴゴゴゴォォォオ・・・・・・グガッ・・・・・」
「動くな出来損ない・・・・お前は負けたんだ・・・そこの人間と妖精にな。
だからお前のその黒いパーツを返してもらう。」
「アイツは・・・・ラストファントムか!?
マズイ・・・ヤツはあの黒いモブからパーツを奪う気だ!!!
何としてでもアレを奪取するんだ!!」
「うん!!!その手を放せ!!!!!
―――――――――――
「攻撃対象がこの世界で一番強い相手になってしまったがそれはそれで実に結構だ!!!
私の一撃も喰らうがいいぞ!!!!
―――――――――――光れ!!!!アークブレイク!!!!」
「うわぁぁ・・・ホントにどうして毎回イレギュラーばっかり起こるのよ!!!
あんなの私が同行できる相手じゃないでしょ・・・・
でも・・・ここまで来た以上逃げる訳にもいかないし・・・・
何かあったらムクロたち全員で私に責任を取りなさいよね!!!」
ムクロたちは黒いモブの体を貫いたラストファントムの腕を狙って攻撃を仕掛けるが、ラストファントムは間一髪のところで攻撃をかわして黒いパーツを引き抜いていた―――――――――
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