第454話 鍛冶屋での待機

――――――――――――――始まりの都:バザール


 それからもユリハたちはムクロにこれもあれもと自分たちのワッフルを食べさせて満足したのか自分の持っているワッフルを食べだしたが。

色々と食べたムクロは何口か食べたワッフルサンドが食べられなくなってしまい・・・まだ食べられると言っているユキシロに手渡そうとしたのだが・・・・



「ちょっと待ちなさい!!!それは・・・ムクロ・・・全部ユキシロにあげる気なのかしら??

そうだと言うのなら待ちなさい・・・ユキシロ、これで好きなだけ買ってくると良いわ。」

「のじゃ!?うむ!!アタイはコレで好きなだけ買ってくることにするのじゃ~~~ヒャッホ~~~」

「あ、ズルイ!!私にも何個か分けてよぉ~~~」

「これで2人がいなくなった・・・さて、このを誰が食すか・・・どうやって決めるのだ??」

「私は率直にじゃんけんで決めるのが良いかと。

そうでもしなければアイスが溶けてしまいます。」

「そうだね・・・それじゃ、せ~のっ!!!じゃんけん・・・ぽんッ!!!」

ユリハ達は一斉にじゃんけんをして、何回か相子を繰り替えしてやっと勝負が決まると。

ムクロの食べさしはミストの手に渡っていた。



「こういうのはやはり姉である私が処理しないとだな。

それじゃいただき・・・・ゴクリ・・・ます。」

「私も食べたかったなぁ・・・・」

「ん?ユリハはまだ食べたりないのか?それなら俺に食べさせない方がよかったんじゃないか??」

「はぁ~ムクロはこれだから・・・何にもわかってないムクロに何を言っても無駄だろうけど本当にムクロは分かってないわね。」

「ですが・・・ミストの食べる姿を見ているだけというのも何だか悔しさと言いますか他にご主人様との間接キスをする方法は何かないモノでしょうか・・・・」

レイがどうこう考えていると、先程買いに出て行ったユキシロたちが戻って来ており。

ユキシロは数個のワッフルの入った袋をぶら下げ、ファムは人数分のを買って来たと言って持って来た途端―――――――



「2人ともでかしました。

ズズズズ・・・・さぁ~ご主人様、これをどうぞ。

さぁ~ご遠慮なさらずにお飲みください。」

「何だかユリハ達の目が怖いんだが・・・・どうしたんだ?」

「それに口を付けたら私・・・怒っちゃうよ!!!

レイちゃんも抜け駆けはずるいよ!!」

「そうよ、公平性がなさすぎるのは重罪よ。

さっきのはじゃんけんで仕方がないけれど・・・今回のやり口は非道極まりないわよ。」

「ぬぅ??一体何を話しておるのかわからぬが・・・・アタイはそれよりもコレを食べるのじゃ!!!あ~~~ん。」

「私も~~あ~~~ん!!ん~~~おいひぃ~~」

「あぁ・・・私も今日ほどグロリアをしていて幸せだと思った事はないぞ。

うむ、今日はいい夢が見られそうだ・・・」

休憩所でファムたちが食べる傍でミストもムクロの食べさしを食べて幸せに浸っていると。

レイ達の方は再度じゃんけん大会が行われ・・・次に勝利したのはレイで。

ムクロは拒否するだけ体力を無駄に消費すると考えてレイが飲んでいた飲み物を受け取ってひと口飲むと。

レイはすぐにストップと言ってムクロから飲み物を回収し、そのままミストたちの方へと向かって飲み始めた。



「コレで残ったのは私たちだけみたいだけど・・・もうこれ以上手が無いわね。

こうなったら違う方法でアプローチをかけるしかないようね。」

「違う方法でアプローチ??

エリは何をするつもりなの!?」

「ん?エリ?どうしたんだ???エリ!?」

エリエントはムクロの方にフラフラとするをしてムクロに抱き着くと。

少し気分が悪いと言う設定でムクロにベタベタしていると、それを見ていたユリハはエリエントに注意をして離し。

2人もミストたちのいる方に移動して休み・・・ムクロは膨れたお腹をさすって食べ過ぎたと苦笑いを浮かべて待つこと数分―――――――

ユキシロたちはワッフルを食べ終えてムクロの方に集まって来ると、そのままユリハ達の方に状態を確認したのだが・・・



「私たちはもう少しだけここで休んでるからムクロ君たちは先に近くのお店を見て来てて。

すぐにエリもよくなると思うからすぐに合流するよ。」

「ユリハの言う通りにしてちょうだい・・・・」

「わかった、2人がそう言うのならレイ・・・この先のプランのルートで案内を頼む。

そこでユリハ達が戻って来るまで待ってよう。」

「そうですか、わかりました。

でしたらここから出まして少し歩きますがいつもの鍛冶屋がでてきますのでそこで待っていましょう。」

「鍛冶屋かのぉ~ぬぅ~そこだとあまりお腹が膨れそうにないのじゃが。

新しい武具が製作できるか見てみるのもいいかもしれないのじゃ!!」

「うん!!私もそろそろ新しい装飾品とか装甲を作らないとこの先大変かもって思ってたところだったから丁度良かったよ。」

「それじゃ、話が決まった事だし移動開始だな。

2人もあまり遅くなって心配かけないように頼む。

最近、この街でをするプレイヤーが出るようだから気をつけるように・・・・と、言っても2人は強いから忠告程度だが。

――――――――――――は禁物だぞ?」

ミストは2人の返事を聞くと笑顔で返してムクロたちと共に鍛冶屋に向かって行った。


そして、レイに案内されて鍛冶屋にやって来ると・・・そこには援護で来ていたのかガヘリスが奥で武器の製造をしており。

ムクロたちを見かけて近くまで顔を出してきた。



「あれ?こんなところでどうしたんだい?

もしかして私の作った武器・・・また壊したんじゃないだろうね??」

「いや、武器は無傷だ。

今回は色々とあって街の観光をしているんだが・・・ガヘリスは何か作っていたようにも見えたんだが何してるんだ??」

ムクロは気になったことをガヘリスに直接聞き尋ねると、ガヘリスはハンマーを持ち上げて大剣の修理の途中だと言って再び作業に戻り。

赤く熱を帯びた大剣を取り出して手に持ったハンマーで叩き・・・水につけると蒸気を放ち。

その蒸気の中から現れたガヘリスの手には巨大な大剣が握られており。

その剣をよく見て破損個所がないことを確認したのちに鍛冶屋の店員に鞘にしまった大剣を手渡してからムクロたちの方に再び戻ってきた。



「今日の仕事はこれで終わり終わりっと・・・本当に武器を大切に使わないプレイヤーは困るね。

さっきの大剣なんて真っ二つに折ってきてさ?

修理に何度溶かして固めてを繰り返したか・・・・次はもっと剣の手入れをして使って欲しいわよね。」

「何か悪いな・・・俺もガヘリスの剣を壊した1人だ・・・次は壊れないように扱うから・・・」

「そうだな、だがアレはムクロでなくともあぁするしかなかっただろうからな。

それにガヘリスの言ってるのはきっと扱い方が悪いと言う事であってムクロの場合はまた別件というところだろう。」

「うむ、そういうわけでアタイたちは少しばかり武具を見てくるのじゃ!!!」

「あ、待ってよユキシロぉ~~そんなに走らなくても鍛冶屋は逃げないよ~」

そう言って2人は武具製造のコーナーに向かって消え失せ。

ガヘリスはムクロたちを見て・・・3人に用事があったのでは?と尋ねると。

レイは忘れていたプラン内容を思い出し・・・ムクロたちを連れてアクセサリー製造のコーナーへと連れて行くのであった――――――――

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