第390話 抜け駆けとカラオケ
――――――――――――――中級層荒野:オアシス近くの狩場
その後、クーリアにも変な目で見られながらしっかりと謝り。
ムクロはこの流れのままではマズイと・・・話を変えるべく。
ユリハ達にあっちでのモブ狩りはどうだったのかと尋ねると・・・・
「え、えっと・・・その・・・まずまずかな?あはは・・・」
「ん?どうしたんだ?いつもならもっと楽しそうに話すはず・・・
ミスト・・・何かあったのか?」
「え、あぁ・・・その・・・ムクロがいなくてユリハはいつものペースで戦えてない様子なんだ。
ちょっと上の空で・・・ユキシロに助けられるパターンもちょくちょくあってな。」
「あれ?まだ怒られてると思ったんだけど・・・・お叱りは終わり?
だったら私もお話に混ぜて混ぜて~」
「あんまりいい話になりそうにないけど・・・ユリハがそういう風になるなんて珍しいわね。
やっぱりムクロの事が心配だった?」
「まぁ・・その心配は私たちもだけど・・・
こうなるんだったらユリハ達の方にいるべきだったかなぁ~なんか損した気分だよ。」
「そうかしら?以外にもクーリアは水着でルンルンとしてたじゃない。
まぁそれは私も同じようなものだったけれど。」
エリはさらに話をこじらせる気なのか・・・2人が振れようとしていなかった話しを持ち出すと。
ユリハとミストは一瞬だけ停止し・・・ムクロにその件についての話し合いになった。
「つまり・・・ムクロは水着にはならず・・・2人の楽しむ様子を変な目でジロジロと眺めていたと言う事なのか!?」
「い、いや・・・違う・・・・俺はそんな風には見てない・・・・ユリハならわかるだろ?」
「でも・・・2人を見守っていたって言う事は見ていたって言う事だよね?
ムクロ君の事もわかるけどクーリアたちの言葉も確かなようだからどういえばいいのかな。
アヤカはその場面でムクロ君に変わった行動はなかったか知ってる?」
「えぇ、近くにいたからわかるわ。
ムクロはそうね・・・私たちが戻って来てからだから・・・・あぁ・・・気絶してたわね」
「そうそう!!そうだよ!!!だからムクロは何も悪い事はしてないよ!!
多分ね・・・・それに・・・ムクロはモブを狩る事しか興味がなかったようだから大丈夫だよ。
あと・・・ユリハの事を心配してた。」
ファムの言葉を聞いたユリハはそれが確かなのか本人に問うと・・・ムクロはコクリと頷いて答え。
それにウソが含まれてないと信じると・・・ユリハはこの件についてはそれ以上深くは聞かないと言って今日はそろそろ落ちると言い出し。
ムクロたちも今日は疲れたと言って解散が決定すると。
各自一斉にログアウトし・・・アヤカは銃のメンテが終わってからログアウトすると言ってファムとテントに残った。
「んん~今日は今日で疲れた・・・・それに調理をしたのもあって寄り付かれたな。
これだけ疲れてたら今夜はぐっすりだな。」
「――――――――悠ちゃん?少しいい?」
悠一が寝ようとした直後に姉さんが部屋の中に入って来ると。
久しぶりに一緒に寝ようと言い出し・・・次の日が休みと言う事もあって悠一は了承して姉さんを背に寝かせると本題に入った。
「その・・・最近のグロリアなんだけど・・・私たちにも少し距離ができているような気がしてな。
だからその・・・互いに何があったのか話したいと思ってな。
まずはこちらから話すとだな・・・・
由里さんは悠ちゃんがいないとすごく危なっかしいと言うか無茶をすると言うべきかしら。
今日も話で言ったけれど・・・由里さんは早く悠ちゃんと一緒にプレイしたいんだと思っているのだと思うわ。
それを言うと私もだけれどね・・・で、悠ちゃんの方は他に何か変ったことがあったりした?」
「あはは・・・姉さんの前だとウソは付けないから白状するけど・・・
―――――――――実は・・・・」
悠一は今日の出来事を姉さんに打ち明けると・・・姉さんは怒るのではなく急に笑い出し。
悠一の頭をそっと撫でてきた。
「そう・・・悠ちゃんはいつもと変わらないのね。
でも、私や由里さんは少しだけ気にしてるのよ。
悠ちゃんが無茶をしてないかとか他の彩花さんや他のみんなに何か危ない事が起きてないかってね。
だけど悠ちゃんの話を聞く限りじゃ問題はなさそうだけれど・・・・フフフ。
悠ちゃん・・・随分と耀子やコトハさんたちと仲良くなってきてる用だけど。
本当にそれだけなのかしら?私に隠してることは本当にないわよね?」
姉さんは悠一の肩に手を置いて力強く握りつけると・・・その力の強さから悠一は冗談を言っている雰囲気ではないと言う事を悟り。
本当にウソをついていない事を説明すると。
姉さんは少し残念そうにため息をついて事実と言う事を受け止めてからそっと手を放して眠りにつき。
悠一もそれ以上何かを言えばすべてが言い訳に聞こえてしまうと言う事を考え。
何も言わずに眠りについた。
そしてその翌日・・・目が覚めると隣で眠っているはずの姉さんの姿がなく。
台所に向かうと、姉さんはいつものように朝食を作っていた。
「悠ちゃんおはよう。
そろそろできそうだったから起こしに行こうと思ってたのだけれど・・・
あとね・・・今日は時間ある?」
「え、いや・・・特に何かするような予定はないけど。
どうかした?また買い物?」
悠一の答えに姉さんはグーサインを出して答えると。
朝食を食べると姉さんと朝から買い物に出かけることになり・・・2人で朝食を食べていると―――――――
「ん?誰からだ??耀子??
姉さん耀子から通話がきてるから少しだけ通話する・・・・」
「え、あ・・・うん・・・ゆっくり話しなさい。」
そう言って悠一は通話を開始すると・・・耀子の話の内容は今日一緒に買い物でもどうかと言う誘いで。
今日は姉さんの先約があると言うと・・・耀子に少しだけ間ができ。
「私の方を優先してくれるなんて悠ちゃんは優しいのね。
いつもなら由里さんたちに悠ちゃんを取られちゃうのに。」
「それは・・・由里達が先に予約してたからであって・・・姉さんと買い物が行きたくないわけじゃないから誤解しないでくれ。
それに・・・たまには姉さんとゆっくりするのも悪くない。」
悠一は照れ臭そうに姉さんに語ると・・・姉さんもその言葉に同意して互いに朝食を済ませると服を着替え、街へと向かって行った。
「えぇ・・・こっちは耀子耀子・・・テステス・・・聞こえてる?」
「う、うん・・・聞こえてるよ。
で、でも・・・マズくない?悠一君と涼孤さんの後を付けるなんて。」
「そうよ・・・悠一が誰と一緒にいようと悠一の勝手というものよ?
それに私たちはイベントの真っ最中なのだから少しでもポイントを集めないと・・・・ん?何よ・・・コレ・・・」
コトハはプライベートに関わりすぎと言って家に帰ろうとした時。
耀子は2人がどこに行こうとしているのかが書かれた用紙を見せると。
コトハは家に帰ることを止め・・・由里にマズい事になるかもしれないと言ってその紙を手渡して由里が内容を読むと―――――――――――
「カラオケのチラシだけど・・・あ、もしかしてこの・・・カップルか家族の2名で入店すればフリータイムが格安になるイベント??
コレが2人の向かっているところなのかな?」
「それ以外にあの2人が仲良く出かける理由が他に思い浮かばないんだよ?
それに私も今日悠一に誘おうと・・・・あ・・・・いや、コレは忘れて。」
「耀子・・・まさかアナタ・・・私たちよりも先に悠一をカラオケに誘ったでしょ?」
コトハの問いに由里もズイズイと寄って問いただすと・・・耀子は観念して吐き。
由里とコトハはこのまま尾行も何だか2人に悪いと言って自分たちも久々にカラオケをしようと提案すると耀子も賛成し・・・3人はそのままカラオケ店に尾行とは関係なく向かった――――――――
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