第409話 不意打ちによる負傷

―――――――――――――――第3ウェーブ:追跡中


 ユキシロたちが追いかけて行った場所に向かうムクロたちはアヤカに3人がいる場所を探してもらうと。

走っている方向でユキシロたちはモブに囲まれて危ない状況だと知らされると。

ムクロたちはさらに速度を上げて走り出し。

アヤカも援護射撃でモブを散らそうとして撃ったのだが効果はなく。

ヴァニスたちは少しずつ攻撃を受けて体力が少しずつ減っていた。


「きゃぁ!もう・・・・本当に最悪じゃない・・・・

モブを追いかけていたはずが罠にはめられていたなんて。

高貴な私としたことがみんなを巻き込んじゃってゴメン・・・・」

「ううん!!ヴァニスは悪くないよ。

私たちは最後まで一緒だから最後の最後まで戦お!!

それにきっとムクロが私たちの事を探しに来てくれると思うから。」

「ぬぅ・・・じゃがここはさっきの場所から離れておるのじゃ。

主殿でも探して辿り着くのは大変かもしれないのじゃ。

じゃ、じゃが!!!アタイたちは主殿が来なくとも戦い抜いてみせるのじゃ!!!ヌラァァアァァァ!!!!ぐはッ!?同時攻撃・・・のじゃ!?」

ユキシロが攻撃を仕掛けた瞬間、左右から高速で移動してきたモブの攻撃を受けてしまい・・・・ユキシロはダメージの重さから倒れ込んでい待っていた。


「ユキシロぉぉぉ!!!ぐッ・・・・私の仲間に手は出させない!!!

ハァァァァ!!!!!テイテイテイテイッ!!!!

ユキシロ!?大丈夫!?ファム!!ユキシロは何とか息をしてるけどすごく危ない状態だから手を貸して!!」

「うん!!!任せといて!!

――――――ファイヤーナパーム!!!」

ファムのスペルでモブ達を退かせることができたが・・・まともに立って歩けないユキシロを置いて逃げるわけにもいかず。

ヴァニス達はユキシロを守りながらモブを倒すことができるのかと悩んでいると。

ユキシロはヴァニスの足を掴み――――――――――


「ヴァニ・・・ス・・・・逃げるの・・・・じゃ・・・・

アタイを・・・・置いて・・・逃げて主殿と・・・合流するの・・・じゃ・・・」

「何をバカなこと言ってんの!そんなことできるわけないでしょ!!!

私にできた大切な仲間を・・・私を大切な仲間だと言ってくれたユキシロを置いて私だけ逃げるなんて絶対にできない!!!」

「うん!!!私も同じだよ!!!

ユキシロがどれだけ言ったとしても私たちがこの状況を何とかして見せるから。

ユキシロはそこで休んで見てて!!!」

ファムとヴァニスはユキシロを囲み守る形で陣形を作ると。

出てこない事を知ったモブ達が一斉に攻撃を仕掛けてきた。


「ぐぅ・・・・何とか耐えた!!!

ファム!!!カバーをお願い!!私はそっちのガードに行くわ!!!」

「うん!!!ムクロたちが来てくれるまで絶対に負けられない!!!

だからムクロ・・・・早く来てッ!!!!」

「の・・・・じゃ??」

「よし、3!!!

ユキシロが負傷してるからエリとクーリアは全力で回復をしてやってくれ。

後のモブは俺が片付けるからユリハ達はヴァニス達とユキシロの回復の邪魔が入らないようにしてやってくれ。」

「ユキシロがこんなになるなんて・・・・ぐッ・・・ムクロ君も気をつけてね!」

「よし、ムクロの指示通りに私たちはユキシロのガード役に回ろう。

絶対にユキシロに近づけさせないようにするんだ!!」

モブの攻撃の最中にムクロたちが飛び出して不意打ちを行うと。

ムクロの指示で動き、ムクロは単身で武器を構えてモブの群れに突撃した。


「ぐぅ・・・・主どの・・・・そのモブは・・・不意打ちを・・・・してくるのじゃ・・・・」

「ちょっと動いたら駄目だってば!!!

大丈夫ムクロッちは無鉄砲に見えるけど今のムクロッちはかなりイケてるから!!!」

クーリアの言葉通り・・・ムクロはモブに攻撃を加えた瞬間に左右のモブの攻撃をかわしており。

目の前のモブに連続攻撃を叩き込んで一気に消滅させると、次に右から左と攻撃を仕掛けて倒すと。

モブの方も負けられないとばかりに一気に数で攻めてくるが―――――――――


「そう来ると思ってたぜ!!!

なら・・・俺も一気にやらせてもらう!!!

――――――――クイックシフト!!!

―――――――――――――ブレイブダンス!!!」

「ムクロやっちゃえ!!!

そうだ!!!そこだそこ!!!ムクロって本当にすごいね!!

あんなだけのモブを1人でやっちゃうなんて。」

「フフ、ファムもムクロのように強くなりたいのなら私のトレーニングメニューでも受けてみる?

すっごくキツいと思うけど・・・・クリアすれば強くなれるわよ?」

「止めといたほうがいいよファム・・・・ムクロッちが言ってた内容によると。

今の私たちができないようなことを平然とやらせるって言ってたからね~

あそこまで行くと拷問だ・・・とも言ってたよ。」

「アハハ・・・そんなことを話している間にもムクロ君はモブを本当に全部倒しちゃったね。

お疲れ、ムクロ君!!ユキシロの体力と傷の手当は大体が完了してるよ。」

ムクロが戻って来るとユリハはユキシロの方に通し。

バンテージで巻かれたユキシロの頭をムクロが撫でると、アヤカに近くにいるモブの確認をしてもらい。

その間にムクロはヴァニスとファムたちにケガはなかったかと問うと。

ヴァニスはムクロの前に現れて頭を下げて謝り始めた。


「ゴメン・・・私が勝手な行動をしたばっかりにユキシロをこんな目に合わせちゃって・・・・本当にごめんなさい。」

「ヴァニスの行動はどうあれ状況に合わせて最善を尽くしてこうなったんだ。

それに・・・ユキシロにヴァニス達も無事だったんだ。

本当によくやったと俺は思う。」

「そうだよ!!ムクロ君の言う通りだよ!

ヴァニスちゃんとファムはユキシロから逃げずに戦って・・・・

本当に本当にすごいことをしたんだよ!!」

「そうね、もしもクーリアが倒れていたら私は放置して帰るけど。

本当にヴァニス達はこの最悪な状況でよくやったと思うわ。」

「ねぇねぇ・・・さっきサラッと私を見捨てるとか言わなかった!?

私はエリのなんなのさ!!!ねぇ~ムクロッちはこんな状況になっても私を見捨てないよね?ねぇ?」

「フッ・・・ムクロの事だこの場にいるでもムクロは1人で戦うだろうな。

どれだけ私たちが強く罵ろうともムクロは絶対に言う事を聞かないだろうな。」

ミストの言葉にユリハ達も納得しながらムクロの方を見ると。

ムクロは苦笑いしながら拒否できずにいると、アヤカからの通話が入り。

モブはライザーのギルドらしきグループと戦っているのが近くにあるだけで他にモブの気配がないと言う事からユキシロが立って走れるようになるまでこの場で休息をしてから移動することとなり。

その間、ムクロは武器の手入れを始め。

近くにモブが来たら知らせるようにアヤカに頼むと・・・・さっそく1体のモブが現れていた。


「ったく・・・本当にこの種のモブはプレイヤーを見つける探知能力が厄介だな。

このモブの相手は俺が・・・・・」

「いいや、ムクロは下がって休んでいろ。

これはお姉さん命令だ・・・いいな?わかったな?ハイは?」

ミストがやる気満々のムクロの前に割って入り、ユキシロの方で休むように強く言い聞かせると。

ムクロはこの場をミストに任せると言ってユキシロの方に下がると、代わりにとユリハがカバーを手伝うと言い出し。

2人はモブに向かって攻撃を開始した―――――――――――

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