第444話 青き湖の守護者
―――――――――――――――プライベートホーム
レイの治癒が終わり、ムクロとレイは一緒にホームへ戻ると。
イライラとして待っていたクーリアに見つかり・・・玄関先で怒鳴られていた。
「もぅ!!早く帰って来てっていったのに何でこんなにも遅いのさ!?
レイもレイだよ!!!ムクロッちのケガとか傷なんていつも勝手にしてるから気にしなくていいじゃんか!!!
これからイベントダンジョンに向かうって言うのに・・・・やる気あんの!?」
「わ、悪い・・・レイがもう大丈夫って言っても聞いてくれなくてさ?
完全に回復するまでは駄目だと言って剛腕装甲で掴まれてたから逃げることもできない状況だったんだ・・・・」
「ですがご主人様のケガがあれば最終的に困るのは私たちですの治癒させた私に感謝して欲しいものです。
ご主人様をケガさせるのも未熟な私たちなのであれば治癒をしてあげるのもまた義務というべきものではありませんか??」
「言われてみればそうかもしれないね・・・私たちが未熟だからムクロ君がケガをしてまで守ってくれたり助けてくれるんだもんね。
だからレイちゃんの言ってる意味もすごくわかるよ。」
「確かにな、私たちのミスをカバーしてくれるのは大体がムクロだからな。
無茶をさせている原因が私たちにもあることは事実だ。
だから今後はムクロに無茶をさせないためにももっと腕を磨かないといけないな。」
「そうね、で・・・ヴァニスはどうして耳を塞いでいるのかしら?
見ないフリをしても聞かないフリをしても事実なのだから受け止めなさい。」
「べ、別に私は気になんかして・・・わ、わかってるわよ!!
私だってミスをしたくてしてるんじゃないし・・・努力してるけど。
そんなに早く上達するのだったらみんなムクロみたいになってるわよ。
それに私、そこまで戦闘が得意ってわけじゃないから期待しないでよ?
で、さっきからごそごそしてたファムとユキシロはどこに行ったの?」
ヴァニスの問いにミストが返答し。
2人はお腹が空いたと言って街へ腹ごしらえしに行ってクエストはパスすると言う事らしく・・・レイもこの場に残ると言って部屋に消えて行くと。
ムクロは過ぎ去るレイに感謝の言葉を述べて別れ、自室に戻ってアイテムの整理を行った。
「んじゃ、ムクロッちが合流した所で・・・いっちょイベントダンジョンに潜ろっか!!!」
「で、今回のイベントダンジョンって言ってるが・・・どのダンジョンを攻略するんだ?
話を聞いてないから他に何を用意するべきかわからないんだが。」
「あ、そうだったね。
ムクロ君にはきちんと説明した方がいいよね。
えぇっと・・・今回はクーリアが持って来たこれに参加しようとしているんだよ。」
ユリハからクエストの詳細が載ったデータを受け取ると。
島に隠された宝物を見つけ出すと言う宝探しイベントで・・・・
中には当たりのレアなアイテムから外れのアイテムまでランダムに封入されていると書いてあり。
その中でも黄金のドクロが目玉らしく◎が記されてあった。
「クーリアはこのドクロが目当てって言う事で良いのか?」
「そうそう!!!よくわかってんじゃん!!!やっぱり私たちいいトレジャーハンターに慣れちゃうんじゃない!?」
「こら、調子に乗るんじゃないの。
それにしても宝のありかは島のどこかって書いてるだけで明確な位置がわからないのが難点よね。
情報はキーワードを追って解除するからその内容かから知識が多くある私やムクロにがいないとロクに時間を食うだけのイベントね。
だからクーリアはムクロの帰りを待っていたのだと思うのだけれど。」
「あぁ~なるほど・・・クーリアの知識はあくまで情報。
ムクロたちのようにキャリアで蓄えられたものとはまた違っていると言う事か。
つまり・・・今回のイベントはそこそこに頭を使うと言う事だな。」
「でも、私たちだって少しは役に立つはずだから何でも言ってね!!
戦闘以外でも役に立つところをしっかりと見せなくっちゃ!!」
ユリハは自信満々に語りクーリアはムクロたちの知識に期待していると誤魔化すことなく言い切り。
ムクロたちはイベントクエストに出発した――――――――――
「で、ここがその島か・・・・木々が多い茂っていて徒歩で探すしかなさそうだな。
それにしても・・・・熱くないか??」
「うん・・・まるでハワイにいたときのような暑さだよ。
これもイベントの効果なのかな?」
「きっとそうね、現実はもっと温度が低いからクエストの特別処置だと思うわ。
それに夕方をとっくに過ぎているはずなのに太陽が昇っているって言う事は何かあるのだと思うわ。」
「そんなことはいいからさっさとこの・・・探検マップに従って進んでレアアイテムを見つけようよ!!!
でさ・・・・いきなりで悪いんだけどさ??
この、青き甲羅に護られし湖ってなんなのさ??」
「私もちんぷんかんぷんだけど・・・・湖にいるモブを倒せばいいんじゃない??
こういうのは力業でできるってムクロが言ってたわよ?」
ヴァニスがムクロの言っていたことを口に出すと・・・全員の視線がムクロに集中し。
ムクロは頭をかきながら苦笑いをしてパワープレイは本当にわからない状況になるまではしないと約束してクーリアの言っていたモブを探すためにマップを見ると・・・・・
「あぁ、そう言う事か・・・エリ、これを見てくれ。
きっとここにいるんじゃないか??」
「そうね・・・そこにならブルーコータスがいても不思議じゃないわ。」
「何?その・・・ブルーコータス??とかいうモブは・・・・
初めて聞く名前だけど・・・・ミストたちは知ってる?」
「いいや、私も初耳だ。
それに指をさした場所って・・・洞窟のようだが・・・湖はここだぞ?」
「私も湖はそこだと思うけど2人がここだって言っているのだから私は2人を信じていくわよ。
べ、別に勘違いしないでよ!?私は楽して進展するのならそっちの方がいいって思ったくらいで・・・・間違ってたら怒っちゃうんだから!!」
「んじゃ、まぁ・・・2人を信じて移動して見よっか。
こういう時の2人の知識は本当に役に立つし・・・ウシシ・・・・」
クーリアは悪い笑みを浮かべながらマップに従って洞窟を目指し。
その手前に到着するとそこは水の匂いがする地下へ通じる洞窟であった。
「で、この先にそのブルー何とかがいるんだよね??
それって私も情報にないんだけど、どんなモブなの??」
「ん?ブルーコータスか?ヤツ体に青い結晶の甲羅を纏ったカメだ。
動きは遅いが甲羅の装甲の弱点を突かないと持久戦になる少し厄介なモブだが。
これだけ前衛がいれば何とかなるははずだ。」
「ねぇ、それって私も参加する数に入ってるの??
そこまで期待されちゃ私困っちゃうのだけれど・・・・」
「何?ここで怖気づくなんて本当にヴァニスはヘナチョコ剣士ねぇ。
少しはビシッと言い所見せて見なさいよ。」
「だが、戦いに不慣れなヴァニスを無理矢理戦わせるのもかわいそうというものだが・・・・ヴァニスはどうなんだ?戦えそうか?
ここで戦えなくても私たちは責めはしない・・・それに戦うにしてもここには強力な仲間たちが付いているのだから気に悩むことはないさ。
さぁ・・・奥へと進もうか。」
「そう言う事だヴァニス。
俺たちを信じて一緒に駆けまわろうぜ!!」
「もうムクロ君ってば!!また無茶する気でしょ!!
ヴァニスはムクロ君と同じようにしなくていいからね!!
いざとなったら私と一緒に戦お!!」
ユリハ達の励ましによってヴァニスは戦うと強い意志を示すと。
ミストたちは笑みを浮かべて洞窟の中の青い湖を目指して進んで行った―――――
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