第397話 クーリアの交換条件

――――――――――――ウェーブ戦:第1ウェーブ


 何とか回復したクーリアにポカポカと殴られながら本当にこの先あの黒いローブの男が現れないのかと震えながらクーリアが問うと。

ムクロはクーリアに怖い思いをさせたと言って謝り・・・もしもあのプレイヤーが自分たちの前に現れて危害を加えようとした場合にはムクロ自身が本気で対処するとクーリアの手を掴んで答えると――――――――


「な、うひょは・・・・う、うん!!!わかった!!!わかったから・・・もう少しだけそのままの状態で・・・・はい、カシャ!!!

よっしゃ!!!これでユリハ達に自慢しちゃお!!!」

「あはは・・・本当にクーリアは元通りになったな。

だが・・・そんな事よりも残ったモブの処理を優先した進めよう!!!

ライザーもまだまだ戦えるだろ?」

「あったりまえだろ!!!失った仲間はいるが・・・二度と会えないわけでもない。

それよりもクーリアが救えて俺たちの身の安全まで確保してくれたムクロの為にもガチでこのイベントを頑張るぜ!!!さぁ・・・仲間共の所に戻ってガッツを注入してくるぜ!!!」

「あぁ~あ・・・モブを蹴散らしながら走ってったけど大丈夫なのかな?

ライザーも程々にダメージを喰らっていたように見えたんだけど。」

「うむぅ・・・主殿たちの言葉に熱くなりすぎてそんな事もお構いなしなのじゃ。

じゃが・・・主殿の言った事にはウソ偽りが感じられないのじゃ。

それゆえにアタイは主殿の事を信じるのじゃ!!」

「何だか私の知らないところで派手に死闘を繰り広げていたらしいんだけど・・・・早くこっちを手伝ってくれないかしら!?

きゃぁぁ!!!!!こっちこないでぇぇぇ!!!」

「ちょっと!!!ヴァニス!!!あっちこっちに行かずに同じ場所で戦いなさいよね!!!

全く・・・ムクロがいない間は本当にこっちのモブ狩りが全然できてないんだからしっかりとやってもらわないと困るわよ!!

ほら、クーリアもファムもユキシロもみんなバラけて戦って!!!はいはい解散!!」

アヤカのバックアップによってヴァニスやファムたちとモブを頑張って倒していたらしいが。

その言葉には疲れが見え始めており・・・この3人を後方からの声だけで支援するのは相当苦労したのだろうと感じ。

ムクロはアヤカに詫びてから少しだけ不安なクーリアの隣についてモブを倒すことにした。


「むふふぅ~~ムクロッちに手を握ってもらえるなんて今日はある意味かも!!!

でもってぇ~ユリハ達に見せたらどんな顔するのか本当に楽しみだなぁ~」

「えっと・・・それはどうやったらユリハ達に見せずに済むか教えてくれないか?」

ムクロはモブに攻撃しつつ独り言のように話すクーリアに写真を送らないようにするには何をしたりいのか問うと。

その言葉を待っていたかのようにクーリアが腕を組んで考え始めるが―――――


「クーリア!!!さっきから何を考え込んでいるのよ!!!

今は目の前のモブを倒すことに集中して!!!

それとムクロも手を動かして!!!」

「あ、あぁ・・・クーリアこの話はウェーブ2の休憩時間で頼む。

アヤカが起こったら手が付けられないからな。」

「言えてるね。

アヤカってば冗談が一切通じないからねぇ~

それじゃ残ってるモブをさっさと倒して終わらせちゃおっか。

―――――――――ファイヤーボール!!!

――――――――サンダーボール!!!」

「あうぅ・・・アヤカの怒鳴り声がアタイの耳をキーンとさせたのじゃ・・・・

ぬぅ!!!!じゃが!!攻撃の手を緩めることはせずに・・・ガンガン叩かせてもらうのじゃ!!!ぬらぁッ!!!」

「ヴァニス!!!そっちに鬼が行ったよ!!!」

「わ、わかっているわ!!!

私だって1人で少しくらいは戦えるようになっているんだから!!!

―――――――私の磨きあげたブレイブストライク!!!」

アヤカはやっといつもの流れになったと怒りを鎮めてムクロたちのバックをサポートしながら攻撃し。

ムクロたちが狩っているモブを倒し切ると・・・・一度ムクロの元に集合して辺りにモブが残っていないか確認しつつ始まりの都へと戻って行った。


「クンクン・・・クンクンクン・・・・モブの匂いは全然しないのじゃ。」

「私の目で見ても辺りにはモブの影も見えないし安全そうね。

あと・・・さっきの話だけど。

ライザーのメンバーとクーリアを襲ったギーゼルってプレイヤーの名前は初耳ね。

クーリアは何か知らないの?」

「ん~~私もすぐにやられてライザーに運ばれたから何とも言えないけど。

ギーゼルって確か・・・情報交換仲間の噂に出て来たような気がするんだよね。

そのプレイヤーは名前がわからないって言う事と黒いローブを着て双剣を振り回し・・・狙いを定めたプレイヤーをにキルをする暗殺者だったはず。」

「ん?ほぼ確実って・・・あぁ・・・ムクロが追い払って近づけさせないようにしたからほぼなんだね。

でも・・・・本当にもう私たちを追って来たり迷惑をかけたりしないかな?

私はNPCだからそこまで大きな価値があるわけじゃないと思うけど。

ムクロたちがそのプレイヤーの迷惑行為で来なくなっちゃったら嫌だなぁって。」

「大丈夫よ!!!だって高貴な私がいるのよ!!

ムクロは私をこうやって洞窟城から連れ出したのだから最後まで責任を取る義務があるわ!!

だからムクロはどう転んでも逃げたりすることはないわ。

―――――――――――そうでしょ?」

「そうだ・・・俺はみんなとこのグロリアをクリアするまで死んでも死にきれないからな。

それに・・・あのギーゼルって言うプレイヤーには話を通しておいたから多分追ってくることはないと思う。

だから俺たちは俺たちのグロリアをプレイしよう。

それにしてもエリやユリハ達はまだログインできてないのかな。

あれあから連絡をしてくる気配もないようなんだが・・・・」

少しだけ退屈そうに語るムクロに・・・クーリアは先ほどの話をしようと言って近づき。

さっき撮ったムクロがクーリアの手を握っている写真を見せてきた。


「で、この写真をユリハたちにばら撒かずに済ませる方法はどうしたらいいんだ?

俺にできることがあればいいんだが・・・・」

「大丈夫だよ!!明日の日直の仕事をムクロッちにやってもらうだけでいいから!!

それに明日の日直って私とムクロッちの2人なんだよ?知ってた?」

「ぬへぇ~日直と言うのはそれほど過酷なものじゃったのか・・・・

これは明日の主殿はボロボロになっているのが確定されたも同じことなのじゃ・・・大丈夫かのぉ?」

「きっと平気よ。

ムクロたちの学校から考えてそこまで大変な仕事でもないと思うから。

ただ日直って言うと・・・朝から早いイメージだけど。」

「私の所だと日直何て言うもの自体が存在しないのに対してムクロの方は何だか庶民的ね。

でも・・・そう言うのを少しだけ憧れたりもするかな。

私ってお嬢様の学校だからこうやってグロリアの話をする相手も時間もあんまりなくて・・・・少しクーリアたちが羨ましい。」

「ヴァニスもヴァニスで苦労しているんだね。

でも・・・ムクロの事がそれで済むのならムクロは拒否しないと思うし・・・・

それで決めた方がいいと思うよ。

だって・・・そこにがいるよ?」

ファムの言葉に視線を出入り口の方に向けると・・・そこには本当にユリハとミストたちの姿があり。

あちらもムクロたちを見つけると、すぐ近くまで走って近づいてきた―――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る