第437話 ユリハの料理マスタリー

――――――――――――――中級層:バーベキュー会場


 エバーシェルとの戦いが終わり、モブ動きが収まりを見せた所でユリハ達の元へと戻ったムクロたちは何が原因でモブ達が暴れていたのか説明すると。

他のモブが向かってきていない事から納得し、ムクロはユリハと共にコテージに入って一息つくことになった。



「お茶が入りましたのでどうぞ・・・・」

「レイちゃん、ありがとう。

にしてもそんなにすごいモブがいたなんて・・・ユキシロたちはどうやってそのモブを見つけたの?

あと、聞きそびれてたんだけどムクロ君がまた無茶なことしてないよね・・・・・」

「い、いや・・・俺は今回なことはしていない・・・はずだ・・・あはは・・・」

「ぬぅ??無茶??主殿はそりゃ~もうすごいモブの攻撃をかいくぐってアタイたちを窮地から救ってくれたのじゃ。

自身がモブの懐に飛び込んでのぉ~~」

「ユキシロ!?シッーーーーそれは言っちゃダメだって話し合ったヤツだよ!!!あ・・・・・えへへ・・・ゴメンムクロ・・・言っちゃった・・・」

「ほう・・・どういうわけかしっかりと話してもらう必要がありそうだな・・・・ムクロ??」

ミストたちの声が急に恐ろしくなり、ムクロたちはそっと目線を合わせると目が光っており・・・まるで蛇に睨まれている様であった。



「ぐぅ・・・わかったのじゃ・・・全部話すのじゃ。

じゃが、主殿はアタイたちを助けるために必死になってやった事なのじゃ。

じゃから主殿を怒るのであればアタイたちも同じ様に怒って欲しいのじゃ。」

「えぇ!?私も!?で、でも・・・・そうだね・・・私たち3人で戦ったんだから同罪だよね。

うん!!私もムクロが叱られるのなら一緒に罰を背負うよ!!」

「何だが随分と仲がいいけど・・・本当にモブを倒しただけなのかしら??

この様子だと他にも何か隠してたりしてないのか本当に気になるわね。」

「だけど、この2人が無駄に庇うようなこともしないと思うし。

私は信じてあげてもいいと思うわ。

そこそこの付き合いだからね、べ・・・べべつに勘違いしないでよ!?

私は別にムクロがどうなろうと知ったこっちゃないし怒られても反省しないっていうのも知ってるから怒られればいいと思うけど。

この2人がそれに付き合わされると思うと可哀そうって思っただけだからね!!」

「ぷくく、本当にアヤカって面白いねぇ~~

そのツンデレがいつか恵まれると良いね!!!うわぁ!?何すんのさ!?」

クーリアが悪意のある笑みを浮かべながらアヤカを笑うと、アヤカは懐からハンドガンを取り出してクーリアの足元に威嚇射撃を行ってコテージから出て行くと。

レイが立ち上がって話の続きをと言ってファムたちに洗いざらい喋られて協議の結果・・・・・



「話を聞いた所、アイテムとの関連性から本当の様だな。

それと・・・今後何かあれば私たちにチャットなり呼び掛けるなりして欲しいものだ。

そりゃ言えない状況もあるだろうが、それはそれこれはこれだ。

あまり私たちを心配させないようにと言う事だ、以上!!」

「私もミストと同じ意見だよ。

呼べる状況なら私たちを頼ってね!!協力し合うのが仲間なんだから!!」

「うんうん!!このマジカルクーリアちゃんのスペルが必要とあればいつでもじゃないけどいつでも呼んでよ!!!

レアアイテムが絡むのであれば確実に行くから!!絶対に!!絶対にだよ!?」

「はぁ~本当にクーリアはすぐにレアアイテムレアアイテムって・・・少しは欲望を抑えて何か言えないの??

で、3人は何か言う事はあるかしら??」

「ぬぅ・・・危ないマネをして悪かったのじゃ・・・・」

「私もごめんなさい・・・多分もうしないから・・・」

「その・・・俺の時だけ全員で見つめるのは止めてもらえないか?

それだけ見つめられると言い辛いんだが・・・・」

ムクロの言葉を無視しながら見つめるユリハ達を前にムクロも謝罪をすると。

レイの掛け声によって今日はコレで解散することになり。

ミストたちがログアウトする中、ユリハはムクロにチャットを打って待つようにと連絡し・・・・コレージ内には2人だけしか残っていなかった。



「レイちゃんやユキシロたちも帰っちゃったし・・・ここでお泊り会はどうかな??

クエストの特別フィールドだから他の部外者は入って来られないし・・・・」

「俺はユリハがいいのなら構わない。

ユリハの願いを効くのが約束だったからな。」

ムクロはユリハの言葉に同意し、ソファーに腰掛けるとユリハも隣にちょこんと座り・・・・緊張しているのか言葉を発しようとせずに時間が流れ――――――



「あ、そうだ・・・私お茶でも入れてくるよ!!

ムクロ君、何がいいかな?」

「そうだな・・・ユリハのお任せで頼む。

――――――――えっと、俺も手伝おうか?」

ユリハにだけ動かせるのも悪いと感じたムクロはユリハに手伝おうかと尋ねるが、予想通りの言葉でムクロはソファーに座っているように言われ。

戻ってきたユリハはいい匂いのする紅茶を淹れてきていた。



「はい、ムクロ君・・・レイちゃんみたいに美味しいかわからないけど・・・あはは。」

「ズズ・・・うん、ウマイ・・・ユリハが下手なわけないさ。

料理があれだけできるんだからな。

それにしてもあの事件はどうなったんだ・・・・キャレットからの連絡もないままで少し心配だな。」

ムクロは紅茶に口を付けながらユリハに語ると、ユリハは少しだけ嫌な思い出が蘇ったのか暗い表情を浮かべ。

それに気が付いたムクロはユリハに謝った。



「ユリハ・・・ごめん・・・そういうつもりで言ったんじゃないんだ。

ただ、アイツが何の処置もされないままここに戻って来ると考えてただけで・・・・ユリハに辛い目にあった事を思い出させるつもりは・・・・んぶ!?」

「うん・・・わかってるよ・・・ムクロ君は優しい人だから。

だから私の不安が収まるまでギュってして・・・・」

ムクロよりも不安を感じていたユリハはそのままいれば泣き出してしまいそうと感じ、ムクロの胸に飛び込んで抱きしめると。

そのユリハの手や体は震えて怯えている様子からムクロはユリハをぎゅっと抱きしめた。



「ムクロ君にこうやってもらってると本当に安心するよ。

もう大丈夫だよ・・・ムクロ君からパワーもらったから。」

「本当に大丈夫か?辛くなったらいつでも言っていいから。

あと、その、これなんだが・・・さっき3人で倒したモブからドロップした食材なんだが調してくれないか?

俺ってこういうの焼いたりする以外に何もできなくてさ・・・ユリハの料理マスタリーに任せたいんだけど・・・どうだ?」

ムクロはアイテム欄からドロップしていた食材を取り出して見せると。

そのアイテムはカニの肉で、ユリハはその食材アイテムを見ながら持ってきていた食材アイテムとキッチンにある器具を見てから何かを閃いたのか「任せて」と意気込んで食材をキッチンへ持って行くとユリハの調理が始まった。



「ムクロ君は料理マスタリーが低いからここで見ててね。」

「ハハっ・・・マスタリーが低いって言ったのは自分だけあってユリハに

に面と向かって言われるとなんだか少し傷つくな・・・アハハ。」

ユリハは少し言い過ぎたと言って謝りつつも手を動かしててきぱきと食材に手を加えて行き。

モノの数分でカニと野菜のクリームパスタを作り上げていた――――――――

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