第464話 アイゼンバルツ軍

―――――――――――――技巧街近辺


 ユリハ達からウルグから聞いた話をすべて聞き終えると。

どうしてクーリアとヴァニスが地面にうつむいてるのか尋ねられ、ムクロは2人の代わりに説明しようとした時。

フィールはユリハ達に自分の食べていた果実のかけらをおすそ分けし・・・3人がかじると・・・・・



「くッ・・・・何という酸っぱさだ・・・・

ここまでの酸味はレモンを超えているのではないか??」

「だけどちゃんと回復効果とバフが出てくるって言う事は毒物じゃないって言う証拠・・・・本当によくこんな果実を食べられるわね。」

「私もコレはすごくびっくりしちゃった・・・・あはは・・・・」

「よし、ユリハ達と無事に合流できたことだし。

その言っていた廃墟を目指して出発するか!」

ムクロの掛け声にミストたちは応えると。

酸っぱい顔をさせつつ歩いて行き・・・・街を外れて草原に出てくると。

その辺りからムクロたちは誰かに追われてリうような気配を感じ。

フィールにさりげなく伝えると、フィールはボソッと答えた。



「え?この隠れてる人たちはユリハさんたちが技巧街に入る前からいたよ?

私たちが街に近づいた瞬間に気付いて来てたみたいだけど・・・・まだ何もしかけてこないから無視してたんだけどどうする??脅かしてみる?」

「いや、相手が何者かわからない以上手荒な真似をしてモメるのも時間のロスだからな。

ここはもう少しだけ様子を見ながら移動だ・・・・

ユリハ達も警戒を怠らないようにな。」

「大丈夫よ、いざとなれば私の銃でぶち抜いてあげるから。

こういう時に銃は使い勝手が良いんだからちゃんとうまく支持しなさいよ?」

「だ、そうよ?

本当に・・・この私たちを付けるなんて趣味が好いのか悪いのか。

まぁどちらにせよ何かを知っているから付いてきてるっていう感じはするのだけれど。

そもそもフィールはどうやってこの背後にいる何者かの気配を感じ取ったのかしら??」

「そんな事より・・・ヴァニスの表情がそわそわしちゃってるから私が見てくるよ。

ヘ~イヴァニスぅ~どったの??お手洗いでも行きたくなった??」

「ち、違うわよ・・・・その・・・誰かが私たちを狙って付いて来てるんでしょ??

だからそのことでどこから狙われてるのか不安で・・・・」

ヴァニスは付け狙われたことに対して抵抗が薄いためか、オドオドした態度がモロに出てしまっており。

クーリアはヴァニスの不安を取るために力いっぱい腕を肩にかけて密着した。



「ん~~~ハイ!!これで元気出た??

大丈夫だって、こっちにはムクロッちにフィール・・・それにこのマジカルクーリアちゃんがいるんだから!」

「わはは、クーリアさんってなんだか面白い人だね。

だけどすごく元気が出て来た!!ありがと!!」

「さぁ・・・話が済んだのならそのまま進むわよ。

後ろにいるのが何者かがわからない以上目的地にたどり着くのが先決よ。」

「そうだな・・・あと少しで廃墟だが・・・何やら騒がしくないか??」

「そう言われてみれば・・・・何だろ??あれって・・・軍かな??」

「それに何かと戦ってる??

何か嫌な予感がする・・・ここは廃墟に紛れて黒いモブと接触しよう。」

ムクロの指示で廃墟に身を隠しながら移動し・・・・廃墟の奥へと進んで行くと。

広場には大きな体格のモブが眠っているのか身動きしておらず・・・・

ムクロたちは物音を立てずに移動していると――――――――



「止まれ、キサマたち・・・・何者だ??

このアイゼンバルツ軍の兵士ではなさそうだが・・・・それにその妖精の女・・・怪しい・・・お前たちは私についてこい。

抵抗するのであればしかるべき対処をするが・・・どうだ??」

「ここで騒動を起こした時点であなた達は大変なんじゃないのかしら??

そこにいるのが私たちとは別のでしょ??」

「エリ??そんな適当なこと言っちゃっていいの??

もし違っていたら戦闘待ったなしだよ!?」

クーリアが恐る恐るエリエントに尋ねると、ムクロたちの背後を取っていた兵士たちは肉眼でモブを捉えて確認するとムクロたちは何かしらの情報を得ていると感じた兵士たちはムクロたちを指揮官の元へと案内すると言って案内し。

気付けばムクロたちは避けていたはずの兵士たちの声でにぎわうテントの中に入っていた。



「指揮官殿、技巧街からの追跡していたこの者たちは例の黒きバケモノを知っている様子でしたので何か知っていると思い連れてきました。

さぁお前達のしっている事を全ていてもらおう。

―――――――――――この質問に拒否権などない。」

「RPG特有のストーリーパートってところか。

そうだな・・・ここは素直に話すべきか??」

「その必要はないわ。

それより・・・この軍隊だけで貴方達はあの黒いのと戦おうとしているのかしら?

それなら悪い事は言わないからやめておいた方がいいわよ。

全員の装備からして大量生産品の装備でしょ?こんなのいくら人数を集めても攻撃が通らないのなら意味がないという話よ。

それよりも私たちに戦わせてもらえないかしら??」

「おい、急に何を言い出すかと思えば・・・・このよくわからな軍の協力をするというのか??」

「私もちょっとこの人たちはまだ信用できないかな・・・

指揮官さん?所でこの軍はどうしてあの黒いモブを倒そうとしているの??」

ユリハの問いに指揮官と言われる男がくるりと回ってこちらを振り向き。

ムクロたちの方へと向かって歩いてきた。



「私はこのアイゼンバルツ軍の指揮官をしているレヴィオだ。

君たちはあのについてどう思う??」

「ねぇちょっと・・・質問に対して質問で返すなんて本当に指揮官なの??」

「こら!!口を慎まないか!!!」

「そうだよアヤカ!!!ここはあまり逆なでして逆鱗に触れないようにしないと先に進めなくなっちゃうじゃん!!」

強気な言葉で前に出たアヤカをクーリアとミストが引っ込めると。

レヴィオは黒い獣について語り出し・・・・この黒い獣は世界を混沌に陥れるとかたかた注がれる伝承の生き物と言うと。

兵士に全員テント内で待機するように招集させ・・・ムクロたちに言われたからではなく。

エリエントの見事な観察力と言葉の強さから戦闘を任せたいと言う事になり。

ムクロたちはすぐに装備を整えて黒モブのいた場所に向かって行った。

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