第456話 ソロvs多人数
―――――――――――――――始まりの都:鍛冶屋アクセサリーコーナー
外で見ていたムクロたちを見つけてやって来たガヘリスは・・・ムクロたちに事情を尋ねると。
これからちょっとした事が起こるからと言ってガヘリスを巻き込まないようにするために工房へ帰し、再度アクセサリー屋の様子を見ると。
エリエントはユリハの前に出て男と言い争っていた。
「ここまでして本当に貴方達は何がしたいのかしら??
何度語ってもユリハは渡さないし私たちもあなたたちのようなプレイヤーにホイホイと付いて行くようなマヌケじゃないわ。
―――――――――――だから出直しなさい・・・コレは忠告よ。」
「へぇ、で・・・さっき言った言葉だと・・・コイツを触ったらどうとか言ってたよな??
だったら・・・・オラッ!!!コレならどうなんだ??」
「ガッ・・・・くッ・・・・・」
「ご主人様・・・さすがにこれ以上は見ていられませんので向かわせて・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「ユリハッ!?クソ・・・・お前達、それでも人間なのか!!!」
「はッここはグロリアで好き勝手にできる世界だ。
だから力ずくでやりたいようにやるのさ!!!」
ユリハの腹を殴りつけた男は次にエリエントの首を掴んで先ほどの言葉からどうなるのか待っていると・・・・後方で待機していた男達の中からムクロが無言で店内に突入して来ていた。
「主殿!!!コイツたちが急にユリハを殴ってエリの首を絞めているのじゃ!!!
アタイたちもそっちに行きたいが・・・目の前の連中が邪魔で・・・ぬぅ・・・どくのじゃ!!!」
「そう暴れるなってケモノ女・・・後で楽しいことしてやるからよ!!」
「あぁ・・・本当に面倒だから燃やしちゃっていいかな!!!」
「それは駄目だ・・・今ここでヤツらをキルすることは容易い。
だがキルをしてしまえば私たちがレッドネームになってしまうからな。
ここはムクロの判断を待つとしよう。」
「お前ら全員とのPVPを希望する。
俺に勝てたらこの場にいる全員を好きにしてかまわない。」
「ハァ?好きにだ??そんな権限お前にあるわけ・・・・」
エリエントを掴んだ男はムクロに好きにできる証拠を見せろと言わんばかりに問うと。
ムクロはレイを使って手にキスをさせると・・・その男はエリエントの首を離して仲間を集めて表に出て行き。
ムクロに対してPVPの申請を飛ばして来ていた。
「む、ムクロ君・・・くッ・・・油断しちゃった。」
「がはッ・・・ゲホゲホッ・・・あいつら・・・今ここで・・・」
「2人とも、ここは任せろ。
それとゴメン・・・あの男が来た時点で俺が近くにいれば・・・・
だが、2人にした分だけのお返しはしてくるから待っててくれ。」
「ムクロ・・・手は抜かずに私たちの分までぶつけて来てくれ!」
「うむ、あのゲス共を完膚なきまで叩きのめして地に返してしまうのじゃ!!!」
「最後の仕上げなら任せてよ!!!」
「ご主人様・・・ご武運を。」
ユリハ達の救助をするようにとだけ語って男達の待つ方へ出て行くと。
その数は先ほどまでいた数よりも多く。
軽く20人はいる状況に男は口を開かないムクロに対して大きく笑いながら問いかけた。
「なんだ?俺のギルドの人数がさっきまでいた数人かと思ったか??
残念でした、俺たちのギルドはさらに数を増やせば40人はいる大型のギルドなんだ・・・だが、ここで1人をボコって女をいただくのも悪くはないが・・・・お前が土下座をして謝るのならお前だけは無傷で逃がしてやるがどうする??」
「お前たちは優しいな。
喋ってる間があるんだかからな・・・・上級層にいる奴らは無言で襲ってくるんだが・・・・逆に言い返すとこうだ。
―――――――――つべこべ言わずに全員覚悟してかかってこい!!!」
そそのの言葉と同時にPVPのアナウンスが入り、戦闘開始を告げると。
男は怒鳴り声を発し・・・ムクロに向けて全員で攻撃と命令を出した。
「この数を相手にお前1人で何ができるってんだ!」
「こんな無茶な戦いをするとかコイツ頭大丈夫か??
まぁ・・・バカは死んどけ!!!」
「そうだな、バカは死なないと治らないかもしれないからな。
だったらまずはお前達からだな・・・・
―――――――――――クイックシフト・・・・」
「なにッ!?あの男・・・急に加速しやがった!!!」
「お前ら何ビビってんだ?
囲って逃げられねぇようにしてタコ殴りしろ!!」
男は仲間に指示を出しつつ先ほど先手に出た数名が消えて行く様子に構うことなくムクロをじっと見つめて狙いを定めていた。
「よし、ぐるっと囲んで一気に押しつぶすぞ!!!
――――――――今だッ!!いけぇぇぇ!!!!ぶっつぶせ!!」
「全方位からの攻撃か・・・そんな単調な攻撃に俺が捕えられるとでも思ったのか?
中級層のモブの方がまだ頭がいいと思うんだがな・・・・・ゼアッ!!!!」
「ぐあぁ!?お・・・・俺を踏み台にして逃げただと!?」
「チぃ・・・何してんだよ!!!
たかだか一匹のワンコロに手を焼いてんじゃねぇよ!!!」
「いいぞムクロ!!!その調子で全員やってしまえ!!!
それと、ユリハは大丈夫か??」
「平気よ、少し強く殴られただけだから。
スペルで回復させたからもう平気でしょ?」
「うん、ありがと・・・ムクロ君・・・」
「主殿ぉ~~もっとガンガン攻撃を見舞ってやるのじゃ!!!
出なければユリハが黙ってないのじゃ!!!」
「あはは・・・別にユリハはそこまで求めてないと思うけどなぁ・・・・」
エリエントの治療によってユリハの腹の痛みは消えてなくなり。
その場に立ち上がって数十人の男達と戦うムクロを見ながら小さな声で応援していた。
「このッ!!!ちょこまかと動くんじゃねぇ!!!
―――――――――ブレイブキル!!!!」
「俺のスキルも喰らいやがれ!!!!
―――――――――ファイヤーファング!!!!」
「いいぞお前ら!!!
俺のとっておきも喰らわせといてやるぜ!!!
――――――――――ブラッディストライク!!!」
「ハァァアァァアァアアアアァッァァァ!!!!!!」
「嘘だろ・・・・アイツ・・・スキル攻撃をバフもかかってない剣で全部弾き飛ばしたぞ!?」
「それにアイツのブラッディストライクもだ・・・・あの男は一体なんなんだよ!?」
「やはりと言うべきかこのバカ者たちはご主人様の事をただの馬の骨のようなポンコツプレイヤーと同一視していたようですね。
いやはや・・・だからあれほど変なプレイヤーに舐められないよう身の丈に合った装備をするようにと何度も言っていますのに・・・・」
「あはは・・・ポンコツプレイヤーは言い過ぎかもしれないけど・・・・
ムクロ君は前に言ってたの・・・自分だけ良い格好になったら周りにいる皆に気をつかうって・・・」
「主殿らしいのじゃ。
きっと飛んでくる火の粉よりもその奥にある本元を叩くから気にしないといった所じゃろ。
まさしく主殿の考えなのじゃ。」
「そうだね・・・だけどムクロって本当にすごいよね。
あれだけの数を相手にしても全然押されてないし・・・むしろ押してるって言った方がいいのかな??」
「あぁ、ムクロには限界というものが存在しないのかもしれないな。
今、目の前にある状況に合わせて、臨機応変する器用な立ち振る舞い。
どれを見ても私たちには真似できないモノばかりだ。
だからムクロはすごいのかもしれないな。」
ムクロはさらに数人のプレイヤーを倒すと・・・残り数人となったプレイヤー達に剣を向けてかかって来るように挑発しながら問うていた――――――――
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