第407話 装甲に隠されたモブの真の姿

―――――――――――――――第3ウェーブ:戦闘中


アヤカの見た影の正体は分からず仕舞いであったが、ミストたちに新手がやってきていることを知らせると。

ミストたちはいつでも交戦ができる準備を始め。

その動きにライザー達も手を貸すと言って近づいてくると。

アヤカが見た影の正体がミストたちの前に現れた。


「グガァァァァアァァァ!!!!!」

「のじゃッ!?装甲でガチガチの鬼が来たのじゃ!!!

しかも・・・そこそこに大きいのじゃ・・・

それに武器も当たったら危ない匂いのする大剣・・・・これは主殿が欲しい場面じゃの。」

「で、でも・・・ムクロたちは遊撃をして回っているんでしょ?

この状況でムクロたちを呼ぶなんてことできないし。

やっぱりアレかしら?私たちだけで処理しないといけないのかな?

言わせてもらうけど・・・・こんなの私、ゼツタイに無理だから!!!

さっきまでは何とかパターンが分かったけどあんなの喰らったら終わりって言う武器を持ってんじゃない!!」

「だが・・・ムクロたちが来るまで逃げることもできないからな。

それに・・・きっとムクロはここへだ。

何せムクロは強敵を嗅ぎ取る嗅覚がいいからな。」

「それは言えてるね。

ミストが戦うって言うのなら私もお供するよ。

ヴァニスも足が少し震えてるだけで目はまだ生きてるから大丈夫。

多分、バフとデバフのかかり次第でヴァニスもちゃんと動いてくれると思うよ。」

「そうは言ってもね?

装甲が邪魔でデバフが効果をなさないからまずはあの装甲を取り除く必要性があるわ。

それにはまず・・・デバフはデバフでもデバフを撃つしかないわ。

―――――――――――アーマーブレイク!!!」

「それじゃ私はみんなにバフを与えつつスペルで装甲の弱い個所を狙ってみるかな。

アヤカも私のスペルで何か気付いたことがれば攻撃してよ。

何か突破口が見つかるかもしれないしさ?

それにしても・・・・ムクロッちたちはこんな状況でどこで油を売っているんだよ!!!!!

――――――――――サンダーハリケーン!!!!」

クーリアのスペルが装甲を纏ったモブに炸裂したのだが。

そのモブの装甲は想像よりも厚かったのか殆ど効果はなく。

アヤカはヘッドショットをすれば効果があると考えてヘッドショットを繰り出すが・・・・・


「なッ!?この距離からの狙撃を剣で防いだ!?

このモブは・・・見た目以上に動きに無駄がないから気をつけて!!!」

「あぁ、どうやらそのようだな。

スペル態勢と言い狙撃の反応速度から見てこれは本当に大変な強敵が現れたな。

それに周りには数体のモブがやって来ている始末・・・・

だが・・・私たちがここで諦める訳にもいかない。

ムクロに任されたんだ・・・最後までやり遂げよう。

いくぞ!!!ハァァァアアァァァ!!!」

「ミストが飛び出して行ったのじゃ!!!アタイたちも続いて攻撃をするのじゃ!!!」

「ユキシロ、左右からモブが来てるからミストのサポートを頼むわよ。

私はこのまま向かってくるモブにデバフをかけつつクーリアとスペルで攻撃に出るわ。

ファムは右のモブを頼めるかしら?」

「わかった!!!私のこの槍にかえてあのモブを倒して見せるよ!!!

それじゃ・・・・いっくよぉ!!!」

「仕方ない・・・面倒だけど私は左をやればいいんでしょ?

こうなれば言われるよりも先に行動ってね。

べ、別に勘違いしないでよ!?ただ目の前のアレがおっかないから左の方を倒してみんなで残りを叩く作戦を考えただけなんだからね!!!」

そう言ってヴァニスは左側にいるモブの方へ向かい。

ミストとユキシロたちとの戦いに邪魔が入らないよう散会して行動を開始すると。

先に行動したためにモブが2人の邪魔にならないところで足止めできており。

その戦いにライザー達も加わってきていた。


「こっちのモブなら俺たちも協力するぜ。

それに・・・あの真ん中のモブはこのモブ共を倒した後でじっくり料理してやらぁ。」

「そうは言っても団長・・・早くしないとあの2人が大変よ。

だからさっさと私たちはこのモブを始末して援護に向かわないと。」

「そうっすよ!!!俺たちのギルドも今頃後方で団長の帰りを持ってるっすよ。

だからココにいるモブを片付けたら一度合流した方がいいっす。」

「ほらほらごちゃごちゃ話してないでデバフとバフをかけてるのだから働きなさい。」

「でも・・・装甲の厚いモブはどうしたらいいんだろ・・・・

ここにムクロッちがいたらいい倒し方を教えてくれると思うんだけど・・・・

本当にムクロッちはどこに―――――――――」

「よっと・・・ん?モブを追いかけてたらすごい所に出てきたな。

装甲付のモブにミストたちにライザーか・・・・ユリハ、今回の遊撃はこの辺で終わりにしてクーリアたちの援護に回ろう。」

「よ、よいしょ・・・ふぅ・・・ムクロ君ってばモブを追いかけるのはいいけど本当に地形を考えて飛び出さないと大変な事になっちゃうよ?

でも・・・みんなと合流できてよかった!」

「ぬぐおぉぉぉ!!!そんな悠長に話している時間はないのじゃ!!!

このモブの援護を頼めないかのぉ!!!」

状況的に両手を塞がれているユキシロにユリハが飛び出してモブを吹き飛ばすと。

ムクロはミストたちが攻撃している装甲の厚いモブに飛びかかり・・・・

その装甲に十字の傷跡を付けると、モブはそのことに気が付くと傷跡をなぞってから叫び声をあげると。

自身の頭以外の装甲をパージさせてモブの本当の姿が現れた。


「これが・・・このモブの真の姿だと言うのか!

それにしてもムキムキの鍛え抜かれた体だな。

でも考えてみればそうか・・・・装甲の重量からして体がしっかりしていないとこれを装備して動けないだろうし当然と言えば当然か。

で、ムクロ・・・・この後のヤツの動きはどうなるんだ?」

「見ての通り装甲を取った後のアイツは防御力が無くなる分だけ早くなる。

だから注意して行動してくれ。

って、言ったそばからヤツが動いた・・・・俺が出るから誰かカバーを頼めないか?」

「ぬおぉぉぉぉ!!!アタイがやるのじゃ!!!

それにいざとなれば後方のアヤカが援護射撃をしてくれるのじゃ!!」

「そうしたいのは山々だけど頭の装甲は未だに装備したままだからヘッドショットは無理よ。

だから胴体に狙い撃つスキがあれば私の特性の銃弾を見舞ってやるわ。

だからそれまでムクロたちで頑張って。」

アヤカの言葉を聞いたムクロは見ているであろう方向にグーサインを送りながら向かってくるモブの攻撃を受け止めてから懐に潜り込むが。

モブの動きの良さはここで発揮されており。

モブはすでに行動の先を読んでいたのかムクロを空いた手で掴みあげて投げ飛ばしていたがムクロは空中で体をひねり上げて威力を殺し。

地面に着地した瞬間にはモブに向かって走り出して攻撃を叩き込んでいた。


「ぬ、ぬへぇ・・・・この攻撃のどこにカバーすればいいのじゃ??

アタイの入るスキがないのじゃ・・・」

「ユキシロ気を抜いちゃダメだって!!!

ムクロッちがカバーして欲しいって言ってたんだからきっとどこかにそのチャンスが必ず来るからそれまで待機だよ!!!」

「クーリアの言う通りだ・・・私たちはムクロが作ったスキを使って一気に攻撃を仕掛けるんだ。

そうすればあのモブを倒すことができるだろう。」

ミストたちはあまりにも激しい戦いを前にただただ武器を構え、いつでも攻撃ができるように待機して待っている事しかできず。

ムクロとの戦いから目を離すことができなかった――――――

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