第465話 黒き獣

――――――――――――――廃墟:広間


 ムクロたちは黒い獣が眠る広間にやって来ると。

指揮官と数名の兵士たちが観察のために同行して来ており、少し離れた場所に置いてムクロたちは黒い獣のすぐ近くまでやって来るとさっそくバフを入れたりと戦闘の準備を始めた。



「よし・・・これでかけられるものはかけたから後は戦闘するだけど・・・・

これってベヒーモス種だよ体力と攻撃力の高いFF世界にいる魔獣でさ?」

「もういいわよ・・・それ以上言ったらつまらないでしょ?

それにあの指揮官か何かは知らないけど・・・あの連中の話の中では黒いパーツの話が出てこなかったからチャンスよ。

私たちがあれを討伐してパーツを回収・・・そしたらすぐにここから離れて次の場所を目指しましょ。」

「どうやらゆったりと話している時間はなさそうだぞ??

魔獣が目覚めてしまったようだ。」

「しょうがないわね・・・・私は建物に隠れながら援護射撃するからムクロたちは前衛攻撃よろしく!!」

「私も不思議なパワーで強くなってるから頑張る!!!」

「うん!!みんなであの黒いモブをやっつけちゃお!!!」

黒い獣が目覚めたことによってクーリアとエリエントは後ろに後退し、ムクロたちはバラけながらの攻撃に出るが・・・その皮膚は先ほどのマグマフロッグの硬化した皮膚よりも硬く剣が弾かれてしまう状況に悪戦苦闘しながら黒い獣の攻撃を避けつつ攻撃を続けていた。



「私の目に狂いはなかったようだ・・・それにあの黒い獣の皮膚は剣が効きにくいのか・・・・お前達情報はこまめに取っておくように。」

「ハッ・・・すべての情報をメモしておりまする。」

「にしても・・・・妖精と人間が一緒に戦ってるなんてな。

本来なら妖精は人間の敵なんだが・・・・」

男達は小さな声でブツブツと喋りながらメモを取り・・・戦闘を見ていると黒き獣は体の皮膚を変異させてより攻撃より的なフォームに変換させると。

ムクロたちはその剥き出しとなった部位を狙おうとしたのだが・・・・・



「くッ・・・・アイツ・・・飛び道具まで使えるのか??

アヤカ!!援護を任せる!!

―――――――クイックシフト!!!!」

「ちょっと!?そんな敵の弾幕の中フツーいかないでしょ!!!

っもう!!!ムクロは本当にメチャクチャよ!!!

ハァ・・・ミストにユリハも本当にムクロの周りにいるプレイヤーはみんな無茶しかしないんだから。

――――――――本当にどうなってもしらないからね!!!」

「わ、私たちはここでジッとしてようね!!!

ムクロたちはこういう激しい戦いは慣れてるからいいけど私みたいな弱小プレイヤーはここで待機してるのが賢明な判断って言うのかな??

――――――――つまり・・・命は大切にってやつ??」

「ヴァニスさんは・・・このままでいいの??

みんなの戦う姿をこんなところで見てるだけでいいの??

私たちもちゃんと戦えるよ!!!戦う覚悟がにあれば!!!」

フィールはヴァニスの胸に手を当ててニコッと微笑むと。

ヴァニスはフィールの言葉とムクロたちの必死に戦う姿から目つきが変わりフィールに先ほどの言葉を撤回すると言って黒き獣にアタックを仕掛けた。



「ぐッ・・・テイヤァアァァァァッ!!!私だってやればできるんだから!!!

――――――――――スティーーーールスラッシュ!!!」

「ヴぁ、ヴァニス!?先ほどまで隠れていると言っていたようだったが・・・・

いやそんな事よりも援護に出て来てくれたのだから最後まで共に戦おう。」

「本当にムクロ君にみんな似てきちゃったよね。

テイヤッ!!!ムクロ君!!今だよ!!!」

「あぁわかってる!!!ゼイアッ!!!!

クソ・・・変異してから断然強くなってるな。

だが体力バーもあと少しだ・・・ここからが本当の戦いだな。」

「いいわよ・・・ジッとしててよ・・・・そこッ!!!!」

「グギャァァァ!!!!」

黒き獣にアヤカが攻撃をヒットさせたことによって体力が赤色に差し掛かった瞬間・・・・黒き獣の体から赤いオーラが漏れ始め。

体中から鋭いトゲが入り自身を強化するスキルのようで先ほどまでとは違ってプレッシャーが変わっていた。



「これがあの黒き獣の最後の形態ってところか。

飛び道具というよりも近接戦が専門のフォルムだな・・・・」

「うげげ・・・ムクロッちたち大丈夫かな??

アレめっちゃ強そうなんだけど・・・・」

「そうねだけどここかから離れる訳にもいかないし援護スペルでバフと攻撃を続けるわよ。」

「あのトゲ・・・急所が隠れるように生やしてるわね。

あれじゃこの角度からだと狙えないじゃないの・・・・

本当に黒いヤツって厄介なのしかいないわね!!!」

「ムクロ君来るよ!!気をつけて!!!」

「ユリハもミストたちもさっきよりも警戒して攻撃の対処をしてくれ。

俺はこのまま突撃・・・・って、フィール!?」

「にはは!!ムクロ君たちばっかり戦わせるのもアレだから私も戦いに来たよ!!

大丈夫・・・この大きさの相手なら何度か戦った事があるから!!

それじゃ喰らってもらおっかな!!!

―――――――――――私の必殺・・・・アクセルブレイク!!!!」

スキルを発動したと同時にフィールは地面を抉りながら進む光となって黒き獣の体をズタズタに引き裂き装甲をボロボロにすると。

フィールはスキルの効果が切れて地面に倒れ・・・それを狙うかのように黒き獣は突撃して来ていた。



「うぐ・・・ちょっとはり切りすぎちゃったよ・・・・」

「ハァアァァァァァ!!!!!ゼアッ!!!!

大丈夫かフィール!!!ユリハ!!!フィールを連れて退避してくれ!!!

ここはミストと俺達で一気に畳み掛ける!!!」

「これだけ変異した部位が無くなったのなら攻撃は当てやすい!!!

いけぇぇぇ!!!!アークブレイク!!!!」

「こうなったら最後の最後までスキル連発よ!!!

――――――――――スティールスラッシュ!!!!」

「今なら・・・・狙えるッ!!!

―――――――――――ファイヤッ!!!!」

ムクロはユリハにフィールを任せて突撃し、攻撃をかいくぐりながらスキルを剥き出しとなった急所に叩き込み。

最後の一撃とばかりにアヤカやクーリアたちの援護攻撃によって黒き獣は完全に落ち・・・・その体を地面に崩すと黒いパーツの一部がドロップしていた。

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