第408話 ヴァニスの観察眼
―――――――――――――――第3ウェーブ:戦闘中
ムクロがモブとサシでやり合っている最中・・・ユリハ達は何とかモブを倒してミストたちの方に合流すると。
ライザーたちはこの状況だと足手まといになるからと言ってギルドの様子を確認するために後方へ下がって行くと。
ヴァニス達もムクロとモブの激しい戦いに魅せられていた。
「ハァァァ!!!!ゼイアァァアァァァァ!!!!!」
「グオオオォォォオォォ!!!!!」
「ねぇ!?本当にすごい戦いだけどこれって大丈夫なんだよね!?
ムクロがここまで苦戦してるのって初めて見たんだけど・・・・」
「苦戦・・・そうね・・・苦戦と言えば苦戦よね。
本来の武器があらばすぐ倒しているんだけど。
別にユリハを攻めてるわけじゃないわよ?
ただムクロは少し楽しんでいると言うのかしらね?
フフ、よく見てみるといいわ・・・・・あの戦闘の中――――――」
「ムクロ君が・・・・笑ってる!?
あんなにも苦戦して一歩間違えればやられちゃいそうな戦いの中で笑って・・・・
フフ・・・本当にムクロ君は強いモブとかプレイヤーに目がないって言う事だね。
本当、参っちゃうなぁ・・・・私の目指す先の人はまだまだ上の方の存在なんだね。」
「じゃが・・・いつカバーに入ればいいのじゃ!?
いくら待ってもカバーの合図どころかスキすら見えないのじゃ!!!
いっその事今から攻撃に入るの何てどうかのぉ?」
「それは駄目だと思うなぁ。
あの状況で無理に乱入したらムクロの足手まといになるだけだよ。
それにあの2人の動きのスキを突いて入る方が難しいと思うから止めておいた方がいいよ。」
「私はスキがあったとしても乱入したくないわ。
だってあんなに強そうなモブに攻撃した所で私の攻撃何てゴミのようなものじゃない。
それなら始めから攻撃何てしないで見てるだけでいる方が・・・・」
「コラ!!!なに弱音を吐いてるの!!!
今目の前で戦っているムクロに聞かせる言葉じゃないでしょ!!!
この状況からどうチャンスが転がり込むか考えるところよ。
そういうネガティブな発言は駄目よ?わかった?」
アヤカの注意にヴァニスが小さな声で謝ると。
アヤカに言われた通りにムクロとモブの動きに注意をして見ていると。
ヴァニスはモブの癖を見つけて口に出した。
「あのモブ・・・攻撃をする際に武器をギュって握り込む際に足にすごい力を入れてるから。
そこを狙えればスキができるんじゃないかな!
私ってば高貴でやっぱり天才じゃない!!!」
「なるほど・・・ヴァニスにしてはいい目をしてるわ。
ムクロ聞こえたのならモブの剣を弾き返して攻撃を当てなさい。
フフ・・・聞こえてるみたいだからこのまま言うわ。
ヴァニスの見つけたモブの癖に攻撃を仕掛けてみるからムクロはそのまま攻撃と回避を頼めるかしら?
大丈夫そうだったらそのモブに打撃をかましなさい。」
「ぬおッ!?本当に主殿がエリの言葉通りに攻撃したのじゃ・・・・
コレが長く共にプレイをしたからこそできる会話かのぉ?」
エリの話を聞いたムクロはモブに攻撃を繰り返していると。
ヴァニスはじっと機会が訪れるのを静かに待っていると――――――――
「次のモブの攻撃モーションで来るよ!!!」
「よし・・・・そこだッ!!!!いけぇ!!!!」
「ハハッ・・・・本当にヴァニスにしてはいい読みだ。
さぁみんなで一気に倒そうぜ!!!」
モブの動きを読んだヴァニスの合図からミストが行動の指揮をとり。
その攻撃のスキを突いてミストがモブに一撃を叩き込んで怯ませ。
その次にユキシロにヴァニスと続くようにスキルを叩き込み。
最後の一撃とばかりにムクロとユリハの剣技が炸裂すると、モブの体力は消滅し。
その巨体を寝転がせて消えていた。
「や、やった!?強化モブを倒したよ!!!
エリももっと喜んだら??素直じゃないとムクロッちに嫌われちゃうよ?」
「余計なお世話よ。
それに喜ぶにはまだ早いわ・・・アレを見てみなさい。
モブの群れがこっちに向かってきているわ。
アヤカ・・・あの群れの進行方向はどうなってるのかしら?」
「私の勘で答えるのならエリたちのいる方にまっすぐ向かってきているわ。
だから全員気を緩めない方がいいわよ。」
「ぬぅ・・・強化モブの後もまだまだ戦いが終わらぬとは。
今回のウェーブ戦はいつもよりも楽しめそうなのじゃ!!」
「わ、私はさっきの戦いで足がガクガクなんだけど!?
少しくらい休ませてよね?どれだけ私が高貴だからといっても連戦は大変なんだけどなぁ。」
「だが、この戦いが終われば後は楽になるんだ。
だからあと少しだけ頑張ろう。
ほらほら、早くしないとモブと接触してしまうぞ?」
ミストの掛け声にヴァニスはがむしゃらにやってやると叫ぶと。
ムクロたちも装備のチェックをし始め、エリとクーリアにバフをかけてもらい待っているとモブの群れがまっすぐに向かって来ていた。
「それじゃ・・・こっちの準備もできてることだし。
いっちょ派手に乱戦と行くとするか!!」
「うん!!!ここまで来たからには私もムクロ君や皆と最後まで戦うよ!!
さっきの遊撃でムクロ君にまた抜かれちゃったから今度はここで追い抜いちゃうんだからね!」
「ハッハッハ!!!ユリハ達はそう言えばポイントで競争しているんだったな。
この2人にモブを全部持って行かれないように私たちは私たちで頑張らないとな!!」
「だねぇ~2人ばかりに良い格好はさせられないし。
私たちも目立てるのであれば目立ちたいし?だから・・・2人とも覚悟してよ!!!」
「そう言う前にあの2人は駆け出して行ってるわよ?
ミストにユキシロたちもね。
本当に戦闘が好きなんだから・・・・アヤカはこれからもモブの動きに目を光らせておいて。
いざって時に作戦が立てやすくなるから。」
「了解・・・私の援護が必要だったらいつでも呼んで。
できる限り援護射撃したげるわ。」
と、アヤカが言ったそばからヴァニスが手を上げてぴょんぴょんと跳んでおり。
アヤカは爆発しかけているモブの脳天に銃弾を叩き込んでいた。
「ヴァニスはもっと連携して攻撃しないと駄目よ?
このモブはさっきのと違って自爆するスキルを持ってるって事を忘れないで。」
「わ、わかってるわよ!?
ちょっとやり過ぎたなって思ったらすぐにスキルを発動してきて大変だったのよ!!!
だけどあの2人は本当にすごい戦いっぷりね。」
「アタイたちもいつかはあのようになれるようこれからも精進せねばならぬのぅ。
と、言う事で・・・・アタイの拳が燃えてきたのじゃ!!!
ウラァァ!!!ウラァァァ!!!」
「ユキシロの攻撃してるモブがそろそろ自爆スキルを使いそうだから援護するよ!!
―――――――――ブレイクランス!!!」
ユキシロの乱打するモブの体力を気にしたファムはユキシロの戦っているモブの援護攻撃に出ると。
ファムの攻撃に続くようにユキシロもスキルを叩き込み消滅させてからヴァニスの方に来ているモブの対処に向かって行った。
「ていやッ!!!!!ていッ!!!
――――――――――
「ナイスキルだ!!!
それじゃ俺も・・・ブレイブダンス!!!!
ゼイゼイゼイゼイゼアァァァァァ!!!!!!ゼアァァァ!!!」
「私も混ぜてもらおうか!!!
――――――――アークブレイク!!!!」
前衛で戦う3人はモブを次々に倒していき。
ムクロたちの方にいたモブを狩り尽くすと、クーリアやエリ達のいる方へ戻りながらモブが隠れていないか探してクーリアたちと合流したのだが。
ユキシロとファムたち3人が逃げ出したモブを追ってから戻っていないことを知るとムクロたちはユキシロたちが走り追いかけて行った方へと走って後を追い始めた。
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