第384話 放浪型モブ:ジープパンサー
――――――――――――プライベートホーム
ホームに入ると、音を聞きつけてレイが現れ。
ムクロを歓迎するとともにリビングに連れ込むと・・・すぐにお茶を淹れ。
今日はどうしたのかと尋ねてきた。
「いや、またレイと話せてないと思って顔を見に来たんだ。
この様子だと俺がいなくても大丈夫そうだな。」
「ご主人様、本当にそう思いますか?
私はいつだってご主人様がいなくて本当に寂しく思っておりますよ。
それにご主人様と行動できているユリハ達が本当に羨ましくて・・・
ですが、それもあと少しの辛抱です・・・」
そう言いながらレイは顔を暗くすると。
ムクロは徐にアイテム欄からレイの好きそうな本を買って来たと手渡すと。
レイはギュッと本を握りしめて笑顔で返すと。
お茶を飲み切ったムクロはそろそろ行くと言ってレイと別れを告げ・・・狩場の方へと向かって行った。
そして、狩場の方に着くと・・・アヤカたちが何故か水着姿でオアシスを満喫していた。
「お、噂をしたらムクロッちが来たよ~~それ!!水鉄砲を喰らえ!!」
「お、おい・・・やめてくれ・・・・あ~あ・・・びしょびしょ・・・」
「だったらムクロも水着に着替えるなりしたらいいんじゃないの?
折角のオアシスよ楽しまないと勿体ないと思わない?」
「ムクロ、大丈夫?
はい・・・タオル・・・あと、その・・・私の水着どうかな?」
アヤカからタオルを受け取り、水着を見ると。
大胆なデザインの水着を着こんでおり・・・評価の仕方がわからずにひと言に合っているとだけ言うと。
アヤカは照れながらありがとうとだけ言ってクーリアたちと水鉄砲で遊び始めていた。
それからオアシスで遊び始めてから時間が経ち、色々と買い込んで来たファムがやって来ると。
クーリアたちはテントの中で着替えて準備を整え・・・やっと本来の目的であるモブ狩りが行われようとしていたのだが・・・・
「ん?誰からだ・・・ユリハ?一体どうしたんだ・・・・・あ・・・
なぁ、クーリア・・・この画像に見覚えはないか?
「あ、それって・・・アハハ・・・ユリハ怒ってる?
怒ってたら・・・その・・・ムクロッちお願い!!代わりに謝っといて!!」
「またクーリアの悪戯?一体今度は何をやらかしたのかしらね。」
「その写真って・・・まさか・・・さっきの?」
「コレ・・・2人ともすごく仲良く見える写真だね。
で、これがどうかしたの?うまく撮れてるけど。」
ファムの言葉にムクロはユリハにどういえば許してくれるのかと考えながら文字を打っていると。
背後からモブが急に表れ・・・ムクロに攻撃してきたのだが―――――――――
「今、少し考え中なんだ・・・邪魔しないでくれ。
―――――――――はぁぁぁあぁぁぁッ!!!!」
「うぇ・・・ムクロッちってメールの返事を書きながらでも器用に戦うよね・・・
まぁエリと鬼のような鍛錬してただけあるよ・・・ホント。」
「あの状況でもモブを倒せるのは当然よ・・・ムクロは私の課した無理難題な課題を突破してグロリアですらクリアしたのよ?
そんなムクロが並大抵のモブに後れを取ること自体がおかしいのよ。
それに・・・今のムクロにはあまり近づかない方がいいわ。
考え中のムクロは余り話を聞く感じじゃないわよ。」
「へぇ・・・そうなんだ。
それならアヤカを止めた方がいいかな?」
そう言うファムの先には何か真剣な顔をして近づくアヤカがおり・・・
色々と考え込むムクロにアヤカは言葉をかけた。
「ムクロ・・・その・・・今回の件はクーリアたちのいたずらだったって事をきっちりユリハ達に伝えておくから気にすることないわ。
私なんかと一緒じゃ・・・ムクロもその・・・嫌でしょ?」
「ん?アヤカか・・・その、ユリハとミストもこっちに来てもいいかって言いだして悩んでいるんだが・・・これはどうすればいいと思う?」
ムクロの返答にアヤカは思っていた言葉と違うと少しがっかりし・・・アヤカはため息をついて好きにすればと軽く答え。
ユリハ達にチャットを送ると・・・気を悪くしたのか近くにいるモブに八つ当たりを開始していた。
「アヤカ・・・すっごく怒ってるよ・・・ムクロッち、早くアヤカに謝った方がいいお思うよ?
元はと言えば私のせいだけど・・・その・・・こうなるなんて思ってなかったから・・・」
「今度からそう言うのは控えてくれよ。
それじゃ、俺はアヤカのサポートに向かうからクーリアたちは他にモブが出てこないか辺りを警戒しつつモブを倒していてくれ。」
「了解!!さぁ・・・2人とも頑張ってモブを倒そうね!!」
「面倒事の処理は任せたわ。
空気が悪い状態でグロリアをプレイしたくないモノね。」
エリ達がモブに向かって駆け出すと、ムクロもアヤカの戦っている方へ向かい。
アヤカのカバーに入った。
「チッ・・・・そこッ!!!って・・・ムクロか・・・脅かさないでよね。
それと、ここは私だけで充分よ。
あっちでクーリアたちのサポートでもしてたらいいじゃないの。」
「いや、アヤカを1人にできないからこうやってやって来たんだが・・・
1人でアレと戦うつもりか?」
ムクロの言葉を聞いたアヤカはムクロの見ている方をそっと見てみると・・・
そこにはヒョウ柄の大型獣がやって来ており。
放浪型モブのジープパンサーがこちらをにらんでいた。
「あ、あれくらい・・・私1人でもやって見せるわ!!!
――――――――――ハァァッ!!!
――――――――――――――ッック!?」
「おい、アヤカ・・・大丈夫か?
だから1人で戦うのは無茶だっていただろ?
こいつを倒したいのなら銃だけじゃ無理だ。
だから協力して戦わないか?」
パンサーからの攻撃を弾き返したムクロはアヤカにそう語ると。
アヤカは恥ずかしそうに勝手にしてと言って駆け出し。
ムクロはその言葉からアヤカの攻撃をしやすいように先手を打った。
「うおぉぉぉお!!!!せいッ!!!!!!ハァァッ!!!
――――――――――アヤカ!!!いまだ!!!」
「わかってるわよ!!!
―――――――――――弱点は腹、顔、背・・・そこだッ!!!」
「ッグギャァァァァ!?!?」
ムクロとの交戦中に真横からの的確な射撃にパンサーは苦しそうな鳴き声を上げながら体力を減らし。
アヤカの方をじっと見つめると・・・ムクロを飛び越してアヤカの方へ駆け出していき・・・・
「アヤカ!!!逃げろ!!!
そっいにパンサーが向かった!!!」
「そうなることは知ってるわよ・・・だからコレを仕掛けてたんじゃない・・・
―――――――――――たんと食らいなさい!!!起爆ッ!!!」
「グギャッ!?!?」
アヤカが回避した瞬間・・・アヤカのいた地に仕掛けていた爆弾が起動し。
爆風がパンサーを飲み込み、見事にパンサーを討伐することができた。
そして勝負に決着が着くとアヤカのいる元へムクロが近づき・・・さっきの件について謝罪をすると―――――――
「私は別に気にしてないわ。
ただ・・・納得いかなかっただけって言うか。
ムシャムシャしたって言うか・・・・
そんなことはもうどうでもいいのよ!!ほら・・・クーリアたちの所に戻りましょ。
また何か変なことをされないうちにね。」
「そうだな・・・それじゃクーリアたちが戦っている方までダッシュで向かうとするか。」
そう言ってムクロとアヤカはクーリアたちが戦闘をしている方面に向かって駆け出し。
モブの攻撃の瞬間をついてムクロたちが乱入した――――――――――――
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