第438話 情報の隠蔽工作
――――――――――――――中級層:コテージ内
ユリハの流れるような作業で出来上がったパスタを2人でダイニングに運び。
ムクロはさらにドロップしていた低ランクの果実酒をグラスに注いで準備をし。
ユリハと果実酒で乾杯してパスタをた一口食べると・・・・
「ウマイ・・・さすがユリハだな。
本当に食材をユリハに任せてよかった・・・俺だと本当に串焼きレベルだからな。
それにしても本当にいい味付けだ。」
「エヘヘ、ムクロ君がそんなに喜んでくれて私も作った甲斐があったよ。
うん・・・いい味になってる。
料理とは関係ないかもだけどムクロ君が用意してくれたこの果実酒も美味しいよ?私、きっとお酒が強くないと思うんだけどこの果実酒は好きだよ・・・甘くておいしいから。」
ユリハは果実酒の入ったグラスをちまちまと飲み、ムクロも同じように果実酒を飲みながらパスタを食べ―――――――
「ふぅ~~あぁ・・・美味しかった。
あれだけ食べた後でも食えるって事はユリハの料理はやっぱりすごいな。」
「うん、ありがと・・・でも、ムクロ君が持ってた食材の質が良かったのもあると思うよ?
食材アイテムはドロップしてから時間経過で質が下がるから。
本当に色々とタイミングが良かったのかもしれないね。
それじゃ・・・食べ終わったら片付けしないとだね。」
ユリハは自分の食べ終わった皿を盛って運ぼうとした時、急にフラッと力が抜けたかのようによろめき。
ムクロはユリハが倒れるギリギリに間に合い・・・何とかユリハを受け止めると。
食事の際に飲んだ酒が回っているのかユリハは立ち上がる事が出来なくなっておりムクロはユリハをソファーに寝かせてから1人で洗い物をしていると―――――――
「ご、ごめんねムクロ君・・・・私お酒に弱いのに無理して沢山飲んじゃって・・・本当にバカだよね私って。」
「そんなことない・・・誰だって楽しかったらよく飲んだり食べたりするし。
それに俺なんかでそれだけ楽しいって思ってくれるだけで俺は嬉しい。
だからその・・・もう少しだけ待っててくれ、あと少しで終わるからさ。」
ユリハとの距離があったがムクロの言葉を聞いたユリハはニコッと笑みを浮かべ。
ムクロが戻って来るのを待っていると、急いで洗ったのか服がびしょびしょになっていたムクロを見てユリハは酔いながらもクスクスと笑いを堪えられずに噴き出した。
「ご、ごめんね・・・だけど・・・フフ・・・ムクロ君って必死になると自分の状態も見てないんだね。
でも、その状態を見ただけでわかるよ・・・ムクロ君が私の為に急いでやってくれたってこと。」
「あぁ・・・急いで洗い物をしたら水が跳ねてな。
このコテージに2階があるんだが・・・そこが寝室かもしれないからちょっと見てくるからユリハはもう少しここで待って・・・・ん?どうしたんだ?」
ユリハは1人で2階に行こうとするムクロの服を掴んでダメと言い。
2階に行くのなら自分も連れて行って欲しいと頼むが、ユリハは酔っていて歩けないとムクロが指摘するとそれならばとユリハはムクロにおんぶを注文してムクロはユリハと共に2階へと向かった。
「とうちゃ~く!!わぁ~2階って思ってたよりも広いんだね。
ムクロ君、そこのベッドで降ろしてくれるかな?」
「わかった・・・ここでいいか??おわッ!?ユリハ??」
ユリハをベッドに降ろした瞬間、ムクロはユリハにぎゅっと抱き着かれ。
そのまま態勢を崩して前に倒れるとユリハはムクロにのしかかる態勢になっていた。
「ムクロ君・・・私・・・ふわぁ・・・・」
「おい!?ユリハ!?寝てる??のか??」
ユリハは何かを言いかけていたが最後まで話し切る前に意識が途絶え。
ムクロの胸に倒れて眠りについていた。
その状態のユリハを置いたままログアウトできないとムクロはユリハをベッドに入れ、ムクロはその隣でユリハの頬に触れ・・・小さな声で「おやすみ」と呟いて眠りについた。
そして、それから時間が過ぎ・・・早朝、ムクロは何かにささやかれて目を覚ますと。
隣で寝ていたユリハに顔をツンツンと突かれており、ムクロは笑顔で返した。
「ムクロ君、おはよう。
昨日は少し飲み過ぎちゃってごめんね。
本当はもっといろんなことを話したかったけど・・・今回は私がハメを外しすぎちゃったから・・・・エヘヘ。
でも、また今度こうやってお泊り会が出来たらいいなって思うんだけどどうかな?」
「あぁ、そうだな・・・今度はクーリアたちも呼んだらにぎやかになるかもしれないな。
って、うわ!?なにするんだ!?」
ムクロの回答にユリハはムッと腹を立ててムクロにポカポカと打撃をくわえ。
スッキリしたのかそろそろ現実に戻らないと遅刻すると言うことで2人はまた学校でと言ってログアウトし。
ムクロはそのまま姉さんがいるであろう台所に向かうと・・・・
「あれ?悠ちゃん・・・今日は自分で起きれたの?
でも顔がまだ寝坊助さんになってるよ?」
「あはは・・・さっき起きたばっかりだから・・・ふわぁ~。
ん~~それじゃ完全に起きるために顔でも洗ってくるか。」
そう言って悠一は顔を洗って準備を整えて戻って来る頃には朝食の準備ができており。
2人は揃って席について朝食を済ませるといつものように学校へ向かった。
学校へ向かう道で由里達と合流した悠一たちはグロリアの話で盛り上がりながら昨日こられなかったヴァニスが羨ましそうに語っていたことも話題に上がり。
今日のグロリアでヴァニスに振り回されるのでは?という所まで話していると学校へ到着しており・・・悠一たちは自分たちのクラスへ向かうと・・・・
「なぁ、聞いたか?2年の先輩が改造されたブロッサムを使ってたって言う話。」
「え?あれってウソじゃなかったの??」
「実はどこかのクラスの1年生?らしき連中がその先輩との戦闘をしてた時に警察のような連中に捕まったらしいんだ。
その際にその警察の人が改造ブロッサムとか言ってたから事実だそうなんだけどその件に関わってた1年生たちはすぐにどこかに消えて誰が関わってるのかわからないそうだって言う話だ。」
「でも、そう言う事に関われるってウチののクラスの悠一君が関与している感じがするけどどうなんだろ?」
「悠一はただのグロリアオタクだからそういうのには関与しないんじゃないか?
なぁ、悠一はその件は知ってるか??」
「い、いやぁ~~あはは・・・初耳だ。
最近はソロプレイで忙しくてな・・・・」
「ぷくく・・・こういう時にソロプレイが隠れ蓑になってよかったじゃん。
にしても・・・グロリアオタク・・・・フフ・・・悠一の2つ名にしては完璧じゃん。」
「そうね、だけどここまで情報が出ているって言う事はそのうち私たちの事もバレる可能性があるけどそそのの辺は大丈夫なのかしら?」
コトハの不安な言葉に悠一はめ今朝届いていたメールの内容を
を2人に見せた。
「へぇ~如水さんの処置でニセの情報が流されるんだね。
本当に国の連中はこういう時に強いよねェ~
情報の撹乱に隠蔽、改変・・・本当に現代のチート集団ってところかな?」
「面白い例えだけど言い過ぎると如水さんに怒られるわよ。
でも、これなら私たちがあの男とやり合っていたと言う事は出てくることはないわね。」
「あぁ・・・それとは別に
まぁどちらにせよ何もないって言う事は今のところ自由にしてろって言う意味だろうから何か発展があるまでいつも通りにしていよう。」
と、色々と話しているとホームルームが始まり・・・悠一たちの何気ない学校での日常が始まりを迎えた―――――――――
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