第455話 群れたプレイヤー
―――――――――――――――始まりの都:鍛冶屋アクセサリーコーナー
ムクロたちはレイに連れられてアクセサリーコーナーへとやって来ると。
そこにあったものは効果を持たない代わりに好きなデザインが行えると噂の場所で。
日本サーバーの匠の技巧で作られデザインされた装飾品はモノに寄れば素材の値段を遥かに超える値が付くと言われており。
ムクロたちはそのデザインされたアクセサリーを見ていると・・・・
「ご主人様、この指輪はどうでしょうか??
私に似合っておりますでしょうか??」
「そうだな・・・うん、似合ってると思う・・・あはは。」
「ん?指輪かぁ・・・そう言えば私はアクセサリー専門じゃないからこういうのはあんまり作らないんだけど。
今のプレイヤーって装備よりも見た目にお金をかける特徴があるようね。
にしても・・・装備に使えばいい鉱石で効果のない武具を作るなんて・・・・本当に鉱石の無駄遣いと言っても過言じゃないね。」
「だな、だけど私はコレはコレでいいと思う。
鉱石や材料に価値のあるものが使われているとはいえ努力して作ったモノに変わりはない。
だからムクロ・・・私にこの指輪を買ってくれないか??ちょっとした記念としてと言う意味でだぞ??特に意味は・・・・ないから・・・うん。」
ミストは顔を赤く染めながら指にはめた指輪をムクロに手渡すと、値段も高くない事からミストに買ってやろうとレジに向かう前にレイが現れ・・・・
レイもこの指輪が欲しいと言ってムクロに手渡してきていた。
「コレは・・・ちょっと値がすごすぎないか??
もう少し安い方が今の手持ち金的にありがたいんだけどな・・・・あはは。」
「え?そんなに高いの??どれどれ・・・・あぁ・・・こりゃ駄目だ。
レイって常識があるように見えてすごく外れてる??」
「否定はしませんが・・・ミストのやり取りを見ていて値札まで見ておりませんでした。
そうですね・・・それではご主人様のお財布に優しくこれでどうでしょうか?」
「そのデザインも上品でいいじゃないか。
値は・・・さっきのより安いがそれでも私の倍以上の値段はしてるが・・・大丈夫か??」
ムクロはレイが最初に持って来た指輪よりも値が安いと言う事で持って来た指輪を買う事にして支払いを済ませると。
別行動していたユキシロとファムがムクロたちを見つけてやって来ていた。
「ぬへぇ~こんなピカピカ光るお店もあったのじゃな。」
「指輪にネックレス・・・どれも効果が入ってないアクセサリーなんだね。
でも、すごく綺麗・・・・私が付けてても意味ないけど・・・」
「そんなことはありません。
ファムもユキシロも立派なレディならアクセサリーの1つや2つ身に付けてみてはいかがですか??チラチラ・・・・」
レイは2人に指にはめた指輪をチラつかせて見せびらかすと、2人は何かを悟ったようにムクロへ詰め寄り。
レイの指にハマっている指輪の件について説明を求めた。
「もしかして主殿とレイは結婚をしたのか!?
この事をユリハが知ったらどうなるか・・・・あうあう・・・」
「きっと地獄絵図だよね・・・PVPを連戦した後にプレイヤーキルをした後に自分で自害しそうだし・・・・レイもそれをあまり見せつけない方がいいと思う・・・」
「いや、俺たちはそういう関係になったわけじゃない。
ミストもこれ以上話が変な方向に行かないように何か言ってやってくれないか??」
「ふふふ・・・本当に綺麗な指輪だ・・・・ムクロからの贈り物だ・・・綺麗に扱ってやらないとな・・・・」
ミストは指輪に魅了されて使い物にならず、ムクロは結婚はしていないときっぱりと言い聞かせ・・・自分の指に指輪がはまっていない事を見せて納得させてると。
2人は少し考えてから自分たちもアクセサリーを買ってもらおうと言う事になって物色し始めた。
「ぬぅ・・・色々あってどれがいいのかわからないのじゃ・・・・
ファムは何か良い物見つかったのかのぉ??」
「私はこの星のネックレスにしようかなって・・・・
ユキシロはこの牙の形のブレスレットなんてどうかな??」
「あはは・・・何とか話に納得してはくれたみたいだが。
レイ、それはユリハ達の前では見せながら変なことは言わないでくれよ?
2人は誤解しやすいんだしさ。」
「それは承知しております。
ですが・・・それを語る前に後方をご覧くださいませ。
エネミー襲来です。」
「ムクロ君??ミストとレイちゃんの指にハマってる指輪はどういうことなのかなぁ????
私もまだ指輪何て貰ってないんだけどぉ・・・・・どういうことか全部説明してくれるよねぇ??」
「本当にムクロは手当たり次第に求婚って・・・今日がムクロの命日になることは確定ね。
さぁ・・・その首をもらい受けるわ。」
ファムとユキシロは何も見ないように背を向けてアクセサリーを探しており。
先ほどまで近くにいたミストやレイに手を貸してもらおうとしたのだが・・・いつの間にかどこかに消えており。
ムクロは1人で化け物2体の相手をしなければならなかった。
「さぁ・・・ムクロ君・・・こっちでゆっくり話を聞かせてよ。」
「観念してついてくれば痛い思いをしなくて済むけど・・・私たち的には思う存分拒否してくれていいのよ?
それだけたっぷりと痛い思いをさせてあげるから。」
「あはは・・・・観念してついて行くが・・・そこのベンチだろ?」
ムクロはアクセサリー屋の前にあるベンチに誘導され。
ユリハとエリエントに挟まれて座ると。
ミストとレイの指にはめられた指輪の件について説明させ・・・ユキシロとファムたちの持っているアクセサリーも買ってあげるのかと問うてきた。
「流れで買ってやることになったんだが・・・ユリハ達もよかったら・・・どうだ??いらないか??」
「いるッ!!!いるに決まってるよ!!!
さぁエリ!!!私たちもアクセサリーを探しにいこッ!!」
「ちょっと・・・ユリハ!!!慌てなくても大丈夫・・・・フフ、本当にこういう時にせっかちなんだから。」
2人はムクロの行為に甘えることにしてファムたちの見ているアクセサリー屋に入り自分たちも様々なアクセサリーを見て装着して見たりしていると。
アクセサリーを試着していたユリハに近づいてくる1人のプレイヤーがやって来た。
「それ似合ってんじゃん。
で、どうだ??ソレを買ってやるからこれからどっかに遊びに行かないか??」
「結構です・・・私たち仲間だけでいるのが楽しいですから。」
「オイオイ、連れねぇなぁ・・・他にもケモノ女に女ばっかり・・・
――――――――どんなハーレムなんだ??」
「ご主人様、どうなさいますか?
私が蹴散らしましょうか??それとも滅却いたしましょうか??」
「いや、それはさすがにGMも黙っちゃいないだろうから止めておいてくれ。
それにどうなるかはこの先のエリ達次第じゃないか??」
「さっきからゴチャゴチャとウルサイプレイヤーね。
貴方達のいうハーレムは女を物やアクセサリーにしか見てない外道な例えでしょ。
私たちの仲間はそんな低俗な者じゃないの・・・だからもし次にその薄汚い手でユリハを触ったら・・・消すわよ?」
「ぬぉ・・・この感じ・・・久々にエリがキレておるように思えるのじゃが・・・
大丈夫かのぉ??」
「えっと・・・大丈夫じゃないと思うよ・・・
だから少し離れる方がいいかも。」
「おっと・・・・逃がさねぇよカワイ子ちゃん!!!」
気が付けば店の中も外もユリハを狙う男の仲間で溢れており。
エリエントのイライラがさらに上昇し・・・杖を取り出していた―――――――
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