第443話 地下施設潜入:完
――――――――――――中級層:古代技術施設αケージ
2人はミストのいる方向に向かって駆け出すと・・・通信が入り、それはキャレットからで・・・
戦闘中に通信ができなかったことを心配してかけて来たのか現在の状況をすぐに問うて来ていた。
「今、爆弾を仕掛けて施設を出ようと戻っているところだが・・・・どうかしたのか?」
「どうかした?じゃ、ないわよ!!本当にこっちは心配してたんだから。
他にもクーリアやレイも慌て始める事態になってるし・・・・
あぁ、伝えるのは本人の口からの方がよさそうね。」
「ご主人様、通話を代わりましたレイでございますが・・・・お怪我などはされておりませんでしょうか?
それと現状はスムーズに流れているように見えますが完全に時間が押してきておりますので早めの脱出をお勧めいたします。
本当に無事かどうか本部に戻り次第隈なくチェックさせていただきますのでお覚悟を。」
「そんなことは後ででいいじゃん!!ムクロッち~~あぁ~本当に無事でよかったよぉ~~
こっちは本当にいくら2人に連絡しても通話に出ないから心配で心配で迎えに行こうかとか案が出てたくらいなんだからね!!!
だから・・・ちゃんと無事に戻って来て!!!みんなと一緒にね!!!」
「あはは・・・本当に通話できなくてごめん・・・あと、時間が押してるって言ってたけどどれくらい時間が足りないの??」
ユリハの問いにクーリアたちは黙り込み、代わりにとエリエントが通話に出て冷静に残り2分と少しと語り。
それを聞いた2人はさっきのモブとの戦闘が長すぎたと後悔しつつさらに速度を上げて戻りながらエリエントにどうすればいいかと問うが。
やはり全速力でそこから抜け出さないと毒で全員やれてしまうと言われ。
そうならないようにと2人はミストの元へ1秒でも早くたどり着くように走ると・・・・
「ハァハァ・・・・・コレで最後だッ!!!!ハァァァァッ!!!
ふぅ・・・・何とかザコは全部倒すことができたが随分と時間をかけすぎてしまったな。
ん?アレは・・・・ムクロたちか??」
「お~い!!!ミスト!!!時間がないから走るんだ!!!
あと2分とちょっとでココの毒が戻るらしいんだ。」
「だから一緒に走りながらユキシロを回収して、この施設の脱出をしないと大変なの!!だから全力で付いてきて!!!」
2人は単刀直入に説明してミストに無理矢理理解させ、最後のユキシロの回収をするために上の階に辿り着くと。
ユキシロは最後の一体のモブと戦っていた。
「ぬぅ・・・本当に硬さだけはすさまじいのじゃ・・・・じゃが!!!コレで最後なのじゃッ!!!って・・・・ぬわぁ!?アタイの獲物が!!!」
「そんな事言っている場合じゃない!!!このままでは全員毒にやられてしまうんだ!!!
だからユキシロも加速スキルで付いてきてくれ!!!」
「そう言うわけだからお先に!!!」
「よくやったユキシロ・・・2人の言葉通り今は説明している暇があまりないんだ。
だから言われた通り付いてきてくれ。」
ムクロたちの言葉を聞いたユキシロは少しだけ後味の悪い結果にもやもやしつつもムクロたちの後を犬モードになって追いつくと。
4人は毒の戻りつつある施設から勢いよく抜け出し、あと数秒脱出が遅れていれば大変な事態になっていたとホッとしていると。
施設の地下から大きな揺れが起り、地下に仕掛けた時限爆弾が爆発した振動と考えた4人は巻き込まれないようにとさらに走りながら移動し、安全な地点でキャレットに通話を入れた。
「通話越しに聞こえてくる音とこちらのモニターから確認するに無事に任務は成功したようね。
お疲れ様、それじゃムクロ君たちすぐに戻って来て。
レイにクーリアたちもまだかまだかと首を長くして待ってるからなるべく早くしてね。」
「あぁ、わかった。
それじゃ・・・みんなの待つ施設に戻ろう。」
「うん!!!本当にどうなる事かと思ったけど無事にけが人も出ずに終わってよかったね。」
「だが・・・施設がこのほかにもあると考えるのが妥当かもしれないな。
何せ危険地域に建てておいて警備がモブや人工NPCだけというところが腑に落ちないからな。
とは言いつつも今回の仕事は上出来だと思う。
誰一人諦めずに最後まで行動した賜物だな。」
「うむ!!!じゃけどアタイはお腹が空いてフラフラなのじゃ。
早い所戻ってお腹を満たしたいのじゃ・・・・グゥゥ・・・」
ユキシロはそう言いつつ腹から音がこれ以上響かないようにさすっており、ムクロたちは崩れ落ちる地面に目をやってからキャレットたちの待つ拠点へと戻って行った。
「む、ムクロッち!?おかえり!!!大丈夫だったんだね!!!
さすがムクロッちだよ!!!本当に・・・通信ができないから心配したんだからね!!!本当に・・・この後のイベントダンジョンが台無しになるところだったから心配で心配で・・・・」
「あはは・・・ムクロ君をイベントダンジョンに誘うつもりだったんだね・・・
でも、これだけ軽傷ならこれからイベントダンジョンに潜るのに問題ないね。
よ~し!!私もそれに参加しようかな。」
「そ、そう言う事なら私も同行しよう。
話によるとムクロはボスクラスのモブにボッコボコにされていたらしいじゃないか。
そのダメージが影響しないとも限らないんだ、だから私たちを頼ってくれていいぞ。」
「そう言う事なら私の出番ですねご主人様!!
さぁこちらのラボへどうぞ!!!ご主人様の体をくまなく検査して異常個所を治癒させましょう!!
さぁどうぞ!!さぁさぁさぁ!!!」
「わかったからそんなに手を引かないでくれ。
それよりも任務報告だキャレット。
俺たちは時限爆弾の設置と施設の破壊を完了させた。
その中での戦闘は限りなく一般プレーヤーを対処するレベルの物だった。
だがあれだけ大掛かりな施設をただのモブだけを置いて守らせるのは不自然だ。
何せ・・・生きた相手側のプレイヤーが1人もいなかったからな。」
ムクロの言葉にキャレットは眉をひそめて考え。
ぼそりと違う場所に本当のブラックアクアリーゼを作成している施設がある可能性があるとだけ言って今回の任務はコレでおしまいと手を振りながらラボから出て行き。
ムクロはもう待ちきれないとレイの剛腕装甲で持ち上げられて運び込まれ。
―――――――――けがをしている部分の治癒が始まった。
「ご主人様、こんなところにもケガが・・・・ここまでご主人様が負傷すると言う事はそれだけ相手が強かったと言う事でしょうか?」
「いや、そういうわけじゃない。
単純に相手の行動が俺の予測を超えていた・・・・ただそれだけだ。
もっと戦闘に意識を向けて戦いたかったんだが、やっぱり警備の薄さが気になってな。
そんなことを考えていたらこのザマになったって言うわけさ。」
「本当にウソと隠し事を言うのが下手ね。
どうせムクロの事だからユリハにケガをさせたくないからワザと攻撃を受けたりミストやユキシロの事を考えてたんでしょ?
本当にばばれバレなのよムクロは・・・で、ケガの方はどうなの?」
エリエントはレイにムクロの体具の合を尋ねると。
大きく目立った外傷はないと言ってスキャンした体のダメージ図を見せて納得させると。
エリエントは部屋から出て行く際にクーリアたちはホームでクエストに向かう準備して待っていると呟き。
遅れないようにと言う事を強く言って出て行き。
ムクロは後どのくらいで治癒が終わるのかレイに尋ねていた――――――――――
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