第398話 鬼の再来
――――――――――――――ウェーブ戦:第2ウェーブ前休憩
近づいてきたユリハ達はまず・・・謝罪から始まり。
必死に謝るユリハに対してムクロたちはユリハ達が謝ることは一切ないと言って顔を上げさせ。
先ほどあった・・・ギーゼルというプレイヤーとの話からこのウェーブ戦で戦ったモブの情報を伝えると。
ミストたちはまずギーゼルと言うプレイヤーとの情報を交換し合い。
それからモブについて話していたのだが――――――――
「で、クーリア・・・ムクロ君は無茶して無かった?
こういう私たちがいないときって大体は大きな無茶をするから・・・・」
「ん~そだねぇ~私が駆け付けた時にギーゼルのスキルに倒れちゃってさ。
そこからムクロッちは私の為にって鬼のように攻撃してくれてさ~~
まぁ無茶をしたかしていないかって言われたら何とも言えないんだよねぇ。
私・・・意識が飛んでたから。」
「なるほど・・・つまりライザーにでも聞かないと本当にムクロが無茶をしていないかがわからないと言う事だな。
だが・・・ムクロの事だ。
クーリアとライザー達の仲間がやられたことに我慢できなかったのだろうから・・・相当無茶をしているに違いないだろう。
それはそれでギーゼルを1人で追い返すとは・・・さすがムクロだ。」
「そうね・・・ムクロを倒したいのならソロではなくて複数人の腕利きが必要になるからギーゼルがどれだけ腕が良かったのかは知らないけど。
1人で戦いに向かった時点でギーゼルの負けは確定よ。」
「そうは言ってもギーゼルは一部の噂になる程に腕の立つプレイヤーだったが。
スキルの鍛錬をしていなかったのが敗因で、動きと戦い方さえ何とかしたら本当に強いプレイヤーになるだろうがその力を他のプレイヤーをキルするために使うのは何だか勿体ないよな。」
ムクロが虚しい表情をしていると、ユリハはムクロの頬をムニっと上げ。
寂しそうな表情をしないでと言われ。
ムクロはユリハに笑顔で返し・・・これからウェーブ戦の第2が始まると言う事で戦闘プランを計画しようと話すと―――――――――
「よぉムクロ。
さっきは助かったぜ・・・いやぁ一時はどうなる事かと思ったが。
今回の件は俺が逃げる形になって悪かった。」
「いや、あの状況でクーリアを助けてもらったんだ。
俺の方は本当に助かったと思っている。
それに・・・一番やり返したかったライザーの気持ちが伝わってきたからな。
だからギーゼルにライザーの分まで借りを返しておいたぜ。」
「で、話はもう少しだけ戻るのだが。
ライザー・・・ムクロはギーゼルとの戦闘で無茶をしていなかったか?
今その話を聞きに行こうかと思っていてだな。」
ミストの問いにライザーはムクロが無茶をしない日はないと高笑いをしながら答えると。
ムクロの肩に冷ややかな手が置かれており・・・・ムクロはそっと振り向くと。
その後ではユリハとミストの光る目があった。
「わ、悪かった・・・無茶をしたのは認めるが。
あの状況だと無茶をする必要があったのは確かだ・・・俺がこういうのは変かもしれないけど。
あの場面じゃ誰でも無茶をしたと思うんだ・・・だから許して欲しいんだが。
―――――――――――ダメ・・・かな?」
「もう!!本当に今回だけだよ?
ムクロ君は本当に私たちがサポートしないと本当にいつか・・・私たちのいないところで消えちゃうよ?」
「そうだぞ?今回は何とか追い返せたからよかったが。
そのプレイヤーが仲間を連れてすぐに戻って来ていたらどうなっていた事か考えないとだな。
だが・・・それ以上にムクロの必死さも伝わった。
だから私も今回の無茶は正しかったものと判断したいと思う。
だけどいいか?別に意味がある無茶だから何でも許すわけじゃないからな!
その・・・仲間の為にと自らを犠牲にする態度は本当にムクロらしくていい事なんだが。
たまには自分の体が傷ついていることも確認した方がいいって言う事だ。
ムクロが無茶をして消えてしまうと・・・守ったモノがどう感じるかとかも考えた方がいい・・・私からは以上だ。
―――――――――――それじゃ作戦の話をしよう。」
そう言ってミストはムクロの頭をワシャワシャと撫でると。
クーリアやアヤカたちと共に話し合いで行動する場所と配置を決め・・・開始まで休憩することになった。
「主殿ぉ~アタイもなでなでして欲しいのじゃ~~
のう?たまにはいいじゃろ?」
「されてたのは俺なんだが・・・ホラ・・・コレでいいか?
にしても・・・次のウェーブ戦のモブは何が出るんだろうな。」
「さっきのウェーブ戦の話によると鬼のモブが出て来たって聞いてたけど。
またその類のモブなのかな?」
「そうとも限らないわ。
私たちが今まで戦ってきたウェーブ戦から考えると・・・また別のモブが出てくる可能性が十分に考えられるけど。
最後のウェーブ3は混合って言うのは変わりはないけど・・・・2の戦いで同じモブがダブることはないと思うわ。」
「でもさでもさ?今回で夜の部のウェーブ戦が終わりなんだよね?
だったら・・・あり得ない事があり得たりするんじゃないのかな??
と、言っても私の想像なんだけどね。」
「それはそれで面白そうだな。
私も鬼のモブと戦ったことがないから戦えるのであれば是非とも戦いたいものだ。」
「えぇ・・・あんな硬くて体力と攻撃力の高いモブと戦いたいって・・・
本当にミストは強い相手が好きね。
私はもう少し弱点が狙いやすいモブがいいわ。」
そう言いながらアヤカは武器の調整をしており。
ムクロたちも休憩の時間を利用して武器の調整とアイテムの補給を済ませると・・・ウェーブ戦の開戦時刻となり。
いつでも出られるように待っていると・・・フィールドの先では第2ウェーブで戦うモブが現れていたのだが。
そのモブは第1ウェーブで戦っていた鬼のモブであった。
「本当に第2ウェーブも鬼って・・・また面倒なことになったわね。
ミストの希望がかなったのだけれど嬉しい?」
「あぁ!もちろんだとも!!硬さと強靭な強さを誇る鬼と戦えるとなると・・・本当にいい鍛錬になるからな。
ユリハも気合を入れて行こう!!」
「え、うん・・・でも・・・なんだか本当にすごく強そうだけど私でも大丈夫かな?」
「何を今さらなことを言ってんの?ユリハは私たちの中でムクロと1、2を争う強者なんだよ?
そんな力量を持ったのが今さらビビる事なんてないじゃん!!
ユリハらしくガツンと突っ込んで戦えば良いと思うよ。
バックは私たちに任せてムクロと一緒に前は頼んだよ!」
「ぬあッハッハッハ!!!アタイも前に出て主殿と一緒に戦うのじゃ!!!」
「と、言っても私たちは左右にいるモブをバックに入れないようにするディフェンダーの役目だけどね。
だけど・・・ムクロの考えた作戦だから頑張らないと。」
「また鬼とか運営は本当にバカなんじゃないの?
私たちがどれだけ必死に戦ってきたか知らないんじゃ・・・・
でも・・・ポイントの付き具合から見て相応な数値が付いてるからあまり文句も言えないけど・・・こんなハードな戦いは高貴な私のやる事じゃないわ!!!」
ヴァニスがついに怒鳴り始め・・・ムクロが無理に前衛に出なくてもいいと軽く伝えると。
自分に役割をくれたムクロたちに残念な思いをさせたくないと・・・ヴァニスは高貴だが高貴ゆえに庶民の見方でありたいと語り。
作戦通りにファムと同じルートで行動すると気合を込めて言い放ち。
ユリハ達も互いに気合を入れ合うと、第2ウェーブ戦が始まりを告げ・・・ムクロたちは作戦通りに駆けだした―――――――――――
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